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心の中のゴミ(怒り、不安、悩み)は:一掃して、すがすがしい気分に! (RTE-News, Nov. 6, 2020)

Ahead of Science Week 2020, neuroscientist Ian Robertson shares some top tips for clearing your mind in tough times.

 宇宙ステーションや海底の居住スペースなどの閉鎖空間で、複数の人間が長い時間一緒に過ごすと、ストレスがたまって、よほど特別な訓練を受けた人でない限り、些細なことで言い争ったり、喧嘩し始めることが知られている。

 

 コロナ騒動で、子どもが学校に通えなくなったり、テレワークで親が家の中に閉じこもるようになると、平和だった家族の間にも、次第に不穏な空気が漂い始める。

 これまでは、わずかばかりの意見の違いがあっても、日常の急がしさが幸いし、それが表面化することがなかった。しかし、ここに来て、ついに「抑え込まれた不満、意見の不一致」が爆発するのだ。

 

 そこには、イライラ、不安、心の重荷、怒りが、ほどくにもほどけないほど絡み合い、やり場のないまでに追い込まれている心理状況がある。

 

 RTEは、心の中の代表的なゴミ「anger (怒り)」、「anxiety (不安)」、「overload (オーバーロードの悩み)」の 3点を取り上げ、たとえば、「怒り」とはどういうものであるか、そして、どうすれば、心の中から一掃できるのかについて、わかりやすく説明する。

 

1.Anger and arguments:怒りと口論

1−1.怒りとは

 怒りがこみ上げてくると、自制心を失い、言わなくとも良いことを言ったり、言ってはいけないことまで口に出してしまう。怒りが脳を「emergency response mode (緊急対応モード)」に変えると、情動(emotions)」が心の全てを支配し、「amygdala (扁桃体)」の機能が麻痺する。ここは、「rationality (理性)」、「forethought (深慮遠謀)」、「inhibition (抑制)」をつかさどる神経組織だ。

 こうなると、了見が狭くなり、侮辱 (insult)されたとの思い込みが強くなって、他人の考えや「他人の視点 (perspective)」など、どうでもよくなる。

 脳は神経伝達物質「noradrenaline (ノルアドレナリン)」で溢れかえって、冷静さを失い、攻撃態勢に入る。これが「anger (怒り)」の正体だ。

 

1−2.では、どうすれば良いか

 怒りでいっぱいになった頭を冷やす、あるいは気分を転じる必要がある。怒鳴りまくるよりも、ゆっくりと1から10まで、数を数えてみる。さらに、大きく深呼吸すると、ノルアドレナリンも正常なレベルに下がり、気持ちが落ち着く。

 

 怒りにまかせて、怒鳴り散らしたり、感情のままに行動してはいけない。それよりも、なぜ、自分が腹を立てているのかを相手に伝えることだ。ただし、絶対に、相手を「責め立て (accusatory)」てはならない。

 

2.Anxiety:不安

2−1.不安とは

 どんなに準備万端であっても、人間には欲がある。完璧に成し遂げたいと思う心に「worry (心配)」が忍び寄る。

 また、先行きに「脅威 (threat)」を感じると、その「侵略者(aggeressor)」の攻撃に備えて「adrenalin (アドレナリン)」が分泌されて戦闘態勢に入る。心拍数を上げ、体温を下げるために発汗を促す。ただし、未だ、敵の脅威が現実に起きていないとき、その脅威は全て、脳の中の「flight (幻覚)」に過ぎない。心の中が、その幻覚でいっぱいになると、心は、「anxiety (不安)」でどうしようもなくなるのだ。

 

2−2.では、どうすれば良いか

 「不安 (anxiety)」と「興奮 (excitement)」の症状は同じ。どちらの場合でも、心臓がドキドキし、手に汗を帯び、胃が締め付けられる(tight stomac)ようになる。

 だから、まずは、ゆっくりと息を吸い込みながら、1,2,3,4と数え、5,6で息を吐く。これで「noradrenaline (ノルアドレナリン)」は正常値に戻る。そこで

” I feel excited.(感情が高ぶっている)

と大声で言ってみる。自分の体に「不安」ではなく「興奮」しているだけだと言い聞かせてやるのだ。これは体を騙(だま)す呪文。

 

3.Overload:オーバーロードの悩み

3−1.オーバーロードとは

 テレワークで仕事を自宅に持ち込むと、家事と重なり、やることが多すぎて、心は「オーバーロード (過負荷)」に陥ってしまう。すると、「副腎 (adrenal glands)」がストレスホルモン「cortisol (コルチゾール)」を分泌し、血液の流れを腸から筋肉に振り向ける。この結果、胸が空っぽになって、おなかに力が入らなくなり、やらなければと気負いはすれど、やることなすこと、全てうまくいかない。

 

3−2.では、どうすれば良いか

 テレワークで仕事を自宅に持ち込んだときは

①やらなければならないことをリストアップする。それを優先順に並び替え、最も優先度の高いものだけを実行する。一つのことができれば、自信がつき、心は、ずうっと楽になる。

②自宅内に仕事場 (workplace)を設ける。寝室の片隅でもいいのだ。仕事はそこだけでする。

③仕事のスケジュールを作成する。これまでの生活リズムを壊さないように、テレワークのスケジュールをたてるのがコツ。ただし、コーヒータイムは、仕事場以外で過ごすこと。

 

おわりに:怒りや不安、それに追い詰められた悩みは、全て心のゴミだ。ゴミに支配されるなど、愚の骨頂。さっさと、一掃するに越したことはない。 

                     (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie