Irelandで初誕生のインドサイ:体重60kgの「Jai(ジャイ)」くん (RTE-News, Dec 1, 2022)
生まれたばかりの赤ちゃんの体重が60kg。もちろん、人間にはあらず、お母さんのおなかの中で16ヶ月の「懐妊期間(gestation)」を経て、今年の 9月19日、「Fota Wildlife Park (フォタ野生生物園)」で誕生した「Indian rhino (インドサイ)」の「calf (ベビー)」のことだ。
Irelandにとっては史上初の快挙だった。2022年、世界中の動物園を見回しても、インドサイの赤ちゃんが生まれたのは、この Irelandの 1頭を含めてたったの 6頭だ。
インドサイは、いまや絶滅危惧種の中でもとくに絶滅が危ぶまれている大型動物。体全体が鎧のようなぶ厚い皮膚に覆われて、防備完璧。その堂々とした体躯で静かに草を喰む姿は、見るものを圧倒する迫力に満ちている。
しかし、不幸なことに、その角(犀角)が、古来、中国では漢方薬として珍重されて来たことから、密猟とその角の闇取引が長年にわたって横行し、野生の個体数が激減してしまった。現在、生きの残っている野生の「Indian rhino」は推定3,300頭に過ぎない。
さて、Irelandに誕生した「calf (ベビーサイ)」に話を戻す。
赤ちゃん誕生後、「フォタ野生生物園」では、その名前を民間に募集したところ、約1,000件の応募があったという。
その中から選ばれたのが「Jai (ジャイ)」だった。名付け親は、Ireland北西部の「Leitrim (リートリム)」在住の Ms Cliodhna Kellegher。
「Jai」とは英語の「victory (勝利)」あるいは「triumph (大勝利)」を意味し、この野生生物園で無事に成長して、絶滅危惧種の保護活動が成功し、世界の人々が野生生物の多様性にもっと注意を払うようになることを願って付けられた名前だそうだ。
「Jai」の体重は、毎日1−2kgずつ増えて、誕生から 2ヶ月半が過ぎた今では165kgを超えるまでになったとか。
なお、午後の開演時間内に入園すると、飼育舎の「paddock (放し飼いの囲い)」の中で、お母さんに寄り添いながらも、元気に遊び回る「inquistive (興味つきない)」ベビーサイの姿を楽しめるはずと、RTEは伝える。
(写真は添付のRTE Newsから引用)