画期的な「ガレリ(血液)検査」：ガンの部位特定の精度85%！ (BBC-News, Jun 2, 2023)
「どうも、近頃、食が進まない。痩せてきた、お腹が痛い。」などと心配になって、病院で診察を受けると、あれこれと検査に回された上、CTsキャンだバイオプシー(biopsy)だと騒がれ、後日の検査の予約まで迫られる。
ところが、米国 Galleri (ガレリィ)社が開発した「Galleri test (ガレリィ検査)」は、画期的な血液検査法だ。患者の血液サンプルを調べるだけで、ガンの有無とその種類まで分かるという。ガン腫瘍から血液に漏れ出した「genetic code (遺伝子コード)」の特徴が、50種のガンそれぞれ、みな違うことを利用したものだ。
イギリスのNHSは、Oxford大学と共同で「Galleri test」に関する大規模臨床試験を実施した。対象となったのは、England､Wales在住で、ガンの疑いがある患者約5,000人。
その結果、調査したガン約50種の内、3つに 2つは正しく判定され、さらに、陽性と判定された患者の85%については、ガンの部位をピンポイントで当てることに成功した。
なお。その後、通常のガン検査(CTスキャンやバイオプシー)によって、ガンに罹患していることがわかった約350人について､「Galleri test」データと比較した結果
・75% of those testing positive on the blood test were found to have cancer
[ガレリィ検査で陽性の患者の75%は、まさしくガン。]
・2.5% of those testing negative were found to have cancer
[ガレリィ検査で陰性の患者の2.5%もガンだった。]
したがって､「Galleri test」によって「rull in or rule out cancer (ガンであるかないか)」を判断するには十分な精度とは言えないが、ガンの部位を85%で特定できる精度は、臨床医GPにとって、十分に臨床に活用できる値だ。
NHSは、今後、「hidden cancer (隠れガン)」の発見を目的として、健康な人を対象にした「数千人規模の臨床試験」を計画していて､これによって「Galleri test」の有効性が確認できれば、2024- 2025年に、さらに対象を百万人に拡大して、その血液検査を実施したい考えとか。
ガンはとにかく早期発見がカギだ。検査が迅速かつ正確な「Galleri test」に期待する関係者の声は強い。
おわりに：日本の医学の進歩･発展はどうしたのだろう。国内の大学･医療研究機関による、ガンの予防、診断、治療に関する最新あるいは革新的な医学論文が海外で話題になることは、ほとんどなくなった。
(写真は添付のBBC News から引用)
