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目まいがするまでグルグル回れ:ゴリラたちの「うっぷんばらし」 (RTE-News, Mar 14, 2023)

Great apes, like gorillas and orangutans, deliberately spin around in order to make themselves dizzy

 哺乳類 (Marmal)霊長目 (Oder Preimates)の中でも、しっぽがとれた「ヒト科 (Family Hominidae)」は、しっぽがついたままの「オナガザル科 (Family Cercopithecidae)」とは完全に区別される。

 

 さて、類人猿 (Ape)すなわちヒト上科 (Superfamily Hominidae)の一集団が、約1,200万年前、樹の上から地上におりて、「直立 2足歩行 (upright bipedal walking)」を開始すると、同じヒト科の大型類人猿( Great Apes)の 3族

 

・Genus Gollira:ゴリラ属

・Genus Pan:チンパージー

・Genus Pongo:オランウーンタン属

 

とは、全く違った進化の道をたどることになった。それがヒト科「ヒト属 (Genus Homo)」だ。

 

 それから時が過ぎて、約20− 30万年前、なんらかの突然変異が起こって「ホモ・サピエンス (Homo Sapiens)が地球上に誕生する。その後、この現生人種が世界中の至るところに移動し、拡散し続けて、さまざま民族 (races)となった。

 

 世界各地の民族は、それぞれ独自の文化をもち、独自のしきたり (ritual)、作法(practice)、儀式 (ceremony)を執り行なった。

 Warwick大学の Dr Adriano Larmeiraによると、これは、普遍的、歴史的かつ文化的に、どの民族にも認められる「a way of evading (一種の気持ちの切替え手段)」であった。それゆえ、人類のこの行動は、おおもとの祖先から受け継がれた可能性が高いと考えられるというのだ。



 では、祖先がヒト属と同じゴリラなどの「大型類人猿 (Great Apes)」は、むしゃくしゃしたときやストレスがたまったときに、どんな気持ちの切替え行動にでるのだろうか。

 

 Warwick大学と Birmingham大学の研究チームは、ゴリラをはじめ、チンパンジーボノボ、オランウータンの行動をビデオに録画し、これを分析したところ、驚くべき事実が明らかになった。

 ゴリラなどのうっぷん晴らし、気分転換は、「spin to deliberately make themselves dizzy (ひたすらグルグル回って、めまいを起こす」ことだった。

 

 そのスピンの回転数は平均 5回、回転スピードは平均毎秒1.5回だった。ただし、ロープをつかんでスピンしたときには、そのスピードがさらに速くなった。

 では、なぜ、ゴリラなどが、それほど夢中になってスピンを繰り返すのだろうか。その疑問に対して、Dr Lameiraは次のように考える。

 

” Spinning alters our states of consciousness, it messes up with our body-mind responsiveness and coordination, which makes us feel sick, lightheaded, and even elated as in the case of children playing in merry-go-rounds, spinnier-wheels and carousels.”

 

[ 体をグルグルとスピンさせると意識感覚に異常を来たし、心の感応性と運動感覚がめちゃくちゃになって船酔いや目まいを起こし、気分が悪くなる。けれども、それは気持ちを高揚させもする。だから、子どもたちはメリーゴーランドやスピン・ホイール、回転木馬に乗って はしゃぎ回るのだ。]

 

 かれらのスピンは、舞台の上でくるくると回るダンサー、サーカスの芸人、空中エアリアル・シルク・パフォーマンスに比べてあるかに激しく熱狂的なものであり、あのイスラム教ダルヴーシュが踊り狂って「sspiritual trance (失神)」するような行動だ。

 

” The apes were doing this purposely, almost as if they were dancing - a known mechanism in humans that universally facilitates mood regulation,social bonding and heightens the senses and is based on rotation movements.”

 

[ ゴリラがスピンに興じるときは、まるでダンスをしているかのようにも見える。ダンスは人間にとって

 

・mood regulation:心をほぐし

・social bonding:社会的なきずなを深めて

・highteniing the sense:気分を高揚

 

させてくれる働きがある。そのダンスの基本動作は、ぐるぐると回る踊りだ。]

 

“ The parallel between what the apes were doing and what humans do was beyond coincidental.”

[ ゴリラたちがやっていることと人間がやっていることを比較すると、そこには偶然の一致をはるかに超えた類似性が認められる。]

 

 しかし、ゴリラたちの行動と明確に違う点が一つだけある。人間が執り行う踊りの場や儀式にはアルコールがつきものだ。歴史上のいつの時点で、「mind altering substances (心を変える物資 [酒、タバコ、麻薬など] )」が登場したのかは不明とか。

 

おわりに:遺伝学的に本来、人間に備わった習性であるとすれば、憂(う)さを忘れるために、クタクタになるまで踊るのもよし、グテングテンに酔いつぶれるのもいたしかねない。ただし、人さまに迷惑だけは、かけないことだ。

        (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie