UKが第1回めの「lockdown (外出禁止措置)」に踏み切ったのは 2020年 3月23日。その後、5月20− 22日にわたって、「King’s College London」と「Ipsos Mori」が共同で「睡眠に関するアンケート調査」を実施した。対象は、UK在住の年齢 16− 75歳の2,254人。Covid-19によって受けた家計の経済状況を尋ねたところ、
・明らかに困窮状態
・ほとんど困窮状態に近い
と回答した人の割合は、全体の 62%に及んだ。
財布の中身が心配では、夜も ろくろく眠れるはずがない。それに、家族の健康のことや、自分自身がこの社会について行けなくなったなどの理由で、夜、ベッドに入っても、寝返りを繰り返し、なかなか眠れなくなっている人も多い。
そんなとき、睡眠薬に頼る前に、RTEが勧める「sleeping-supporting foods (睡眠補助食品)」を試してみてはどうだろう。
1.Nuts:ナッツ類
アーモンド、クルミ、ピスタチオ、カシューナッツなどのナッツ類は、タンパク質、必須脂肪酸 (essential fats)が豊富。それに、睡眠ホルモン「melatonin (メラトニン)」、ミネラル成分「Mg」、「Zn」が含まれているので、ナッツ類を食べると、睡眠の質が高まる。
なお、1日一握りのナッツ類を食べると、幸せホルモン「serotonin (セロトニン)」の分泌が促進されるという研究結果が報告されている。
2.Turkey:七面鳥
七面鳥やニワトリなどの「poultry (家禽)」肉には、「sleep-inducing (睡眠誘引物質)」の「tryptophan (トリプトファン)」や、睡眠の質を高める「amio acid (アミノ酸)」がいっぱい。
とくに、「tryptophan」は、脳に働いて、メラトニンの分泌に同調させ、脳を「スリープ・モード」にする効果がある。
また、大豆、ヒマワリの種(たね)、脂っこい魚(サーモン、サバ、イワシ、サンマなど)、それに豆類にも「tryptophan」が含まれている。
3.Pasta:パスタ
夕食にパスタやライスなどの「carbohydarates (炭水化物)」を食べると、おなかがいっぱいになり、眠くなる。炭水化物には、脳の「tryptophan (トリプトファン)」の吸収を促進する効果があるからだ。
4.Camomile:カモミール
おやすみ前には、一杯のカモミール・ティーがお勧めだ。カモミールには「apigenin (アピゲニン)」と呼ばれる化学成分が含まれている。この成分は、脳内のある特殊な受容体 (receptor)と結びついて、不安を和らげてくれるので、眠りにつくのに役立つ。
なお、2016年に発表された研究論文によると、赤ちゃんを生んだ女性に、2週間、毎晩、カモミール・ティーを飲んでもらったところ、これを飲まない人に比べて、夜はよく眠れるようになり、ほとんど「うつ (depression)」の症状も見られなかったという。
おわりに:「睡眠薬 (hypnotics)」なしでは眠れない」、と訴える人は少なくない。しかし、医者に言われるままに、この白い錠剤を飲み続けると、人間がボロボロになりかねない。それよりも、ぜひ一度、「sleeping-support foods (睡眠補助食品)」を試してほしい。
(写真は添付のRTE Newsから引用)