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いざというとき絶対に役立つ!:3つの「呼吸法」 (RTE-News, March 31, 2020)

It might feel unnatural to breathe deeply, but it can help to calm an overactive mind. Liz Connor reveals how to inhale and relax.

 驚いたときには、思わず息が止まる。がっかりしたときは、ため息がでる。走って走り抜いたら、息が切れそうになる。興味のない話に付き合って、眠くなると あくびが出る。

 こんなふうに、心の動き、感情、体の疲れぐあいによって、呼吸は違うもの。逆に、人の呼吸は、その人の「いま (now)」が如実に現われたものとも言える。

 人は毎日、およそ25,000回の呼吸 (breathing)を繰り返している。

 昔から、人前でスピーチをするとき、あるいは試合に臨むときに、大きく一つ深呼吸 (deep breathing)すると、気持ちが落ち着くと言われて来た。「Physical Intelligence」の著者 Dr Clair Daleによると、深呼吸は、「nervous and endocrine system (神経系・内分泌系)」の働きを高めるという。

1.Are you breathing right?:それが正しい呼吸?

  正しい姿勢で、正しい呼吸をすると、空気が肺の奥深くまで吸い込まれ、体や脳の活動に必要な酸素が十分に供給される。

 とくに、「腹式呼吸 (diaphragmatic breathing)」が優れている。お腹をグッと膨らませて、鼻から息をスッと吸い、次にお腹を引っ込めて、口からユックリと息を吐く。

 もちろん、胸部すなわち鎖骨 (clavicles)の周りを膨らませて、空気を吸うこともできる。しかし、この「clavicular breathing (鎖骨呼吸または胸式呼吸)」では、呼吸が浅くなり、瞬時の判断、思考、動作に支障を来(きた)す。

 それは、慌てて呼吸をしているようなもので、これでは、いかに実力・能力がある人でも、その場で発揮できる力・能力は、半分以下に落ちてしまう。

2.Why is the way we breath important?:呼吸の大事な働きは?

 呼吸は、血液に酸素を供給する大事な役目を担っている。しかし、その他にも、体内で発生するCO2などの有害な廃棄物を排出する役目がある。

 肺が大きく動いて横隔膜が上下すると、胃、腸、肝臓、脾臓(spleen)、腎臓が上に持ち上げられ、臓器の周りに蓄積した廃棄物が血液中に流れ込み、これが肺を通して体外に排出される。

 この呼吸の働きによって、病気の発症が未然に抑制され、また、胃腸の消化が促進される。

3.「3 breathing exercises」:健康に役立つ 3つの呼吸法

 さて、Dr Daleによると、冷静沈着 (cool, calm, and collected)を保ち、ときに瞬発力を発揮し、熟睡に効果的な呼吸法があるという。

 以下に、その要点を示した。

3−1. stress buster:ストレス解消に適した呼吸法

 人はストレスや悩み・不安に苛(さいな)まれると、「cortisol (コルチゾール)」が分泌される。これが、血圧・血糖値の上昇と、免疫力の低下を招いてしまうのだ。

 ストレスやプレッシャーに晒(さら)されたときには、毎日10分間、腹式呼吸が効果的だ。

 まずは正座または椅子に座る。頭で天空を支える気持ちで、背筋を真っ直ぐに伸ばし、肩の力は抜く。口から息を吐くときは、静かに、少しずつ、ゆっくりと 6 -10秒を掛ける。肺の中から全ての CO2を吐き切るように息を吐く。

 とくに、吐くときの時間を長くとる腹式呼吸は「recovery breathing (回復呼吸)」と呼ばれ、パニックに陥ったときに効果的だ。

Just Breathe GIF by chescaleigh - Find & Share on GIPHY

3−2.Energy hit:エネルギーの瞬発に適した呼吸法

 瞬時にエネルギーが必要なとき、1, 2ですばやく空気を肺に送り込み、3, 4ですばやく肺から息を吐く。この呼吸法で、「若返りホルモン」とも呼ばれる男性ホルモンDHEA (Dehydroepianoidrosterone) の分泌が促進され、体はパワー全開の状態に入る。

 

Sleep Sleeping GIF - Find & Share on GIPHY3−3.Sleep solver:熟睡に適した呼吸法

 ストレッチングには「副交感神経系 (parasympathetic nervous system)」を刺激し、体をリラックスさせる効果がある。

 就寝前のお勧めのストレッチングは「prayer position (お祈りポーズ)」または「child’s pose (ハイハイ・ポーズ)」と呼ばれるもの。

 床に膝をつき、その足を大きく開いて、背筋を伸ばし、赤ちゃんのハイハイのポーズをとる。その姿勢で手を前に動かし、足は胸につけるように移動させる。体が柔らかい人は、頭を床につけて一休み(無理をしないで、クッションに頭を乗せると楽)。 そして、首の筋肉を緩め、ゆっくりと深く呼吸してみよう。睡眠中の呼吸は、この呼吸によく似たものだそうだ。

 

おわりに:ため息は、誰にでもできる。しかし、ため息は何の役にも立たない。腹式呼吸はむずかしそうに見えても、やってみると簡単で有益だ。いざというときのために、一度は試しておきたい「剣の秘術」の一つだ。

       (写真・動画は添付のRTE Newsから引用)

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