自然
リンドウ、秋明菊、ホトトギス (trycyrtis hirta )、ハマギクの花々が庭を彩(いろど)りはじめると、秋は終盤を迎える。 「園芸家12カ月」のカレル・チャペックではないが、この時期、ガーディナーの頭は、もう春の種まき・植え付けでいっぱいになっている。 さ…
今から10万年以上もの大昔、スイスの洞窟をねぐらにしていた人類の祖先は、「primitive axes (ごく原始的な斧) 」を振るって、その洞窟の壁を削っては、ベンガラ(red paint)の原料の鉄鉱石 (ion ore)を手に入れていた。おそらく、これが地下資源開発の第一歩…
「クモ(蜘蛛)が巣をつくると雨」、「クモの巣に朝露がかかると晴れ」などと言い伝えられるが、Irelandでも、「クモが大きな巣をつくると、天気が崩れる」との「言い伝え(folklore)」があるという。 さて、クモの気象予報の精度は別にして、季節が秋に移り変わる頃…
レオナルド・ダ・ヴィンチは「処女受胎 (The Annunciation)」のシーンを絵に描いた。神の命を受けた大天使ガブリエル (Achangel Gabriel)が、聖母マリアのもとに赴(おもむ)いて、マリア(16歳)が神の子 (The Son of God)イエス (Jesus)を懐妊したと告げる場面だ…
湿地帯では、植物が死んでもその有機質は完全に腐敗しない。それが何世代にもわたって積もり積もると、「peat (ピート)」と呼ばれる泥炭層を形成する。もちろん、そこは多くの鳥類にとって大事なエサ場・繁殖地であり、「地球の生物多様性」の維持に欠かせない…
1.Jellyfish in Ireland:Irelandの毒クラゲ 地図を広げると、Irelandの首都「Dublin (ダブリン)」は北緯53度にあって、札幌(北緯43度)よりも遥かに北に位置し、Irelandも日本と同じく海で囲まれた島国だ。そんな高緯度では、熱帯海域で繁殖するクラゲなど…
地球上のあらゆる生物は、この世で必要とされるものばかり。創造主によって生きる価値があると認められたからこそ、そこに存在するのでって、万が一、そのどれかが地球上から永遠に失われたなら、それまでの生態の一部として機能していた自然の歯車の一つが…
地球上で生息する動物 (animal species)の48%が、その個体数 (population sizes)を減らし、これまで「safe (問題なし)」の分類に入り、IUCAのレッドリスト上で保護対象から除外されて来た動物でさえ、実は、絶滅の危機に瀕している。 これが、「Queen's Univ…
日中は庭のすみやプランターの底に隠れている。そして、夜になると、のろのろと現われて、キャベツや白菜などの野菜をかじる。これに塩を振り掛けると、小さく縮まる気味の悪いものと言えば、子どもでも知っている。それは園芸家の敵のナメクジ (slugs)だ。 …
辺り一面が黄色の一色で染め上げられた「菜の花畑」、はたまた、遠くの山懐まで緑の海原のように広がった「麦畑」。風が吹くと、菜の花や麦は、まるで波のごとく揺れ動いていた。 と、突然、その茂みの中から「ヒバリ」が飛び出し、空に向かってグングン昇っ…
Mr Kevin Darmody (ケビン・ダーモディ)は65歳だった。釣り人としての経験が豊富で、「Cape York (ヨーク半島)」の小さな町「Laura (ローラ)」の住人。そして、パブのマネジャーとして、地元ではよく知られた人物だった。その Mr Darmodyの姿が最後に確認され…
哺乳類 (Marmal)霊長目 (Oder Preimates)の中でも、しっぽがとれた「ヒト科 (Family Hominidae)」は、しっぽがついたままの「オナガザル科 (Family Cercopithecidae)」とは完全に区別される。 さて、類人猿 (Ape)すなわちヒト上科 (Superfamily Hominidae)の…
石(いわ)ばしる 垂水(たるみ)の上の さ蕨(わらび)の 萌え出(い)づる春に なりにけるかも [ 万葉集 巻八 春の雑歌 ] 今からおよそ1,300年前、飛鳥の地で育った「志貴皇子(しきのみこ) [668- 716]」は、春の到来で野山が色めく景色を、このように歌に詠んで愛…
地球温暖化が進んで、この100年の間に Irelandの年平均気温は、約 1℃上昇した。その結果、これまで、いつもの場所でいつものように生きてきた植物は、もっと南の暖かい地域で生きていた植物によって北へ北へと追いやられ、植生分布は大きく変わった。 また、…
古代ローマ人は戦いに明け暮れた。当時のローマの旧暦は「Martius Mensis」で始まった。かれらは、戦いの神「Martius (マルティウス)」を称え、その軍神の名を一年のはじめの月「マルティウス月」としたのだ。それが、英語の「March (3月)」の語源。 ところ…
想像を絶する この広い宇宙空間に、「銀河系 (The Galaxy)」が浮かぶ。それは直径約10万光年の渦巻き星雲だ。その星の集団の中で、太陽のように核融反応を起こして光り輝く恒星 (stars)の数は数千臆 (1- 5× 10の11乗)。「星の数ほど」とは、数え切れないほど…
この時期、いかに勇者と言えど、冷たい大西洋を泳いで渡り切るのは大変なことだ。しかし、ヘトヘトに疲れながらも、それをやってのけた者がいる。その名は「loggerhead turtle」。 今年の2月中旬のある日のことだ。Mayo (メイヨー)に住む Mr Cormac de Rost…
「アルホザーマ・アルバリィョ ( الخزامى البري) [ alkhuzamaa albariyu] 」とは「Arabic (アラビア語)」で「wild lavender (野生のラベンダー)」のこと。 さて、日頃は無味乾燥の何もない砂漠の一面が、この紫の花で覆われて話題になっている。正確な植物名…
オオヤマネコ (Eurasian lynx)の「lynx」はギリシャ語「lugx」に由来し、光 (light)と鋭い眼光を意味する。その母音を含まない動物名も珍しい。 このネコ科の獰猛な大型肉食動物は、かって、ユーラシア大陸一帯の森に生息し、シベリアにチベット高原、それど…
かって「エコノミークラス症候群 (economu class syndrome)」がマスコミの話題をさらったことがあった。狭いエコノミークラスの座席で長時間じっと座り続けると、脚に流れる血液の巡りが悪くなって、脚がむくんでしまう症状だ。最悪のばあい、血液中に血液の…
生まれたばかりの赤ちゃんの体重が60kg。もちろん、人間にはあらず、お母さんのおなかの中で16ヶ月の「懐妊期間(gestation)」を経て、今年の 9月19日、「Fota Wildlife Park (フォタ野生生物園)」で誕生した「Indian rhino (インドサイ)」の「calf (ベビー)…
澄み切った空はあくまで青く、燃え盛る炎はあくまで赤い。それは誰の目にも明らかだ。しかし、匂い(smell)となると、そうはいかない。嗅覚の普遍性(universality)は一挙に崩れる。漬物や線香の匂いが耐え難いとするヨーロッパ人は多く、逆に、ヨーロッパで人気…
世界気象機構 (The World Meteorological Organisation)が中心になって各国の気候変動に関する研究結果をまとめた報告書「United in Scinece 2022 (科学連合2022)」によると、パリ協定で地球温暖化対策の目標とした、 『2030年までに世界の平均気温の上昇を産…
秋がやってきた。夏野菜の収穫も終わった。夏の間に使用した防虫ネットや支え棒をかたづけ、トマト、ナス、キュウリなどの畝(うね)を掘り起こして、土壌の日光消毒を行なう必要がある。 これから先、春までは庭を「rewilding (自然に還す)」期間だ。 1.Pla…
今から約4億2千万年前のシルル紀 (Silurian period)、地球上に ようやく陸地が形成されると、その地面に根を張る植物 (plants)が出現する。植物は、太陽の光エネルギーを利用した「光合成 (photosynthesis)」で生き延びる生物だった。 この複雑な化学反応を…
野山に生える草木は、何も言わない。ただ、日差しに喜び、雨を待つだけ。しかし、そこには、生き延びるための したたかな知恵と、敵との戦いに備えて磨き上げた戦略があった。 RTEは、Mr Leif Berswedenの著書「Where The Wildfolwer Grow」から7つのエピソ…
雪解けを待って春先に植えたジャガイモが 6月にはたくさん収穫できた。そして梅雨があけると庭のキュウリ、トマト、ナス、ズッキーニがどんどん生長してりっぱな実をつけた。しかし、RTEによると、夏の今からでも種まきができる野菜があるという。 ただし、…
アヒルは、他の鳥類と同じく、夜になると片目をつぶり、もう一方の目は開けて眠る。このとき、ア匕ルの脳は半分だけ眠り、残りの半分は目覚めているのだ。これを「unihemispheric sleep (半球睡眠)」という。絶えず敵 (predators)に脅かされている動物が進化…
どんな事業プロジェクトであれ、それに携わった人が、やがて現役から退くと、プロジェクトの立上げ当初の崇高な理念も情熱も薄れて、お役所仕事 (bureaucratic tasks)に落ちぶれていくのが世の常。 野生生物の自然保護計画も、そんなプロジェクトの中の一つだ…
最新の調査研究によると、地球上に生育する樹木の種類は推定73,300種。これまで考えられていたよりも14%増の多様性に富むことが明らかになった。 これは、Minnesota 大学の Dr Peter Reichを中心とする国際研究チームが、科学雑誌「The Proceeding of the N…