リサイクル・ボックス:そこに、どんなものが捨てられているの? (RTE-News, Sep 7, 2022)
社会人として遵守すべきモラル・ルールは、なにも交通モラル・ルールに限らない。今は、環境をないがしろにすることが許されない時代だ。
ところが、物陰に隠れては、善良な市民のささいな運転ミスを咎め立てするパトカーが、こともあろうに、こんな社会モラル違反を犯した。パトカーを車道の脇に留めて運転席から出て来た警官は帽子を脱ぐと、タバコを吸いながら道路を横切り、その吸い殻を側溝目がけてポイ捨てした。最近、報道されたニュースの映像の一コマである。
さて、Irelandで環境保護・リサイクル事業を展開する NPO団体「Repak」が、Irish1000人を対象にした環境・リサイクル意識に関する調査を実施したところ、「人々がもっと環境・リサイクルに目を向けたなら、自然環境はさらに改善される」と答えた人が85%にのぼった。
加えて、75%の人は「プラスチックのリサイクル率を高めることが環境改善策の「the first step」と考えていた。
なお、自然環境を守るために必要とされる項目の中には
・使い捨てプラスチックを手にしない:59%
・徒歩あるいは自転車利用をもっと心がける:49%
・家庭におけるエネルギー効率をあげる:43%
なども含まれていた。
1.Re-Imagine:再認識
上記の Repakの調査結果を受けて、2022年度の「Team Green」の活動キャンペーンは「Re-Imagine (リサイクルの再認識)」と決定。一般の人々に対し、「プラスチックがどのように再利用されているのか」について、正しく理解してもらうことにした。
現在。Irelandでは、全プラスチック製品の31%がリサイクルされている。しかし、「EU Legislation(EUリサイクル法)」によると、2025年までに、そのリサイクル率を50%に引き上げることが求められている。
そのためには、リサイクル・ボックスに投入されたプラスチックが、「clean, dry, and loose (洗浄、乾燥、破砕)」の行程を経て、新たなプラスチック製品の原料として利用されていることが、人々にもっと認識されなければならない。
2.Kowledge is power:知は力なり
今回の調査対象になった成人の約78%は、自宅で何らかのリサイクル活動に協力していたが、若者(18− 24歳)の回答者に限ると、リサイクルに協力している割合は63%に過ぎなかった。
さらに、人々の間には、「リサイクルできるもの」と「できないもの」の区別が正しく判断できない人もいて、「rigid plastic (硬質プラスチック)」だけがリサイクルできると考えていた人が27%もいることがわかった。
また、Irelandではプラスチック容器の再利用がかなり進んでいるにもかかわらず、調査対象者の52%は「プラスチック容器に入った食品は購入しない」と回答したという。したがって、プラスチックのリサイクル率を高めるためには、まず、一般の人々に、実情を正しく理解してもらう必要があるのだ。
3.What goes in the recycling bin?:リサイクル・ボックスの中身
こんなものが入っていた。
・all plastics:プラスチック製品のすべて
・paper & cardboard:紙・ダンボール
・tin, cans & foil:缶詰の缶、空き缶、アルミホイル
4.What does not go in the recycling bin?:ボックスに投げ込まれる最悪なもの
本来、投げ込んではならないものが、投げ込まれ、その割合は全体の約30%。
以下は、なかでも最悪とされるものの代表例
・glass
・batteries
・bulbs
・nappies (オムツ)
・wipes (ティッシュ)
・food waste
・garden waste
・markers
・matches
・pens
・food
・soiled kitchen roll
・toothpaste tubes
おわりに:日本のスーパー、コンビニなどで販売されている総菜・弁当、果物・野菜などの食品のほとんどは、ラップ包装やプラスチック容器入りだ。どの家庭でも、そのプラスチック容器の始末、そのゴミの多さに手を焼いている。
(写真は添付のRTE Newsから引用)