ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

濃厚なエスプレッソの淹れ方:火山噴火の雷光メカニズムがヒントに! (RTE-News, Dec 11, 2023)

Adding a small amount of water to coffee beans before grinding them produces more consistent and tastier espresso, researchers say.

 エスプレッソ用のコーヒー豆をグラインダーで挽くとき、ひたすら細かく挽いてフィルターで抽出していませんか。コーヒー豆を細かくすると、粒子と粒子の間の摩擦で静電気が発生し、これが原因で、細かい粒子が互いに結び付いたり、グラインダーにくっつくものだ。

The fracturing and friction of coffee beans during grinding generates electricity that causes coffee particles to clump together and stick to the grinder

 Portland State大学の Dr Joshua Mendez Harperによると、この帯電現象は火山噴火の際に発生する雷光現象によく似ているという。

 

”During eruption, magma breaks up into lots of little particles that then come out of the volcano in this big plume, and during that whole process, those particles are rubbing against each other and charging up to the point of producing lighting.”

[ 火山の噴火では、まずマグマが大量の細かい噴石に分解され、次に、それが噴煙とともに火口から吹き上げられる。このとき、噴石は互いにこすり合って帯電を続け、やがて雷光の発生点に達する。]

 

  なお、コーヒー豆を挽くときに発生する静電気は、コーヒー豆の生産地、製造工程によって大きく異なることはなかった。しかし、静電気は

 

・coarse or fine grinding:細挽き、粗挽き

・light or dark roast        :浅煎り、深煎り

 

の別で、違うことが分かった。

 コーヒー豆を「浅煎り」「粗挽き」にすると、静電気の発生が抑えられた。また、「浅煎り」の豆はプラスに、「深煎り」の豆はマイナスに帯電する傾向があった。

 そこで、エスプレッソ用のコーヒー豆を挽く前に、豆に(霧吹きなどで)「a splash of water (湿り気)」を与えてみた。すると、グラインドの際に粉が飛び散らず、静電気も発生しない。そして抽出時間が延びて、コーヒーの味も香りも濃厚になったという。

 

 以上は、科学雑誌「Matter」に発表された内容だ。Dr Harperらは、次に、「完璧なコーヒーの淹れ方」の研究に挑戦する予定とか。

おわりに:もちろん、エスプレッソの風味は、豆・水の質、抽出方法によって大きく変わる。しかし、グラインダーで挽く前に「豆を湿らせる」テクニクは初耳だった。試してみる価値は十分にある。

 さて、2023年も残すところ数日となった。山猫教室は冬休みに入る。読者の皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

         (写真は添付のRTE-Newsから引用)

www.rte.ie