先進国でも貧困に苦しむ子ども:7人に 1人は まともな食事ができない (RTE-News, Dec 6, 2023)
「貧」は「貝 (お金)」と「分 (分散させる)」の 2つの漢字で成り立つ。つまり、「貧しい」とは、「お金を使いすぎた (散財した) こと」を意味する。
しかし、古代中国人の、この考え方はどうもしっくりこない。現在、貧しさに苦しむ人の多くは、大金に縁もゆかりもなければ、それを目にしたり、直に手に取ったこともない人々だからだ。
現代人の貧しさの原因は浪費にあるのではなく、生まれたときの境遇、人生の幸不幸、個人の努力が大きな貧富の格差を生み出しているように思える。
さて、UNICEFの調査報告書によると、先進国 Irelandの「子どもの貧困率 (child poverty)」は「 7人に 1人」で、子どもの10人に 1人は、貧困が 3年以上継続する「長期貧困 (prolonged poverty)」の家庭で暮らしている。
しかし、これは、2014年から2021年にかけて、子どもの貧困率が19%改善した後の調査結果でもある。(7年前の貧困状況はもっとひどかったことになる。)
一方、UNICEFが世界でもっとも豊かな 40ヶ国の「child poverty rate (子どもの貧困率)」を調査したところ、2021年末現在で、「国人平均所得 (average national income)」の 60%未満の家庭で暮らす子どもの割合は「 5人に 1人」で、その数約6,900万人にのぼった。
なお、EUおよびOECD (経済協力開発機構)の富裕国40ヶ国では、2012年から2014年さらに2019年から2021年にかけて、子どもの貧困率に約 8%の低下があったことがわかっている。すなわち、子どもの総人口 2億9,100万人のうち、約600万人の子どもが、この 10年で貧困状況下から抜け出たことになる。
それでも、2021年末の段階で、前述の 40ヶ国で貧困家庭で暮らす子どもの数は、6,900万人以上と推定されている。
貧困家庭では、
・nutritious food:栄養価の高い食事
・clothes:衣類
・school supplies:学用品
・warm place to call home:我が家と呼べる暖かい場所
に事欠き、子どもは「physical and menta health (心身の健康)」に問題を抱えて、あるいは将来の不安を抱えて暮らすことを余儀なくされる。
なお、「子どもの貧困率」に関しては、2012年以降、特定の富裕国で改善の傾向が認められ、
・UK :19.6% up
・France: 10.4% up
また、子ども貧困は「economic inequality (経済的不平等)に深く結びついているが、その背景には
・single-parent families:ひとり親家庭
・minority:マイノリティ出身
があることも事実。USにおける子どもの貧困率を人種別でみると
・African−American children (アフリカ系) : 30%
・Indigenous (native) American children (大陸先住民系) : 29%
・Non−Hispanic white children (非ヒスパニック系白人) : 10%
と、白人とそれ以外の人種では、約 3倍の違いが存在する。
なお、EUでは、「non-EU nationality」の子どもの貧困率は「EU nationality」の子どもの貧困率の約2.4倍とか。
おわりに:人類にとって、貧富の格差のない世界、争いのない世界、健康に不安のない世界は単なる夢物語なのだろうか。
(写真は添付のRTE-Newsから引用)