ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

海洋プラスチックゴミ:銀河系の星の数をはるかにしのぐゴミ! (BBC-News, Mar 9, 2023)

Plastic in ocean

 想像を絶する この広い宇宙空間に、「銀河系 (The Galaxy)」が浮かぶ。それは直径約10万光年の渦巻き星雲だ。その星の集団の中で、太陽のように核融反応を起こして光り輝く恒星 (stars)の数は数千臆 (1- 5× 10の11乗)。「星の数ほど」とは、数え切れないほど多いことのたとえだ。

 

 しかし、その「数え切れないほどの数」に驚くのは、まだ早い。

 太陽系第3惑星「地球」の海を汚すプラスチックゴミ (plastics)の数は171兆個 (171× 10の12乗)だった。銀河系の星の数の1,000倍以上ということになる。

 

 これは、NPO「The 5 Gyres Institute (ファイブ・ジャイルズ研究所)」の Dr Marcus Eriksenらが、1979- 2019年にかけて海洋汚染の実態を調査し、その結果科学雑誌「PLOS ONE」に発表した内容の一部。

 

 さて、1980年代に国際海洋法条約が採択されると、漁船・船舶用具(プラスチック)の海洋投棄が禁止され、海洋汚染防止の機運も一時的に高まる。けれども、2000年代に入ると、プラスチックの海洋汚染はさらにひどくなり、そのゴミは増加の一途をたどった。

Chart showing increase in mass of plastics in oceans

 2005年に記録したプラスチックゴミの数は16兆個。それが2019年に171兆個に跳ね上がり、このまま何も手を打たずに放置すると、2040年には、ゴミの数がさらに 3倍に膨れ上がると推定されている。

 

 ペットボトルに、パッケージ、プラスチック漁具などが紫外線を浴びたり、物理的な力を受けて破砕・分解し、多数の微細な破片に変わってゆく。海洋生物が、これをエサと間違えて飲み込んでしまうと、プラスチックは胃の中で消化されないため、その生物は餓死に追い込まれる。

 

 なお、マイクロプラスチックは人間の飲料水に紛れ込み、さらに、近年、人間の肺、血管、胎盤 (placenta)の組織にまで侵入していることが確認されている。ところが、この人体組織に取り込まれたプラスチックが、どのような健康被害を及ぼすのかについて、まだ十分に解明されていないのが現状だ。

 

 一方、この3月4日(土)、NYの国連本部にて「The Intergovernmental Conference on Marine Biodviersity of Areas Beyond National Jurisdiction (国家管轄圏外区域における海洋生物多様性に関する政府間会議) [通称 BBNJ] 」が開催され、世界の海の30%をプラスチック汚染から守る案が採択された。

 

 しかし、Dr Eriksonによると、プラスチックゴミを拾い集めたり、プラスチックのリサイクルを推奨するだけでは、不十分。その海洋汚染を止めるためには、プラスチックそのものの生産を減らし、使用を制限する必要がある。

 そうでもしない限り、やがて、海はゴミで埋め尽くされてしまうだけだろう。

Map showing concentrations of microplastics in the oceans, with ther Mediterranean Sea, the Yellow sea and the Pacific Ocean highlighted as having particularly high concentrations

おわりに:海中も海岸もプラスチックゴミでいっぱいだ。もちろん、標高の高い山々に林や川にも、そして街角・道ばたにも、プラスチックゴミが多数散乱する。むしろ、地球上でゴミのない場所を探すのが大変なくらいだ。

 ここに至っても、人類は、まだ、そのゴミの恐ろしさに気づかず、まるで気が狂ったようにプラスチック製品を大量に作り続ける。自然(nature)、平和(peace)、謙虚(humility)の大切さを忘れたヒト属 (Homo)は、完全に気が変になってしまったようだ。 

          (写真は添付のBBC-Newsから引用)

www.bbc.com