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あなたは朝型(morning lark):それとも夜型(night owl)? (RTE-News, Jan 12, 2023)

Are you a lark or an owl?

 人間の脳の奥の視床下部に、視交叉上核 (suprachiasmatic nucleus)と呼ばれる神経細胞群がある。ここが体内時計(概日リズム)の役目を担っている領域だ。体内時計のサイクルは約24時間。これよりも長めだと「夜型 (night owl)」になりやすく、短めだと「昼型 (morning lark)」になりやすいとされる。

 

 夜型人間の活動気分が絶好調に達するのは、朝型人間が寝静まる夜中だ。日中はフクロウのように眠くて、今いち、勉強や仕事に集中できない。

 社会は、朝型40%、夜型30%の割合で構成され、残りの30%はどちらとも決めかねるタイプの人間とか。

 

 けれども、人間は朝型、夜型にかかわらず、とにかく16時間働いたら、8時間の睡眠を取る必要がある。ところが社会は、夜が明けたとたん すぐに動き出すから、夜型人間にとってはつらい。

 

 そんな状況にあっても、夜型人間は、日中、眠気と戦いながら働くことは働く。しかし、夜になって、昼型人間と同じようにいざ眠ろうとしても、バイオリズムがずれているため、充分に満足できる睡眠が得られず、これが原因でメンタルヘルスに支障を来す人が少なくないという。

 さらに、夜型はどうしても不健康な行動習慣に陥りやすい。眼が冴えて眠れないときは、お酒を飲みに外出したり、外出することはなくとも、遅い時間に夜食が欲しくなってしまうからだ。

 

 また、朝には子どもを学校に送ったり、自身も仕事に出かけなければならない。そこで、シャキッとしようと、コーヒーをすする。

 

 ところがカフェインには脳の「adenosine receptors (アデノシン受容体)」を阻害する働きがある。カフェインを摂りすぎると、せっかくの夜の睡眠が90分間隔で、浅い眠りと深い眠りが交互に出現することになるから始末が悪い。

 

 健康な人の睡眠では、眠りについて始めの4時間は「slow-wave or deep sleep (徐波睡眠あるいは深い眠り)」。この眠りは心臓を休息させ、肉体の疲れをとるために欠かせないものだ。次に続く4時間は、メンタルヘルスにとって重要な眠り。この時間では記憶情報が感情から切り離されて、整理される。これが

 

・anxiety;不安

・stress:ストレス

 

の緩和に寄与していると考えられている。

 

 では、夜型を朝型に変えることはできるだろうか。Limerick大学の Dr Ann -Marie Creavenによると、できないことはないが、自分のバイオリズムに従って働くのが一番だとか。

 

おわりに:ジプシーが言い伝えた「太陽のおかあさん」という昔ばなしによると、『太陽は、一日中、空を旅したあとで、お母さんのひざの上で眠らないと、疲れ切ったおじいさんになって、翌朝、世界中を照らすことができない』。 太陽でもそうなのだ。人間なら、なおさらのこと。夜、ぐっすり眠らないと、あっという間に生命のともし火が消えてしまいかねない。

 

参考: こころに余裕のある人には、次の2冊を勧める。

・内山 真:睡眠のはなし、中央公論新社、2014

・フィツォフスキ再話、内田莉莎子訳:太陽の木の枝、福音館、1968

         

                 (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie