雲一つない満月の夜は、キラキラと星がこぼれ、林の木立や草むらさえも月の光に照らされる。そんなとき、子どもたちは月を見上げて、ウサギが餅つきしているのは、どの辺か。あそこか、ここかと、その姿を探し求めたものだ。 科学がそんな情景に入り込んでは…
かって「エコノミークラス症候群 (economu class syndrome)」がマスコミの話題をさらったことがあった。狭いエコノミークラスの座席で長時間じっと座り続けると、脚に流れる血液の巡りが悪くなって、脚がむくんでしまう症状だ。最悪のばあい、血液中に血液の…
人間の脳の奥の視床下部に、視交叉上核 (suprachiasmatic nucleus)と呼ばれる神経細胞群がある。ここが体内時計(概日リズム)の役目を担っている領域だ。体内時計のサイクルは約24時間。これよりも長めだと「夜型 (night owl)」になりやすく、短めだと「昼型 …
農家の稲刈りが終盤に差し掛かった晩秋のころ、グワグワと騒がしい掛け声をあげて、北の空からマガン、白鳥が群れをなして飛来する。そして、やがて大寒の終わりを告げる節分が近づくと、よく晴れた朝、その渡り鳥たちは一斉に上昇気流に乗って空高く舞い上…
江戸の川柳に、こんなのがある。 ・削(そ)いで取りますと 外科殿平気なり 他人の痛みなど気にせず、さっさと仕事を済まそうとする医者。その態度を痛烈に揶揄(やゆ)した一句だ。 どうやら、この世には、昔から「高慢と偏見 (Pride and Prejudice)」の挙動が見…
はじめて鉄砲を種子島に持ち込んだのは Portuguese。1543年のことだ。やがて、その鉄砲が戦国時代の戦(いくさ)のあり方を大きく変えることになる。 それから16年後の1559年の Portuguese。今度はヨーロッパにはじめて茶の葉を持ち込んだ。そのときの名称は「…
天下取りを狙った信長は、いばり屋で目立ちたがり屋だった。家来を集めては、好んで、幸若舞「敦盛」の一節 『人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり』 と歌い、舞ったと伝えられる。戦国の当時は、人生50年が普通だった。 しかし、健康寿命はと…
1.Overtinking?:クヨクヨと考えすぎだって? 腹立たしいことや、悔しい過去の恨みつらみに屈辱・恥辱の数々。それに口惜しい深い心の傷は、忘れようとしてもなかなか忘れ切れるものではない。さらに、遥か遠くの沖合から高潮がヒタヒタと海岸に押し寄せる…
冬の朝は暗く、その上、寒い。おのずと布団 (duvets)から抜け出せなくなる。この時期、布団もまくら (pillowsも、なんと愛(いとし)いことか。 しかし、どんなにいとしいものでも、それをボロボロになるまで使うわけにはいかない。ものには寿命があり、やがて…
古代ローマ軍がBritain島を完全に掌握したのはAD43。しかし、その後は、北部Scotland、西のWalesへの侵攻をためらった。いずれの地も、冬になると、雪と氷の世界に一変し、食糧の確保と進軍に困難を極めると判断したためだ。歴史の上で、この判断は正しかっ…
遥か昔の平安時代、白拍子は、『遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけむ … 』と歌い上げて、舞を披露した。 しかし、それからおよそ800年の月日が過ぎると、第二次世界大戦が勃発。日本のほとんどの都市は廃墟と化した。人々は、豊かな生活と社会…
一生の間には、誰にだって、悩みや不安で眠れなくなることだってある。とくに、明日は、大事な演奏・発表会あるいは命運をかけた一大勝負の日とあっては、ベッドに入ってもなかなか寝付けないものだ。 それはさておき、十分に眠れない夜が続くと、「health and…
生まれたばかりの赤ちゃんの体重が60kg。もちろん、人間にはあらず、お母さんのおなかの中で16ヶ月の「懐妊期間(gestation)」を経て、今年の 9月19日、「Fota Wildlife Park (フォタ野生生物園)」で誕生した「Indian rhino (インドサイ)」の「calf (ベビー)…
北極に住むという「雪の女王」が、その笏 (sceptor)を天に向けて高々と掲げると、北風が荒れ狂い、吹雪が舞い上がって、北国はみな「底冷えする冬 (wintry spell)」に襲われる。Irelandとて例外ではない。 さて、そんな寒い冬が到来したというのに、食品・灯…
「ちょっと近くのスーパーまで買い物」、「すぐそこの公園で散歩」のときでも、ついクルマで出かけがちだ。ところが、近年、健康ブームが高まって、「あるけ歩け」が叫ばれるようになった。その「歩け運動」の実践目標は「10,000steps a day (一日10,000歩)」…
澄み切った空はあくまで青く、燃え盛る炎はあくまで赤い。それは誰の目にも明らかだ。しかし、匂い(smell)となると、そうはいかない。嗅覚の普遍性(universality)は一挙に崩れる。漬物や線香の匂いが耐え難いとするヨーロッパ人は多く、逆に、ヨーロッパで人気…
肉体が余りにも悲惨で、おぞましいダメージを受けることから、日頃、ほとんど誰もが目をそむけている病気、それがガン (cancers)だ。その治療法としては、ごく一般的な薬物(化学)治療、放射線治療、外科手術の他に、近年は ・遺伝子治療 ・(光)免疫治療 ・粒…
温・熱帯性の観葉植物にとって、寒い冬をぶじに乗り切るのは大変だ。ややもすると、グリーン愛好家、いや、園芸 (horticulture)の達人と言えども、せっかく育てた鉢植えを、この時期に枯らしてしまうことがある。 そこで、「Baby Bio」のプロダクト・マネジャー M…
春がやって来ると、園芸店ではトマト、ナス、ハーブなどの苗の数々が所狭しと並ぶ。しかし、近年、その野菜の苗の価格がずいぶんと高くなった。 ところで、市場で販売されている野菜のタネもしくは苗には「F1 hybrids (雑種一代 [交配種])」と「open pollina…
昼食代わりにスイーツ、ドーナッツを食べる若ものが多くなった。 人生、一度きりだ。「食べたいものを食べて何が悪い」と居直る声も聞こえる。しかし、やけのやんぱちになって、好きなものを好きなだけ口にしていては、身体も人生も「could be a slippery slo…
世界気象機構 (The World Meteorological Organisation)が中心になって各国の気候変動に関する研究結果をまとめた報告書「United in Scinece 2022 (科学連合2022)」によると、パリ協定で地球温暖化対策の目標とした、 『2030年までに世界の平均気温の上昇を産…
悪魔 Satanが天上から追放されたのは、「St Michaelmas Day (聖ミカエルの祝日)」が制定された日すなわち9月29日 (旧暦10月11日)であった。このとき、悪魔は地上のBlackberryの繁みに落ちたため、この実をいたく呪ったという。それ以来、悪魔は9月29日以降に…
社会人として遵守すべきモラル・ルールは、なにも交通モラル・ルールに限らない。今は、環境をないがしろにすることが許されない時代だ。 ところが、物陰に隠れては、善良な市民のささいな運転ミスを咎め立てするパトカーが、こともあろうに、こんな社会モラル…
この数カ月間、インフレ怪獣は、人々を飲み込むかのように、その醜い頭を高く持ち上げ始めた。ガス・電気、ガソリンはもとより、パンに野菜・フルーツに至るまで、あらゆる商品の価格の値上がりが続く。 年間数千万円の所得を超える政治家、大企業経営者などの…
秋がやってきた。夏野菜の収穫も終わった。夏の間に使用した防虫ネットや支え棒をかたづけ、トマト、ナス、キュウリなどの畝(うね)を掘り起こして、土壌の日光消毒を行なう必要がある。 これから先、春までは庭を「rewilding (自然に還す)」期間だ。 1.Pla…
その昔、貧しい村々では、医者にも生薬屋にも頼ることなどできず、けが人や病人が出ると、村に住む物知りの老人や寺の和尚のもとに駆けつけて、手当を請い願った。その手当と言っても、ほとんどが薬草を用いるか、おまじない、あるいは神仏の加護にすがる儀…
世界最大で最新の宇宙望遠鏡「The James Webb Space Telescope (ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)」がとらえた太陽系最大の第5惑星「Jupiter (木星)」の影像が公開された。 木星の両極は渦巻く靄(もや)の中にオーロラ (auroras)が輝き、さらに、地球をすっぽ…
人類が作りだしたPFAS (有機フッ素化合物)とは「poly-and perfluoralkyl substances (ポリフルオロアルキル物質)の略称。その種類は約12,000種以上とされる。いずれも、「forever chemiclas (永遠に不滅の化学物質)」と呼ばれるほど したたかで、自然界では分…
今から約4億2千万年前のシルル紀 (Silurian period)、地球上に ようやく陸地が形成されると、その地面に根を張る植物 (plants)が出現する。植物は、太陽の光エネルギーを利用した「光合成 (photosynthesis)」で生き延びる生物だった。 この複雑な化学反応を…
かって、農作業の労力と言えば、せいぜい牛馬の力を借りる他に手立てがなかった時代、荒れ地を開墾して水路を築いて水を引き、稲を育てるには、一人の力ではどうしようもなかった。おのずと人は集落をつくって住み暮らし、互いに協力しあって農作業を進めた…