寝苦しい夜にも:ぐっすり眠るコツがあった! (BBC-Health, August 6, 2020)
東京が江戸と呼ばれていた頃も、夏はやっぱり暑かった。夜は寝苦しくて、どの長屋でも、皆が一斉にぐっすり眠りにつくことはなかった。そのせいで、夏の夜は、泥棒にとって苦労の種。その時期、稼ぎが急落したという。(そんな話が「鬼平犯科帳」に出てくる。)
それから、時が過ぎた。今はホテルに限らず、日本の、ほとんどの家庭で、夏の夜はエアコンをつけっぱなしにする。だから、むしろ、夜は寒いくらいで、風邪をひかないように注意しなければならないほどだ。
さて、BBCによると、そのエアコンに頼らずとも、寝苦しい夜にぐっすり眠れる方法があるという。以下に、そのコツ 10項目を挙げる。
1.No napping:眠気はとって置け
むし暑い日は、つい、眠くなる (feel a bit lethargic)。これは、体温調整のために、体が余分なエネルギーを消耗してしまうからだ。しかし、夜、十分に眠れない日が続く人は、眠いからと言って「うたた寝(napping)」や昼寝をしてはいけない。
日中の大事な「眠気 (sleepiness)」は、夜までとって置いた方が良い。
2.Keep to routines:いつもと変わらない生活を
暑いからと言って、夜遅くまで起きていると、体の睡眠パターンが狂ってしまう。いつもの事を、いつものようにやり、就寝、起床の時間は、できるだけ変えないことだ。
3.Remember the basics:寝室はできるだけ涼しく
カーテン、ブラインドで直射日光を遮蔽し、寝室の室温が上がらないように工夫する。そして、就寝前には、窓を全開し、空気を入れ替える。とにかく寝室はできるだけ涼しくすることが大切だ。
4.Use thin sheets:薄めで、吸湿性の優れた寝具を
寝具 (上掛け類)は薄めが良い。とくに、コットンのシーツは汗を吸収してくれるのでお勧め。ベッドに入るときは、多少暑いと感じても、就寝中は体温が下がるため、朝は寒いことがあるので注意。
5.Chill your socks:冷たいソックスも効果あり
むし暑い夜は扇風機が役に立つ。汗を蒸発させ、体温を下げてくれる。また、湯たんぽ (hot water bottles)に氷と水をいれた「氷枕」も重宝。あるいは、冷蔵庫で冷やしたソックスを履くのも効果的だ。足を冷やすと、体全体が冷える。
6.Stay hydrated:水分補給を忘れずに
気温の高い日は、水分を十分に補給することが大切だ。ただし、ベッドに入る直前に、水分を摂り過ぎると、夜中にトイレに起きるか、朝の目覚めが早くなってしまうので注意。
7.But think about what you drink:水分は水分でも、困るもの
ソフトドリンクは、意外にカフェインの含有量が高い。したがって、これを飲むと「central nervous system (中枢神経系)」が刺激され、夜、眠れなくなる原因になりかねない。
また、ビールなどのアルコール類も同じ。たとえ、ほろ酔い気分になって、寝入ったとしても、その眠りは浅く、朝、早く目が覚めてしまう。
8.Stay calm:それでも眠れないとき
ベッドに入っても、なかなか眠れない。誰でも経験することだ。そんなときは、さっさと起き出して、読書、もの書き、衣類をたたむなど、心鎮まることをやってみよう。そのうち、眠くなったら、また、ベッドに入れば良い。
ただし、起き出したとき、決してスマホやゲームに触れてはいけない。ブルーライトを浴びると、ますます目が冴えてしまう。
9.Think of children:赤ちゃんのように
子ども (赤ちゃん)は、ぐっすり眠る。それはなぜか。母親が注意して、部屋の温度 (16−20℃)や、お風呂に入れる時間、ベッドに寝かせる時間などを、いつも同じにしているからだ。暑い夜のお風呂は「lukewarm baths (ぬるめのお湯)」が良い。冷た過ぎると、体の体温調整機能が働いて、体が火照(ほて)ってしまう。
10.Get over it:多少、眠れなくとも
人間には、7−8時間の、質の高い睡眠が必要とされる。しかし、暑苦しくて良く眠れない夜が1、2日あったとて、心配することはない。多少、あくび(yawns)がでるくらいだ。すぐに、体は元の状態に戻る。
おわりに:暑い、寒いはどうしようもないことだ。むしろ、のどが乾いたら水を飲み、疲れを感じたら、休息をとる。おなかが空いたら、食事をする。毎日、やるべきことをやって、眠くなったら眠る。そんな暮らしを、単調でつまらないと言ってはいけない。健康な生き方は、素直に限る。
(写真は添付のBBC Newsから引用)