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焼けて燃え尽き、枯れ果てた山の名称:エコパークにそぐわない (RTE-News, Apr 17, 2023)

Brecon Beacons National Park in Wales will now be known as Bannau Brycheiniog National Park

 焼(やけ/やき)山、はげ山と呼ばれ、草木が枯れ果て、地面がむき出しになった山が、全国各地に多数点在する。その原因は、火山活動にあることもあれば、かっての鉱山に付随した精錬所の有毒ガスに帰されることもある

 しかし、原因はどうであれ、いずれにしても、集中豪雨の際には地すべり や土砂流出が発生し、ときには深刻な自然災害を起こしかねない「醜く、危険な山の姿」であることに変わりはない。「eco (エコ)」とは真逆の存在だ。

 

 ところが、Wales南部の都市「Brecon (ブレコン)」の近くにも、山頂が赤茶けた山がそびえている。その名も「Beacon (ビーコン)」。地元の人はWelsh (ウェールズ語)で

 

・Pen-y-Fan (ペン・ニ・ヴァン) [ 山頂の意]

 

と呼ぶ、標高 886mの山だ。

 

 この山を中心にした一帯が、1957年、「Brecon Beacons (ブレコン・ビーコンズ) National Park」に設定され、その後、多くの人々に親しまれてきた。

 しかし、その最高峰の山頂付近は、デボン紀の「Old Red Sandstone (旧赤色砂岩)」がむき出しのため、まるで「Giant burning brazier(燃え盛る巨大なブレイザー(鉄製火鉢))」のようでもあり、極めて殺風景な場所だ。

 

 それに、「Brecon Beacons」の名は、単に、「(都市)ブレコンの焼き窯」の印象しか与えず、また、何の「ウェールズらしさ」も反映されていない。

 『名は体を表わす』と言うが、このままでは「パーク」の意図する「Ethos (真髄)」を一般の人々に理解してもらうことは不可能。

 そこで、このパークの責任者で CEOの Ms Catherine Mealing-Jonesは、「脱炭素化(decarbonisation)社会にふさわしく、かつ

 

・By Welsh people, Welsh culture (ウェルシュの、ウェールズ文化による)

 

パークづくりをめざして、パークの名称を

 

・Bannau Brycheiniog (バナイ・ブリフェーニォグ) Nationa Park

 

とすることにした。 「Brycheiniog (ブリフェーニォグ)」とは、5世紀(中世初期)にWales南部で栄えた王国の名称であり、したがって、「Bannau Brycheiniog」を直訳すると、 「ブリフェーニォグ王国の峰々」の意となる。

 

 さらに時代をさかのぼって、「Iron Age (鉄器時代)」(BC1,000頃)には、この一帯の山脈の峰々に、数にして20を超す「Hillforts (ヒルフォート) [丘の上の城砦集落]」が築かれ、交易と政治の拠点として利用されていたことが分かっている。

 

 今後、10年をかけて

・tree covers:木陰

・wetlands:湿地

・hedgerows:垣根

・peaty bogs:泥炭地

・wild flowers:野草

 

保全と清浄な水環境の回復に努めるとともに、再生エネルギー設備を導入して2035年までに「net zero」とし、世界文化・自然遺産 (world natural and cultural heritage )の登録を目指す考えとか。

 

おわりに:山や川、草木に小鳥はもちろんのこと、地名、学校に至るまで、ものには名前があり、「なぜ、そのように呼ばれてきたのか」の理由もあった。地名などの中には、確かに権力者あるいは征服者がかってにつけたものもあるかも知れない。

 しかし、この記事の「Brecon Beacons」は別にして、地名や山の由来、歴史を無視して「ひらがな」にしてみたり、意味不明な名に改称する「はやり」には、どうしても両手(もろて)を挙げて賛成するわけにはいかない。

                (写真は添付のRTE Newsから引用)

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「繕(つくろ)い」:これが今、最新のアップサイクル (upcycle)だ! (RTE-News, Apr 19, 2023)

