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「日曜のおびえ」:サザエさん症候群には扁桃体ハッキング! (RTE-News, Apr 3, 2023)

'You can't always change your schedule or obligations to make Mondays more appealing, but you may be able to "reprogram" your brain to think about the week differently.' Photo: Magnet.me/Unsplash

 楽しかった日曜日。やがて、太陽が西に沈んで、辺りが暗くなり始めると、どうにも憂鬱で、気分が晴れなくなる。またまた、明日の月曜から嫌な仕事が始まると思うと、心がふさぐ。この心理状態が「Sunday scaries(日曜の怯え、または、サザエさん症候群)」。

 

 人間の心は、「見通しがついて (predicability)」、「いつもどおり (routine)」の生活に安らぎを覚えるもの。その方が、気が楽だからだ。しかし、なまじっか、週末の「ぐうたら」の味を占めてしまうと、月曜日がつらくなる。

 では、どうすれば良いか。以下は、メンタルヘルスの専門家「RCSI University of Medicen and Health Science (アイルランド王立外科医学院)」の Dr Cristine Rescke & Dr Jolanta Burkeのアドバイスだ。

 

1.Introducing routines that lasts the whole week:いつもどうりを変えない

 平日、週末の別を問わず、TV鑑賞、ガーデニング、ジム・トレーニングの時間を変えないこと。あるいは、1週間の内、「 5日働いて、2日は完全に休みをとる」サイクルでも構わない。とにかく「いつもどおり (routines)」の生活に徹すること。これで、心の「sense of coherence (首尾一貫感覚)」が安定し、人生が充実したものになるという。

How to rewire your brain to feel good on Mondays

2.Keeping constant sleep time:休日でも就寝・起床時間を変えない
 あすは日曜日だからと言って、夜更けまで起きていたり、次の日曜日に朝寝坊にふけっていると、月曜は「social jetlag (社会的時差ボケ)」に陥りかねない。いわゆる「体内時計(body cdlock)」と「social-imposed responsibilities (社会的に課された責任)」との間に「discrepancy (ずれ・ギャップ」が生じてしまい、月曜がつらくなる。

 つまり、平日、週末にかかわらず、就寝・起床の時間を変えないことだ。日中の「naps (うたた寝)」も避けた方が無難。

 また、就寝30分前はすべての電子デバイスを「wind-down (シャットダウン)」し、リラックスタイムとすることだ。Why 7.23am is the most stressful time of the day

3.Hacking your hormones:副腎皮質ホルモンをハッキング

 副腎皮質ホルモン「cortisol (コルチゾール)」の働きは

 

・control metabolism:代謝コントロール

・regulate  sleep-wake cycle:睡眠・覚醒の調整

・regulate response to stress:ストレス反応の調整

 

にある。通常、起床約 1時間前に、コルチゾールの分泌が始まり、やがてピークに達する頃に目が覚める。その後、ストレスがなければ、その分微量は徐々に低下する。

 また、日曜日になるとコルチゾール値は、平日よりも下がり、月曜、火曜の朝に、再び、跳ね上がることが知られている。

 さらに、日中、ストレスにさらされると、「fight-or-flight response (闘争・逃避反応)」によって「adrenalin (アドレナリン)」の分泌量も増加し、からだも心も戦闘態勢に入る。

Sleep Expert

 この月曜の戦闘態勢を和らげるためには、副腎皮質ホルモンの「cortisol」、「adrenalin」の分泌の指令を発する「amygdala (扁桃体)」」にハイジャックを仕掛けるのが有効だ。具体的な取り組みとしては、次のような「relaxation activities (心のリラクゼーション)」が挙げられる。

 

・月曜の朝あるいは昼休みに、自然に触れ合う時間を設ける。

・心の平静を呼び覚ます「mindfulness」の実施

・月曜の朝は、起きてすぐにスマホ画面をチェックせずに、ゆったりとした自分の時間を過ごすこと。「cortisol」の分泌は起床後約 1時間でピークに達し、それからゆっくりと低下する。そのからだのリズムに合わせて、できるだけ「amygdala (扁桃体)」」に刺激を与えないことだ。

A young office worker with short hair and glasses wearing a green button up shirt sits at their desk with their eyes closed and airpods in, meditating with their hands in a meditation position, forefingers touching thumbs

 

おわりに:「いつもどおり」の生活には刺激がなく、物足りないと不満に感じる人が少なくない。しかし、「いつもどおり」を「そつなくこなす」ことこそが、難しい。同じように見えていて決して同じではなく、むだな動きを省き、素早く確実に実行する意識。これは剣道、空手、柔道に限らず、すべてのスポーツや作業・仕事に通じることだ。「いつもどおり」を工夫し、その技を鍛えていると、気がついたとき、そのレベルは格段に上がって、心も豊かになっているに違いない。

 月曜なんか怖くない。仕事なんか怖くない。嫌なやつなんか、どこにでもいるものだ。

   (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie