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寒気に襲われ、道路はブラック・アイス:岩塩消費量が上昇中! (RTE-News, Dec 13, 2022)

Ireland records coldest day since 2010

 古代ローマ軍がBritain島を完全に掌握したのはAD43。しかし、その後は、北部Scotland、西のWalesへの侵攻をためらった。いずれの地も、冬になると、雪と氷の世界に一変し、食糧の確保と進軍に困難を極めると判断したためだ。歴史の上で、この判断は正しかった。

 時が過ぎて、1812年。歴史の教訓を忘れたのか、あるいは北国の冬をあなどってか、ナポレオンは約70万の大軍を率いてロシアに遠征した。ところが、とんでもない大雪と寒さと飢えに苦しめられた。結局、食糧の確保も大砲の運搬もままならず、大敗を喫して、這々の体でパリに逃げ帰った。

 

 オレンジとオリーブの国の人々や亜熱帯の国からの留学生などは、雪に憧れるというが、北方の国に住む多くの人にとって、雪は単なる「nuisance(やっかいもの)」に過ぎない。

 溶けた雪や「sleet(みぞれ)」が凍ると、道路はカチコチの「black ice(ブラック・アイス)」に覆われて、歩行者の転倒事故、クルマのスリップ事故が多発する危険な状況となる。

 

 さて、この数週間、北米・北ヨーロッパは、強烈な寒気に襲われた。Irelandとて例外を免れず、道路管理局「Transport Infrastructure Ireland」は、凍結防止用の融雪剤「grit salt(岩塩)」の道路散布に大忙しだ。高速道路(motorways)はもちろんのこと、国内の主要幹線道路や地方道路に至るまで「grit salt]」の散布が欠かせないのだ。

 例年、冬期に使用する岩塩は約10万トン。ところが、今年の冬の寒さは異常だ。この12月13- 23日の10日間で、岩塩の使用量は25,000- 35,000トンに達する見込み。金額にして€1.75million(約2億5千万円)が、雪を溶かすためだけに消えることになる。

 

 現在、ストック中の岩塩は約20万トン。今年の寒さでは、ほぼ8週間分にも満たない量だ。厳寒がこのまま続くと、凍結防止用の岩塩は、予想を超える量となる可能性がある。当局は流通ネットワークを駆使して、なんとか必要な岩塩を確保したい考えとか。

From RTE News: Dec 13, 2022

・ 35,000 tonnes of grit salt will be used during cold spell

 

おわりに:日本の北国の冬の道路に融雪剤がまかれるのは、ほんの一部だけ。そして、スリップ事故は、クルマの運転者の責任とニベもない。これに反し、Irerand、Canadaの厳寒の街なかでは、夜間も道路に岩塩をまき続ける。同じ民主国家とは言え、なんという違いか。

    (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie

追記:これにて、暫時、冬休み。読者の皆さま、どうぞ、よいお年をお迎えください。