Crotch Blowout and Bobby knits - Repair and Upcycle your clothes

 裾(すそ)がちょっと ほつれたジーンズ、わざとツギハギを当てたジーンズ、膝小僧が見えるほど破けたジーンズの値段が、無傷の新品よりも高いという不思議な時代だ。

 

 ところで、「繕(つくろ)う (to mend)」とは、衣類の破れやほつれを、糸と針で補修することだが、この頃は、その手作業も、親から子へと代々伝えられて来た「繕(つくろ)いの技」も、人々からすっかり忘れ去られ、本来のことばの意味で使われることは、ほとんどなくなってしまった。

 

 替わって、悪事をごまかす意味の「取り繕(つくろ)う」が優勢になった。ことばの変化は、時代あるいは文化の移り変わりの象徴とは、このことだ。

 裕福な近代国家では、モノが溢れ (結果的にゴミが溢れ)、民主主義が停滞する国々では、政治家・権力者の悪事の「取り繕(つくろ)い」(マスコミではこれを釈明と称する)が溢れる。

 さて、年配の人も若ものも、忘れかけた「mending」。しかし、ここに来て、古いもの(本物)に新たな命(生気)を与える「upcycle」が注目されている。

 USの旧鉱山の坑内から見つけ出された古いジーンズなどは、ボロボロの代物だが、マニアの間では、プレミア付きの、目玉が飛び出るほどの高額な値段で取引される。

 

 そもそも、世界中のどの国であれ、先代、先々代の一般家庭では、家族の衣類の破れ、ほつれは、繕(つくろ)って、長く使用するのが常だった。

 それが、流行遅れになったとか、少々からだに合わなくなったとか、汚れ・シミが目立って、糸がほぐれた、破れたと言っては、これを捨てて、すぐに新しい商品を買うようになった。

 

 けれども、「The Sunday Times」の「The Climate Supplement」編集長Ms Jo Linehanによると、この風潮はまちがい。(アパレル・メーカーのコマーシャルにまんまと乗せられて、店頭に走ってはいけない。)

 また、「Rediscover Fashion」のプログラム・マネジャーの Ms Arran Murphyは、『繕(つくろ)いなんて、思ったよりも簡単』と説く。まず、針と糸を準備し、あとは、ネット上に溢れている「繕(つくろ)い講座」を参考にすれば、誰にでもできることだと。

 

” As with everything, practice makes perfect.”

[ なんでもそうだが、習練すれば名人になれる。]

 

 思い出がつまっていて、愛着のある一品を、自分で繕(つくろ)うと、さらに愛着が深まり、自分の「identity (自分らしさ)」が愛(いと)おしくなるものだとか。

 なお、セーターなどの「bubbles (毛玉)」を、指でつまんで引き抜くのはやめたほうがいい。繊維がほぐれてしまう。「bubbles removers (毛玉取り)」が便利で確実だ。

 

 さらに、近年、アパレル・メーカーの手口

 

・green-washing:洗っても環境に優しい

・green-husing:環境に良いか悪いかについてはノーコメント

 

には注意が必要だ。

 とにかく、メーカーの宣伝文句、販売戦略などに一々付き合っていては、時間のムダだ。自分にとって大事な一着なら、とことん、これに付き合ってみるのも大事ではないか。

おわりに:出張先の、それも知り合いが経営する男性服専門店で、大金をはたいて購入した皮ジャン。もう、かれこれ、数十年前のことだ。そして、それから色々なことがあった。そのときどきの街の空気、通り過ぎて行ったたくさんの人々の思い出が、この一着に染み付いている。わたしの大事な宝ものの一つだ。

               (写真は添付のRTE Newsから引用)

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ほんのちょっとの「 ひと休み」:気分一新、癒やし効果抜群! (RTE-News, Apr 5, 2023)

Why we should be taking micro breaks

 見知らぬ人が耳元でささやく『ほんのちょっとだけ (Just a littel bit,  just a second.)』は欺瞞(ぎまん)、詐欺、策略、陰謀に満ちた悪魔の甘言だ。くれぐれも騙されてはいけない。

 

 けれど、それとは逆に、『take micro breaks (ほんのちょっとだけ、ひと休みにしよう)』は、人々を幸せ(wellbeing)にすることばだ。

 現代人の特徴の一つは、とにかく忙しいこと。毎日、せかせかと働き、あたふたと動き回る。それは、何かに急き立てられ、追いかけられれているかのようでもある。楽器のギターやバイオリンの弦だって、常に張りっぱなしで音を響かせていては、すぐに弦が切れてしまうものだ。

 

 なお、旧約聖書によると、創造主でさえ、天地創造の仕事を終えて7日目に、休みをとったとか。しかし、それは天界のこと。地上の人間とは違う。どんな人でも、からだを休める日が日曜日だけとあっては、身も心もボロボロになってしまう。

 

 さて、著書「The Art of Rest」を出版した Boston大学の Dr Cloudia Hamondによると、毎日の生活に「a mini break (ほんのちょっとの息抜き)」を取り入れるだけで、

 

・improves memory:記憶力を改善する

・makes people feel more relaxed:リラックスにした気分にしてくれる

・aids concentration:集中力を高める

 

つまり、朝、目が覚めた後の行動には、

 

・rhythms of rest and activity:働きと休憩のリズム

 

が必要なのだ。働きっぱなしでは、心身ともに消耗あるいは燃え尽きてしまう。その「rest (ひと休み)」は

 

・tow minutes breaks

・or 15 minutes

・or other short breaks

 

 2分か15分あるいはそれ以上(それ以下)でもかまわない。「ひと休み」は

そのときの状況で決めればいい。要は、気分転換になってリフレッシュ (feel restored and fresh)した気分になれば、それで良いのだ。

 ところで、昔の職人なら、腰の帯から煙管(きせる)を引き出して、「ここらで一服 (a micro break)」が定番だ。では、現代人は、どんなことをするのだろう。

 

 Dr Hammondらの研究グループは、約18,000人を対象にした大規模調査「The Rest Test」を実施し、そのデータを分析した結果、「the most restful (もっとも気分転換になって気が休まること)」のベスト4は次のとおりだった。

 

・reading:読書

・spending time in nature:自然の中で時を過ごす

・being on your own:ひとりになる

・exercise:運動

 

 読書は、本来、少しばかりの根気と頭を使う作業であるのに、これが第1位とは意外だった。気分転換の第2位の「自然に身を置く」は、よく理解できる。

 第3番目に挙がった「being on your own」も意外だ。人間とは、他人との関わりを絶って生存できない生物。だから、常に、「他人が何を考え、どのように感じているのか」が頭から離れないのかも知れない。そんな社会にあって、「bein on your own (ひとりになる)」ことが「ホッとする瞬間」だったとは。

 

 ただし、「being on your own」は決して「sitting and doing nothing (座って、何もしないこと)」ではない。何もしないことこそが、極めてむずかしいことだと言う。

 また、第4位の「exercise (運動)」。からだを動かすことで、心が鎮まる。とは言え、その効果は人それぞれだ。

 さて、Dr Hammondの結論。

 健全な「mental health」を保つためには、どんな気晴らしでも良いから、2,3種類の気晴らしを 1日に15分間ほど割り振ること。

 なお、日常の「時間のむだ (wasted time)」と感じていることも見直してみよう。たとえば、バスを待っている間、あるいはどこかの窓口で順番を待っているとしよう。急いでいるときは、誰しもイライラしがちだ。しかし、

 

I’ve been gifted  a 10 minute rest here.

[それもこれも天から授かった10分間の「ひと休み」。]

 

と考えて、目の前を通り過ぎてゆく、まわりの景色を楽しむことだ。

 

おわりに:「short breaks」であれ「micro breaks」であれ、「言うは易し、行なうは難し(Easer than done)」。むちゅうになっていると、つい、時を忘れ、ひと休みをすることさえ忘れる。けれど、これがもとで思わぬミスやケガをすることも少なくない。反省すべき点だ。自戒を込めて.....。

                     (写真は添付のRTE Newsから引用)

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花粉症とダニ・アレルギー:その、しつこい症状を軽減するコツ! (RTE-News, Apr 25, 2023)

Hay Fever Season on Today with Claire Byrne

 野山の雪が溶け出す2、3月、草木は、みな目覚めて、子孫を残す生命活動に入る。スギ、ヒノキ、ヒバ、マツなどの樹木は、ところ構わず、ぼう大な数の胞子を空中に撒き散らし、カモガヤ、ナギナタガヤ、ブタクサ、ヨモギなどの雑草も、われ先にと争って花粉をばら撒くから、たまったものではない。本来、新鮮なはずの春一番の空気も、極小の無数の花粉で汚れて、人間の鼻腔、気道を痛めつける。

 

 『我が身を抓(つね)って、人の痛さを知れ (松葉幹東井編:譬喩尽(たとえづくし)巻二、1786 )』とは、よく言ったものだ。しかし、世の中には、そもそも、「痛みなど感じない人」もいるから、ことはやっかいだ。

 とくに、花粉症のつらさも、他人の痛みも知らない無責任な医者に、花粉症の診断をまかせたら、結果が大変なことになるのは、目に見えている。

 

 さて、花粉症 (hay feber)の一般的な原因は、次の 3種。

 

・Tree pollen:樹木の花粉

・Weed pollen:雑草の花粉

・Grass pollen:グラス(牧草)の花粉 (オオアワガエリ、ナガハグサなど)

 

 これらの植物 (主に裸子植物とイネ科植物)は、種類によって花粉を撒き散らす時期が、それぞれ、わずかに違うものもあれば、重なるものもあるため、結局、花粉症は、2月から10月に至るまでずっと続くことになる。これは、花粉症に苦しむ人にとって、悪夢そのものだ。まさに「わらにもすがりたい」気持ちになるのは必定。

 そこで、「University College Dublin (ダブリン大学)」の Marcus Butler教授は、花粉症の症状を少しでも和らげるためにと、その秘訣 (tips)を以下にまとめた。

 

・洗濯物を屋外に干したり、庭で草刈りをするときは、密閉型のマスクをして花粉を吸わないようにし、また、花粉が屋内に入らないようにすること。

 

・症状がひどいときは、市販の「antihistamines (抗ヒスタミン剤)」が効果的。ただし、他の薬と一緒に服用する際は、ダブル効果に注意。 (薬局のアドバイスを参考)

 

・副鼻腔 (sinus)が腫れた人には、穏やかに効く「nasal steroid (鼻腔ステロイド剤)」が有効

・花粉アレルギー用のスプレー、点鼻薬を使用する前に、「OTC saline products (市販の生理食塩水)」で、鼻腔 (nasal passage)を十分に洗浄すること。

 

・それでも、症状が改善しないときは、専門医に相談する。

 

・なお、就寝前にシャワーを浴びて、ベッドに花粉を持ち込まないようにすること。

 

 これらの対策をすべて実行しても、症状が改善せず、また、年間をとおして、花粉症の症状が続くようであれば、それは花粉とは、まったく無関係な「perennial rhinists (通年性鼻炎)」である可能性が高い。

 

 考えられる主な原因としては

 

・house dust-mite1:イエダニ

・mold:カビ

 

 カビもダニも小さくて目に見えないが、どちらもしつこい人間の敵だ。そんな敵には、次の対策が有効だ。

 

・寝室の枕、布団、マットレスに「anti-allergy covers (防ダニカバー)」をつけて、ダニを寄せ付けないようにする。

 

・家計のやりくりがつくなら、一週間に一度、設定温度を60℃にした乾燥機で寝具を十分に乾燥させ、ダニを追い出す。

 

・家計 (household budget)のやりくりがつくなら、一週間に一度、乾燥機の設定温度を60℃に設定し、ベッドを十分に乾燥させて、ダニを追い出す。

 

・イエダニは、ぬいぐるみ (stuffed toys)にも棲み着いているもの。これを熱湯で洗浄できないときは、冷凍庫に入れる。24時間後に取り出して解凍してから使用する。

 

・床にカーペットを敷いている家庭では、「HEPA filter (高性能フィルター)」付き掃除機をかけてダニを取り除く。

 

・それでも、アレルギー症状が続いたら、床にはカーペットを敷かないことにする。

 

おわりに:『我が身を抓(つね)って、人の痛さを知れ』。この「ことわざ」は中国にあらず大和の生まれだ。国内でも、その「生まれ」を知らない人は多い。一方で、世界には、他国(他民族)をイジメ、脅(おど)し、侵略する国は少なくない。それらの国では、『我が身を抓(つね)って』の大事な格言が存在せず、たとえ類似した格言があったとしても、指導者は、その内容を十分に理解できていないからに違いない。

     (写真は添付のRTE Newsから引用)

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白髪の原因:幹細胞McSCsが立ち往生したら、髪の毛は真っ白け! (RTE-News, Apr 20, 2023)

The study suggests stem cells may get stuck as hair ages and lose their ability to maintain their colour

 人は誰でも40代に入ると、一本、また1本と、白い髪の毛 (grey hairs)が目立つようになる。だから、白髪染め、染毛剤の需要が絶えることはない。

 

 では、なぜ、年をとると髪の毛が白くなるのか。

 「NYU Grossman School of Medicine (New York大学医学研究科)」の研究チームは、この問題に取り組み、その研究成果を「Nature」に発表した。

 結論から先に述べると、白髪は「hair follicle buldge (毛包バルジ)」内の「Melamocyte Stem Cells (メラノサイト[色素]幹細胞、McSCs)」の動きが止まって起きる現象だった。

 

 通常、McSCsは、髪の毛を成熟させよとの指令信号を受けて、「hair follicle bulge (毛包バルジ)」と「hair germ (毛芽)」との間を動き回って、髪の毛の成長を促している。そのとき、McSCsは居場所に応じて、次のように姿を変えている。

 

・Primitive stem cell state:初期幹細胞の状態

・The next stage of their maturation:成熟ステージに達した幹細胞

・The transit-amplifying state:活発に細胞分裂するTA細胞

 

 ところが、McSCsが、「hair follicle bulge (毛包バルジ)」と呼ばれる「stem cell compartment (幹細胞コンパートメント)」で立ち往生して、その動きがとまると、「pigment cells (色素細胞)」がつくれなくなってしまうというのだ。これが白髪の発生プロセスだった。

 

 では、なぜ、McSCsが立ち往生 (get stuck)するのか。それは、髪の毛が「成長し、抜け落ち、また生える」のサイクルを繰り返しているうちに、McSCsが「hair follicle bulge (毛包バルジ)」にたくさん溜まって身動きがとれなくなるためと説明される。

 

 それならば、立ち往生している McSCsを何らかの手段で動かすことができさえすれば、黒い髪の毛が生えることになる。それは、いったい、可能か。しかし、成功すれば、それほど安くはない髪染め、染毛剤は、もう不要になること間違いなしだ。

 

おわりに:それにしても、年齢が同じでも、人によってなぜ白髪の程度が違うのか。また、頭部の髪の毛が局所的に白くなるのはなぜか。残念ながら、標題の研究は、これらの疑問に明確に答えてはくれない。

                    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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使い捨てプラ容器:作って儲かって笑う人間、泣いて死ぬ他生物! (RTE-News, Apr 16, 2023)

 遅まきながら、ようやく、世界の一部の国はプラスチック汚染対策に乗り出した。札幌で開催されたG7(経済主要 7ケ国)による「Minister’s Meenting on Climate, Energy and Environment (気候、エネルギー、環境相会合)[ 4月15− 16日]」において、2040年までに「海洋プラスチック汚染ゴミの新たな排出をゼロ」にすることが合意 (committed)されたのだ。

 この会合決定は、5月にパリで議論される予定の「UN plastic treaty (プラスチック国際条約」制定に先駆けるものであり、環境保護活動団体にとっては大きな成果だった。

 

 日本政府は、確かに、プラスチックの消費を抑える手段を考え、実行に移しもした。それまで、商品の持ち帰り用として、無料で配布されていたビニール袋を有料にした。

 しかし、スーパー、コンビニ、デパート・小売店で販売されている弁当、調理済み食材、野菜類のほとんどは、これでもか、これでもかと言わんばかりに過剰なまでにプラスチック・フィルムか厚手のプラスチック容器で包まれている。その量は膨大だ

 まさに、政府は手をつけやすいところから、あまり文句の出ないところから手をつけたとしか思われない。ビニール袋の有料化は、いっときの「気休め」、あるいは「単なるごまかし (only dodge)」であってはならない。そもそも、いったい、プラスチック消費の削減効果があったのか。その検証結果が公表、周知されてもいない。

 

1.An international treaty by the end of 2024?

 G7の合意といっても、今後、「zero plastic pollution」の経済活動を目指すというもので、すでに自然環境に放出されたプラスチック・ゴミについては触れていない。それを「attainable goal (達成可能な行動目標)」と呼んでいる。

 

・rise of circular economy:循環経済の高まり

・reduction or banning of single-use plastics and non-recyclables:使い捨てあるいは再生できないプラスチックの削減または禁止

 

が進展する状況で、せめて、このくらいはできると判断した内容だ。

 これ以上、プラスチック・ゴミを増やさないようにするために、「考えられる対策(anticipated measures)」としては、

 

・a global ban on single-use plastics:使い捨てプラスチックを世界中で禁止に

・the establishment of a “polluter-pay” system:汚染者負担の確立

・a tax on the production of new plastic:プラスチック生産税の導入

 

しかし、いずれも「Easier said than done (言うは易し、行なうは難し)」だ。

2.How much plastic does the world produce? 

 経済協力開発機構 (The organisation for Economic Cooperation and Development、OECD)によると、世界のプラスチック生産量については、2000年の 2億3,400万トンが、2019年には 4億6,000万トンと約2 倍に膨れ上がった。

 

 すると、「plastic waste (プラスチック・ゴミ)」の排出量も2倍以上に跳ね上がって、2019年には 3億5,200トンに達した。つまり、生産されたプラスチックの 77%がゴミとして捨てられたことになる。

 そして、自然環境に流出したプラスチック・ゴミは、2019年の 1年間だけに限っても、2,200万トン。そのうち、推定約 600万トンが最終的に河川や海洋に流れ着いて、これを汚したと考えられている。

 なお、「UN Environment Asssembly (国連環境総会)」によると、「marin waste (海洋ゴミ)」の 85%は、このプラスチック・ゴミで占められるという。

3.Where is plastic produced?

 世界で生産されるプラスチックの量 (2020年統計)を主な国・地域別でみると、

 

・China:33% (世界全生産量の 1/3)

・ Asia:50%以上

・US & Middle East:35%

・Europe:12% (5,500万トン)

 

4.What about the future?

・「World Wildlife Fund (世界自然保護基金)」は、その「2021年報告書」の中で、このままの状態が続くと、2040年にはプラスチックの生産量がさらに 2倍に達すると予測。

・最善の解決策は、全世界でプラスチックの生産を中止することだ。(しかし、それは、現在の世界各国の政治・経済情勢から判断して、ほとんど不可能。)

・それでは、リサイクルに頼ることができるか。残念ながら、OECDによるとヨーロッパではプラスチックのリサイクル率が1/3以上であるものの、世界全体のリサイクル率は1%にも満たない。

・その他の対策として

 developing packaging-free product:包装なしの商品開発

    returnable items:再利用 (返却) 可能なパッケージ

 eco-friendly designs with long lifespans:長期使用に耐えるエコ・デザイン

  などが考えられている。

 

5.Oil-free plastic?

 これまで、砂糖、デンプン、トウモロコシ、小麦などを原料にしたバイオプラスチックが 開発されたが、その生産量はプラスチック生産総量の 1%以下に留まっている。そもそも、バイオプラスチックの生産には、そのためだけの広大な農地と膨大な水が必要であり、この2つが、バイオプラスチック生産の足かせ (hindrance)となっている。

 

 さらに悪いことに、バイオプラスチックが完璧な「biodegradable or compostable (生分解性あるいは堆肥化可能)」であることは、ごくまれだ。ドイツの環境シンクタンク「The Heinrich Boell Fundation (ハインリッヒ・ベル財団)」によると、

 

” in reality only dodge the issue”

[ 実際には、汚染問題をごまかしているに過ぎない。]

 

と手厳しい。

 

 このため、野菜クズ (vegetable waste)や藻類 (algae)を原料にした第2、第3世代のバイオマスの研究が進められている。

 なお、Austriaの化学品メーカー「Covestro (コベストロ)」は、大気中のCO2から「Polyurethane (ポリウレタン)」の合成に成功している。

 

おわりに:プラスチック製品の主たる特徴は、1.軽量、2.安価、3.清潔にある。しかし、安価であるが故に、使い捨ての習慣が人々の身についてしまった。この時代に「もったいない文化」をよみがえらせようとしても、並大抵ののことではいかない。当分は、「プラスチックに代わるもの」を探すしか方法がなさそうだ。

                    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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クリィー (メスよ来い来い、こちらに来い!):ウズラクイナが鳴く自然 (RTE-News, Apr 15, 2023)

John Carey of the Corncrake Life Project told RTÉ's Countrywide that field workers are confirming reports of corncrakes in full voice

 辺り一面が黄色の一色で染め上げられた「菜の花畑」、はたまた、遠くの山懐まで緑の海原のように広がった「麦畑」。風が吹くと、菜の花や麦は、まるで波のごとく揺れ動いていた。

 と、突然、その茂みの中から「ヒバリ」が飛び出し、空に向かってグングン昇っては、ピーピーと騒がしく鳴いたものだった。

 

 そんな光景は、かって、どんな田舎でもよく目にしたものだ。ところが、近頃は、ヒバリの声を聴くことなど、めっきり少なくなった。

 

 Irelandでも、今から60- 70年前までは、茂みに隠れて「Krek krek (クリィー、クリィー)」と鳴く「Corncrake (ウズラクイナ)」のオスの鋭い声が、各地の草原・牧草地、小麦畑・野菜畑から聞こえていたという。この鳥の学術名は「Crax Crax」。鳴き声の「onomatopoeia 擬音語)」から名付けられたとされる。

Protecting the Corncrake

 オスの鳴き声は遠くまで届き、1.5km離れた場所でも聞き取ることができるほどとか。 もちろん、声を張り上げて鳴く目的は、縄張り宣言 (declaring territories)とメスへのアピール (attracting females)にある。

 なお、地元の農家の人でさえ、「声はすれども姿は見えず」の鳥で、めったに近づいて観察できない (highly unlikey)の種だ。

 

 昨年の2022年、Ireland全土で確認されたオスの数は、わずか197羽だった。それでも、2018年に比べて30%の増となり、個体数は Ireland北西部を中心に徐々に回復しつつある。

 それもこれも「Connemara National Park (コネマラ国立公園)」、野生生物サービス、「The Corncrake Life Project」などの団体保護活動をはじめ、120名を超す地元の農家の努力の成果だ。

 

 Irelandの農家は「corncrake (ウズラクイナ)」の保護活動の一環として、繁殖を妨げないように、牧草地の刈り取り時期を遅らせるなど、環境の保護と農業(土地の利用)の両立を目指した事業に率先して参加しているという。

 

おわりに:どこの国でも農業 (agriculture)、農耕 (farming)が追いつめられている。農業と自然保護とは相反するものなのか。金目の、それも贅沢で裕福な一部の消費者の需要に応えるために農作物 (シャインマスカットがその良い例) をつくるのであれば、ふんだんにエネルギーを消費し、巨額な設備投資と大規模な土地利用が欠かせない。「生きるために必要なものをつくる」から、「他国ではつくれないものをつくる」農業、あるいは「贅沢な好みに迎合した農作物の生産」へと完全に変わってしまった。なお、有識者、学生・若者の「未来の農業」に対する関心は驚くほど低い

                                 (写真は添付のRTE Newsから引用)

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