光合成アップの遺伝子組換え作物で:地球の食糧不足は救えるか? (BBC-Science, Aug 19, 2022)
今から約4億2千万年前のシルル紀 (Silurian period)、地球上に ようやく陸地が形成されると、その地面に根を張る植物 (plants)が出現する。植物は、太陽の光エネルギーを利用した「光合成 (photosynthesis)」で生き延びる生物だった。
この複雑な化学反応を繰り返すことで、水が分解されて酸素が生み出され、大気中の二酸化炭素は有機物(養分)として固定された。
そして時は過ぎ、人類は「food crops (農作物)」に依存して生きることになった。
ところが、Illinoi大学の Stephen Longによると、この30年間、農作物の光合成反応がにぶくなって、生産性が落ちているという。この状況下で、戦争が起きて「inefficency in food supply chains (食品サプライチェーンがとどこおり)」、「climate change (気候変動)」で干ばつが進むと、世界の食糧不足はさらに悪化の道をたどることになりかねない。
なお、UNICEFの報告では、今後2030年までに、地球上の少なくとも6億6千万人以上が「food scarcity (食糧不足)」「malniturition (栄養不足)」に直面すると予測されている。
そこで、Long教授らは「soy beens (大豆)」の光合成を助長させ、その生産性を高める研究に着手した。その結果、20%増の生産力を有する「gene-edited crops (遺伝子組換え作物)」の開発に成功したという。
一般に植物の葉は、強い太陽光に当たると「protective mode (防御ボード)」に変わり、余分な光エネルギーを熱として大気に放出して、細胞がダメージを受けないように身を守る。しかし、数分も経つと、その「protective mode」は解けて、再び「fully productive growth mode (生産アップモード)」に戻る。
Long教授らは、植物の「protective function (防御機能)」を担う遺伝子を操作し、植物の「switch back (モード変換)」が速やかに起こるように改良したという。
おわりに:近頃、なぜか、遺伝子組換え作物が問題視されることは、ほどんどなくなった。その安全性について、これまで、どのような研究が進められ、どのような結果が得られたのか。公表、公開された研究は余りにも少ない。
(写真は添付のBBC-Newから引用)