これは簡単:貴女だけのブラックベリーを育ててみませんか! (RTE-News, Sep 4, 2022)
悪魔 Satanが天上から追放されたのは、「St Michaelmas Day (聖ミカエルの祝日)」が制定された日すなわち9月29日 (旧暦10月11日)であった。このとき、悪魔は地上のBlackberryの繁みに落ちたため、この実をいたく呪ったという。それ以来、悪魔は9月29日以降に実った blackberryに毒を塗る (あるいは唾を吐きかける)と信じられ、これを口にしてはならないとの迷信がUK各地に残った。
とは言え、夏から秋にかけて収穫される blackberry は美味であり、
・crumble:クランブル
・compotes:コンポート
・jams:ジャム
・mousses:ムース
にしても良し
・cocktails:カクテル
・syrups:シロップ
に添えても、すばらしいフルーツ。
なんと言っても、このバラ科キイチゴ属の brambles (blackberry)は、やせた土地でも、イチゴのように「ほふく茎 (stolons)」を出して、またたく間に地面を覆いつくすほどに繁茂する植物だ。したがって栽培はいたって簡単。以下は、その育て方のコツ。
1.Easy to grow:育て方は簡単
・exposed area:吹きさらしの地面
・north-facing plots:北向きの地面
・clay soil:粘土質の土壌
などを含む、ほとんど、どんな場所でもよく育つ。しかし、しいて生育に好都合な場所をあげるならば、水はけの良い (well-drained soil)、日陰。
11月-12月に、「barre-rooted canes (裸根の苗木)」を購入して植えつける。
2.Good for camouflage:カモフラージュ向き
自宅の庭に目隠しのフェンスが欲しいとお望みなら、blackberryのフェンスがお勧め。一度、植え付けると、次年度から約20年間、秋には一本当たり約 25lbsの実をつけてくれる。
3.Need support:ツルの支え
Blackberryのつるを絡ませるフェンスがないときは、1.8- 3.0m間隔に支柱を立て、その間に高さ 5ft (約1.5m)を目安に「galvanised wires (亜鉛メッキ鉄線)」2− 3本を張って、これに blackberryのツルを絡ませるようにする。
4.Smaller plots are fine:狭い庭には矮小種
植え付ける庭の場所が限られているときは、背丈が伸びず、ツルにトゲのない品種「Loch Tay」を選ぶ。
5.May suit vertical planting:バーゴラに絡ませる
Blackberryが繁茂し過ぎて、歩くのが邪魔になるとお考えの人は、トゲのない品種
・Oregon Thornless
・Noch Ness
などを「pergola (パーゴラ[ツル棚])」に絡ませてみてはいかが。秋になるとたくさんの実をつけてくれるし、その紅葉も美しい。
6.Growing maintenance:メインテナンス
植え付けの際は、地面の雑草を除いた後、有機肥料をたっぷり与えること。その後、雑草が、はびこらないように注意する。ツルに実が付き始めたら、地面が乾燥しない程度に水やりをする。
7.Protect from birds:防鳥
実が色づき始めたら、防鳥ネットが必要。
8.How to prune:刈り込み
実の収穫が終わったら、古くなったツルを刈り込んで風通しをよくする。このとき、注意することは、刈り込みは、あくまで、今年実をつけたツルあるいは枯れたツル・枝だけに留めておく点だ。backberryは 2年目以降のツルだけに実をつけるためだ。今年、地面から伸びたツルを含めて全てのツルを刈り取ると、次年度の収穫は見込めなくなる。
なお、一年目のツルと古いツルを分けて束ねておくと管理が容易だ。
Blackberryは「hardy (耐乾性)」に優れているが、春の霜被害にあったツルは早めに切り取っておくこと。
9.When to harvest:収穫時期
Blackberryの実が黒く色づいたら収穫どき。実が完熟すると、指先でそっとつまむだけで、ぽろりと落ちるようになる。よく晴れて乾燥した日に収穫し、保存する場合は、収穫後にすぐに以下の冷凍作業に入る。なお、収穫時期は、品種によって違うことがある。
10.How to freeze:冷凍保存
収穫した実をザル (colanders)の中で水洗いし、水を切った後、ベーキング・シートに載せてフリーザーに入れる。一度、凍らせた後、冷凍室から取り出して袋に小分けし、これを再度フリーザーに。
おわりに:Blackberryはプランターでもよく育つ。庭に植え付けたときは、増えすぎに注意。また、UKでは 9月後半に湿った天候が続くと、その実にカビが生えやすくなる。昔の人は、「悪魔が唾をかけた」と称して、この時期の blackberryの実を食すことをいさめたとも言われる。
(写真は添付のRTE Newsから引用)