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暗く、寒い冬:何事も億劫になる「冬バテ」を乗り切るために! (RTE-News, Dec 10, 2020)

No matter your age, a few simple lifestyle changes can help to combat sluggishness when the big chill sets in. Liz Connor hears four of the best.

 かって、太陽系第三惑星「地球」は氷河期に入り、地球上の全てが厚い氷と雪に覆われたことがあった。それでも、植物・動物、それにヒト族 (Homo)の祖先は、その極寒と飢えと、日照不足による病気に耐えて、生き延びた。

 

 氷河期には、毎日が暗く、それが何万年も続いた。気が遠くなりそうな「氷の世界」であった。その最悪の状況下にあって、クマやウサギ・リスなどは、体の基礎代謝機能を低下させ、食糧がなくても生き延びる術(すべ)、すなわち「冬眠」を進化させた。コウテイペンギンやサルは、互いに身を寄せ合うことで暖をとり、寒さを凌(しの)いだ。 

 

 そして人類。すでに類人猿とは違って、厚い体毛はとっくに失っていたし、食糧がないと言っても、冬眠するわけにもいかなかった。さぞかし、苦しく、辛(つら)い生活だったに違いない。

 

 その「暗い地獄」のような体験の記録が、現代人の DNAに刻まれているのだろうか。冬になると、なぜか、体調に異変が現われる。それが「winter tiredness (冬バテ)」だ。

 もちろん、現代人は、生命体として精神的・肉体的に、ひ弱になったことは事実だ。ほとんどの現代人の仕事と言えば、四六時中、パソコンに向かうこと。野山を走ることや、額(ひたい)に汗をかいて働く喜びなどはとっくに忘れた。

 

 そして、どの国,どの機関・企業の権力者も、政治、経営、マネジメントと称して「権謀」に明け暮れ、人のものを盗み、騙(だま)し合い、寒いときに互いに体を寄せ合って暖め合うどころか、互いに憎しみ合って殺し合う。「人や自然を思いやる心 (spirits)」に関しては、進化 (evolution)するよりも、むしろ退化 (devolution)したとも言えよう。

 

 しかし、とにもかくにも、その「冬バテ」だけは、少しでも軽くする必要がある。これ以上、心が退化しないためにも........。以下にそのコツを述べる。

Friends Tv GIF

1.Put sleep on your plate:睡眠はお皿の上の料理次第

 

 日中、活躍できるのも、夜、ぐっすり眠っているからだ。そのためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせない。とくに「amino acid tryptophan (アミノ酸トリプトファン)」を含む食品

 

・turkey:七面鳥

・soy:大豆

・nuts:ナッツ類

・seeds:種子

・oily fish:脂っこい魚(サーモン、サバ、ニシン、サンマなど)

・beans and pulses:豆類

 

が有効だ。「 tryptophan (トリプトファン)」は、睡眠ホルモン「melatonin (メラトニン)」の合成、分泌の働きを促す化合物として知られている。

 

 さらに夕食時には、パスタ・ライスなどの「carbohydrate (炭水化物)」を摂取する。炭水化物には「 tryptophan (トリプトファン)」を脳に運ぶ働きがあるためだ。

 なお、腹いっぱい食べることよりも、食べるものの質と栄養バランスを考えることが大切。

Tired Wake Up GIF by WeWork - Find & Share on GIPHY

2.Get into the habit of trying something new every week:新しいことに挑戦

 

 日の出の遅い冬の朝、まだ暗い寝室でベッドから起き出し、顔を洗い、食事をし、仕事に出かけて、帰宅。その後、シャワーまたはお風呂に入って夕食を済ませ、TVを観て、ベッドに入る。 

 冬の間、来る日も来る日も、このパターンを繰り返していては、刺激に欠け、「sluggish same-old feeling (だるく、古びて面白みのない単調な気分)」に心が塞(ふさ)がれてしまう。

 

 このマンネリズムを打破するためには、週に一度で良いから、何か新しいことに挑戦することだ。食べたことのない冷凍食品、キャビア、青カビチーズを食卓に載せたり、テーブルクロスを変えるだけでも、生活にメリハリと刺激が生まれる。

 

 また、これまでやったことのない、新しいこと (something new)に、敢えて取り組んで見よう。

 そうかと言って、お金を掛ける必要は、まったくない。例えば、読書が好きな人は、ジャンルを変えるだけで、ワクワクするものだ。歴史物しか読まない人も、たまには、H.G.Wellsの SFフィクションやアガサ・クリスティー推理小説に目をとおすと、思わぬ発見がある。「食わず嫌い」は、たった一度の人生を陳腐なものにする「毒」。

jane austen book GIF

3.Get moving:体を動かして、幸せ気分に

 

 スキー、スケートに嵌(はま)っている人はともかく、冬の間は、どうしても「運動」の機会が少なくなる。しかし、ときに、この運動不足が「メンタルヘルス」を悪化させたり、「免疫力」を弱める原因になりかねない。

 

 運動すると、神経伝達物質「serotonin (セロトニン)」、「dopamine (ドーパミン)の分泌が促進される。いずれも、精神を安定させ、「幸福感に満たしてくれる化学物質 (feel-good chemicals)」だ。体を動かすと、心の不安も鬱(うつ)の気分も吹き飛んでしまうのだ。

 

 だから、冬の間は、せめて 1日30分間、運動することが望ましい。それができなければ、背筋を伸ばして「brisk walk (キビキビと歩く)」。それだけで、心の中がすがすがしくなること、間違いなし。

autumn love GIF by The Bachelorette Australia

 なお、心理学が専門の Dr Megg Arrollによると、人間の1日の行動の約 50%は無意識的で習慣的なもの。

 その習慣に少しだけ変化を与えてやると、単調に陥りがちな冬の暮らしの活性化につながる。運動のモチベーションが、なかなか上がらない人は、時間が空いたときにすぐに運動できるように、目立つ場所にトレーナーを置いてみる。

 また、冷蔵庫内の食品の配置を変えるだけで、小さな「ダイエット革命」になる。ドアを開けて一番に目の行く棚に、ケーキ・スイーツを保管してはならない。そこは健康食品のストック場所にする。

 

4.Let there be light:お日さまに当たる

 

 冬の朝、目が覚めても、外はまだ真っ暗。小鳥の声も聞こえない。これでは、なかなか「’get up and go’ feeling (直ぐに起き出して、何かを始める気分)」になれない。それに日照時間が短いため、太陽光を浴びて分泌される睡眠ホルモン「melatonin (メラトニン)」、幸せホルモン「serotonin (セロトニン)」が不足がちになる。

Meg Ryan Comedy GIF by Coolidge Corner Theatre

 だから、冬の間、晴れた日には、できるだけ外に出て太陽の光を浴びること。たとえ、少々曇り日であっても、1日 20 −30分散歩すると、ホルモンの分泌効果が現われるはずだ。

 

 散歩が無理なら、「light therapy (光療法)」用の「SAD lamps」を使う方法もある。これで100%の効果は期待できなくとも、春を待つ数ヶ月間だけなら、短期的に有効だ。ただし、このライトに対して皮膚や目が敏感に反応する人は、使用前に専門医に相談すること。

sunbathing heidi montag GIF by The Hills

おわりに:「寒いから」、「暗いから」と言って、室内に閉じ困っていては、「doom and gloom (陰々滅々)」。心の中にまでカビがはえてしまう。冬こそ、「鉄を打って剣となし、剣の道に磨きを掛ける」ときだ。

 

 [ 追記:暫時休憩。読者の皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。]

 

 (写真、動画は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie