環境
秋が深まり、日の落ちるのが早くなると、作物は収穫の時期を迎える。しかし豆、小麦、稲を刈り取るコンバインを動かすには、お天気の良い日に限る。 さて、今年の Irelandの夏は異常だった。夏の間、来る日も来る日も雨が降ってジャガイモ畑は水浸し (watere…
1.Plastics(プラスチック)とは プラスチック (plastic)が英語の文献にはじめて現われたのは1632年。この語はギリシャ語「plastikos」に由来し、当初はギリシャ語の原義の「可塑性」すなわち「やわらかくて色々な形にできる性状の」という意味の形容詞とし…
今から10万年以上もの大昔、スイスの洞窟をねぐらにしていた人類の祖先は、「primitive axes (ごく原始的な斧) 」を振るって、その洞窟の壁を削っては、ベンガラ(red paint)の原料の鉄鉱石 (ion ore)を手に入れていた。おそらく、これが地下資源開発の第一歩…
「クモ(蜘蛛)が巣をつくると雨」、「クモの巣に朝露がかかると晴れ」などと言い伝えられるが、Irelandでも、「クモが大きな巣をつくると、天気が崩れる」との「言い伝え(folklore)」があるという。 さて、クモの気象予報の精度は別にして、季節が秋に移り変わる頃…
スイスを象徴するMatterhorn (マッターホルン)は、気高く、美しい山だ。しかし、これまで多くの登山家の命を奪った恐ろしい「魔の山」でもある。 さて、1986年 9月のことだ。一人のドイツの登山家がマッターホルン近くの「Theodul Gracier (テオドゥル氷河)…
湿地帯では、植物が死んでもその有機質は完全に腐敗しない。それが何世代にもわたって積もり積もると、「peat (ピート)」と呼ばれる泥炭層を形成する。もちろん、そこは多くの鳥類にとって大事なエサ場・繁殖地であり、「地球の生物多様性」の維持に欠かせない…
なぜ、こうも人間は Everestに魅了されるのか。今年に入って、世界中から登山者が、この世界最高峰 (標高8,849m)に押しかけ、頂上付近は押すな押すなの行列ができるほどだ。(3月- 5月だけで、チベット政府が発行した登山許可証は478枚。) 大金を支払って、…
日中は庭のすみやプランターの底に隠れている。そして、夜になると、のろのろと現われて、キャベツや白菜などの野菜をかじる。これに塩を振り掛けると、小さく縮まる気味の悪いものと言えば、子どもでも知っている。それは園芸家の敵のナメクジ (slugs)だ。 …
遅まきながら、ようやく、世界の一部の国はプラスチック汚染対策に乗り出した。札幌で開催されたG7(経済主要 7ケ国)による「Minister’s Meenting on Climate, Energy and Environment (気候、エネルギー、環境相会合)[ 4月15− 16日]」において、2040年までに「…
はるか昔のこと、遠いギリシャの地に、こんな話があったという。 難破して海岸に打ち上げられた男が、やがて、意識を取り戻すと、海を罵(ののし)った。 『なんて、むごいことをする海だ。穏やかな海原(うなばら)に人を誘い、船を漕ぎ出させておいて、怒涛(ど…
タイムマシンが故障し、宇宙を旅していた Gulliver Jr (ガリバー・ジュニア)は、誤ってP惑星の北極付近に降り立った。そこで目にしたもの。それは、あまりの寒さに頭が凍りついた 2本足の生物の国だった。どの生物も自分で考えることができず、ほとんど気が変…
地球温暖化が進んで、この100年の間に Irelandの年平均気温は、約 1℃上昇した。その結果、これまで、いつもの場所でいつものように生きてきた植物は、もっと南の暖かい地域で生きていた植物によって北へ北へと追いやられ、植生分布は大きく変わった。 また、…
想像を絶する この広い宇宙空間に、「銀河系 (The Galaxy)」が浮かぶ。それは直径約10万光年の渦巻き星雲だ。その星の集団の中で、太陽のように核融反応を起こして光り輝く恒星 (stars)の数は数千臆 (1- 5× 10の11乗)。「星の数ほど」とは、数え切れないほど…
古代ローマ軍がBritain島を完全に掌握したのはAD43。しかし、その後は、北部Scotland、西のWalesへの侵攻をためらった。いずれの地も、冬になると、雪と氷の世界に一変し、食糧の確保と進軍に困難を極めると判断したためだ。歴史の上で、この判断は正しかっ…
世界気象機構 (The World Meteorological Organisation)が中心になって各国の気候変動に関する研究結果をまとめた報告書「United in Scinece 2022 (科学連合2022)」によると、パリ協定で地球温暖化対策の目標とした、 『2030年までに世界の平均気温の上昇を産…
社会人として遵守すべきモラル・ルールは、なにも交通モラル・ルールに限らない。今は、環境をないがしろにすることが許されない時代だ。 ところが、物陰に隠れては、善良な市民のささいな運転ミスを咎め立てするパトカーが、こともあろうに、こんな社会モラル…
この数カ月間、インフレ怪獣は、人々を飲み込むかのように、その醜い頭を高く持ち上げ始めた。ガス・電気、ガソリンはもとより、パンに野菜・フルーツに至るまで、あらゆる商品の価格の値上がりが続く。 年間数千万円の所得を超える政治家、大企業経営者などの…
人類が作りだしたPFAS (有機フッ素化合物)とは「poly-and perfluoralkyl substances (ポリフルオロアルキル物質)の略称。その種類は約12,000種以上とされる。いずれも、「forever chemiclas (永遠に不滅の化学物質)」と呼ばれるほど したたかで、自然界では分…
今から約4億2千万年前のシルル紀 (Silurian period)、地球上に ようやく陸地が形成されると、その地面に根を張る植物 (plants)が出現する。植物は、太陽の光エネルギーを利用した「光合成 (photosynthesis)」で生き延びる生物だった。 この複雑な化学反応を…
白 一色の壁で囲まれた病室のような部屋は、清潔感を感じるものの、どこか もの悲しく、寂しい気分を与える。そうかと言って、あでやかな赤で色塗られた部屋は、華やかな気分にさせてはくれるものの、それもつかの間のこと。やがて、心が落ち着かなくなって…
一度、自然界に放たれたら 永久に分解されることがなく、人体に取り込まれると、DDTや放射性ストロンチウムのようにどんどん蓄積、濃縮される物質。それがPFAS (有機フッ素化合物)だ。「forever chemicals (永久に分解されず、自然界に残り続ける化学物質) …
家庭菜園 (kitchen garden)と言えども、ゴミの排出量をゼロに抑えた「zero wate」の、環境に優しい(eco)な「vegetable growing (野菜づくり)」は、結構むずかしいもの。やれ、防虫ネットだ、マルチだと、そのつど園芸店に車で乗りつけてはガソリンのムダづか…
オゾン層 (ozone layer)は、上空10,000- 50,000mにあって、地上の動植物を有害な紫外線から守っている。 かって、フロンガスの一種 「chlorofluorocarbon (クロロフルオロカーボン、CFC)」が、エアコン・冷蔵庫、スプレーなどに大量に使用されて、オゾン層の破壊…
地球上で最も標高の高い氷河 (glaciers)はエベレストの「The South Col Glacier (サウスコル氷河)」。海抜7,906mの位置にあって、約2000年をかけてつくられた氷河だ。 その氷河の「snowpack (氷原)」が、過去25年の間に 54m (180ft)も薄くなった。氷河の融解…
イギリスの作家「Kenneth Grahame (ケネス・グラーハム [1859-1932])」は、テムズ川周辺に住む動物たちが大好きだった。そして有名な「The Wind in the Willow (たのしい川べ)」を書き上げ、これを1908年に出版する。 しかし、その後、UKの河川は汚れに汚れた…
2年前に「Apple and A123 Systems」の Senior Eectiveの職を辞し、USのミシガン州に「battery technology Company」の「Our Next Energy(ONE)」を創設した Mr Mujeeb Ijaz。 その研究チームは、これまでの「Ni-Co batteries (ニッケル・コバルト電池)」とはま…
中央アジア南西部のカスピ海に臨み、地図上ではIran, Afganistan, Uzbekistan, Kazakhustanに囲まれた国、それがTurkmenistan (トルクメニスタン)だ。かって王国を築いた誇り高きトルクメン人だが、ペルシャ帝国に支配されて、モンゴルのジンギス・カンの侵略…
トンボを古くは「秋津(あきつ)」と言った。ヤゴのときから勇猛果敢。「槍の又左」の異名をとった戦国時代の武将「前田利家」は、自らの兜(かぶと)の前立(まえだて)に、このトンボの飾りを置いたことで知られる。 ところで、トンボは英語で「dragonfly」。直訳…
りっぱな温室を備えた貴族の館(やかた)ならいざ知らず、寒い地方の一般家庭にとって、観葉植物を無事に冬越しさせるのは、至難の技だ。とくに、出張・旅行で家を空ける機会が多い人は、この時期、旅先で気にかかるのが、自宅に残して来たカトレア、クジャクソ…
いくら「化石燃料から脱却したエネルギー消費社会をつくろう」と、詭弁を弄したところで、現在、世界中で急速に増え続けるエネルギー需要に対処することはできない。 UKに限っても、2050年にはエネルギー消費量が 2倍になると予想されている。太陽光・風力発…