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干ばつにも大雨にも強く、手間いらずの野菜:プロのおすすめは? (RTE-News, Oct 24, 2023)

Will climate change alter what we grow? (Alamy/PA)

 リンドウ、秋明菊ホトトギス (trycyrtis hirta )、ハマギクの花々が庭を彩(いろど)りはじめると、秋は終盤を迎える。

 「園芸家12カ月」のカレル・チャペックではないが、この時期、ガーディナーの頭は、もう春の種まき・植え付けでいっぱいになっている。

 

 さて、その植え付けは

 

・allotment:市民菜園

・vegetable patches:野菜畑

・greenhouse:温室

 

の、どれだって、かまわない。

 ところが、気がかりなのは「気候変動 (climate change)に伴う異常気象だ。気温が極端に上がったかと思うと、どっと雨が降って洪水をもたらし、なにもかも水びたしにしてしまう。

 こんな気象状況にあって、比較的容易に育てられ、収穫が楽しめる野菜があるとすれば、それは、いったい、どんなものか。園芸家 Mr Kevin Hobbsがその疑問に答える。

 

 まずは、野菜を植え付ける場所と野菜の種類を吟味することだ。水はけが悪かったり、逆に乾燥しがちな土壌では、トマトのような「thirsty crops (頻繁に水やりが必要な作物)」が適さない。水の管理が難しく、手間がかかり過ぎるからだ。

 これに対して、「perennial veg (多年生野菜)」は、長い時間をかけて土壌に根を張り、その土壌になじむため、育てやすい。

 以下は、その代表的な野菜。

 

1.Vine spinach:ツルムラサキ

 英語名を直訳すると「ツルホウレンソウ」。見た目も味もホウレンソウ (spinach)に似るというが、ぬめりがあってネバネバした食感は異様だ。(それに少々草っぽい味がする。)ただし、ビタミンA、C、Eの他、カルシウム、カリウムβカロチンに富む栄養価の高い野菜だ。

 東南アジア原産のこの野菜は、温暖で霜の心配がない地域であれば、一年中栽培可能。秋になると、白と赤の小さな花が咲いて、暗赤色の実を結ぶ。この実は食べられないことはないが、味がイマイチのため (bland to eat)、古くから染料として使われてきた。

 

2.Moringa:モリンガ (ワサビノキ)

 インドとパキスタンの北部に広がるヒマラヤ山麓原産のこの木は、高さ10- 12mに生長する。どの部分も食べられる。その葉と芽は栄養価が高く、マスタードに似た風味がある。ビタミンB1、B2に富み、根はワサビダイコンのように辛(から)く、花は生食にしてもよし、料理の食材としても活用される。

 なお、モリンガは乾燥に強いが、寒さに弱いため、冬越しさせるには、霜に当てないように注意が必要だ。

3.Mediterranean saltbush:地中海ソルトブッシュ

 南アフリカ原産の低木で、学名は「Portulacaria afra」。別名「tree purslane」と呼ばれるように、この植物の葉は「purslane (スベリヒユ)に似て、高さ 4mに生長する「halophyte (塩性植物)」。つまり、アイスプラントと同じように、塩気(しおけ)のある土壌を好み、乾燥に強い「semi-evergreen (半常緑樹)」だ。

  寒さに弱いが、それさえ気をつけてやれば、一年中、「siver foliage (銀色の葉)」が楽しめる。サラダにして召し上がれ。

 

4.Great burdock:ゴボウ

 川岸や河原にコロニーをつくって群生するため、雑草と思われがちだが、古くから UKに自生し、中世の時代 (medieval times)には食材として利用された貴重な野菜だ。ゴボウは食物繊維 (fibre)と抗酸化物質 (antioxidants)が豊富だ。炒めてもよし、スープやシチューの具としても最適。

Great burdock (Alamy/PA)

おわりに:高級ブドウ「シャインマスカット」を実らせるためには、てまひま惜しまず働かなければならない。これに反して、じゃがいも、ゴボウ、長芋などは、土壌を選ばず、ほとんど放っておいても育つ野菜だ。将来の世界の食を確保するためには、このような野菜をもっと見直す必要がある。

           (写真は添付のRTE-Newsから引用)

www.rte.ie