健康を保つためには、病魔・疫病神を寄せ付けない知恵と工夫が必要だ。これは予防医学 (prevetnive madicine)と呼ばれる。
たとえば、塩分の摂り過ぎは高血圧症を招き、心臓の負担を重くする。しかし、医学学会誌「European Heart Journal」に発表された研究結果によると、塩分の摂り過ぎの傾向のある人が、カリウムKの豊富なバナナ、アボガド、サーモンなどを食べると、高血圧のリスク上昇が抑えられるという。とくに、その効果は女性に顕著に現われる。
以下は、女性の健康維持に欠かせない代表的な食材5品目。
1.Leafy greens:葉もの野菜
機能性栄養士 (functional nutritionist)の Ms Paulin Coxが、マグネシウム Mg、カリウム Kの豊富な食材として太鼓判を押すのは「leafy greens (葉もの野菜)」。
この食材は女性に多い「subclinical magnesium deficiency (潜在性マグネシウム欠乏症)」の予防に欠かせない。慢性的に Mg不足が続くと、
・hypertension:高血圧症
・cardiovascular disease:心血管疾患
・osteoporosis:骨粗鬆症
のリスクが高まる。
なお、管理栄養士 (registered nutritionist)の Ms Melissa Snoverも、更年期の女性は「vitamine deficiency (ビタミン欠乏症)」によって、
・fatigue:疲れ
・cognitive decline:認知機能の低下
を起こしやすくなるため、葉もの野菜を食べて、K, Mgなどのミネラルを補う必要があると指摘する。
さらに、ブロッコリ (broccoli) 、葉もの野菜 (leafy greens)、豆類 (beans and lentils)などには、食物繊維( fiber)が豊富に含まれていて、インシュリンの分泌を抑え、血糖値を下げる働きがあり、女性特有の「polycystic ovary syndorme (多嚢胞性卵巣症候群PCOS)」の予防に効果があるとされる。
2.Beans:マメ類
マメ類は大事な「plant-based protein (植物性タンパク源)」だ。タンパク質は、筋肉、皮膚、臓器の形成に欠かせない成分。しかし、女性は加齢にともなって、タンパク質を分解し、アミノ酸に変換する機能が低下するため、筋肉量が減少する「sarcopenia (サルコペニア)」を起こしやすくなる。すると、体の消費エネルギーが著しくなって、肥満を招き、血糖値が上がる。
さらに、女性は30代を過ぎると、筋肉の形成に必要な成長ホルモン (growth hormones)の分泌が減少することから、健全な「lean muscle mass (除脂肪体重)」を維持するように務めることが大切だ。
3.Tomatoes:トマト
心臓疾患 (heart diseases)は女性にとって死亡率の高い病気の一つだ。その予防に高い効果を発揮するのがトマト。トマトは、強力な抗酸化物資 (antioxidant)の「lycopene (リコピン)」のかたまりだ。リコピンは
・reduce free-radical damage:フリーラジカル損傷を抑制し
・cholesterol levels:コレステロールを下げる
ことが知られていて、「cardiovascular health (心血管系の健康維持)」に欠かせない栄養素だ。
4.Nuts:ナッツ類
毎日、一握りのナッツ類を召し上がるのが理想的。ナッツ類には食物繊維、脂肪、ビタミンEなどが豊富に含まれている。なかでも、クルミ (walnuts)はオメガ3脂肪酸(omega-3 fatty acids)の摂取に最適。その効果は以下のとおり。
・reducing stress and inflammation in the brain:ストレス・脳内炎症の抑制
・managing menopause symptoms:更年期障害の改善
・alleviating brain fog:もの忘れが減る
5.Wholegrains:全粒穀物
全粒穀物として知られる
・spelt:スペルト小麦
・quinoa:キノア
・barley:大麦
・brown rice:玄米
・buckwheat:蕎麦
は精製穀物に比べて食物繊維、タンパク質、微量栄養素 (micronutrients)の含有量が高く、LDLコレステロールを下げる効果も認められている。
おわりに:「健康など、どうでもいい。好きなものを好きなだけ食べたい」と思って、昼食にドーナッツを食べて済ませたり、ソフトクリームに夢中になっていると、気がついたときには、その身体が手遅れの状態になりかねない。しょせん、自分の身体は自分で守り、大事にするしかないのだ。冷たいソフトよりも、冷たいトマトにかじりつくほうが、どれほど健康的か。
(写真は添付のRTE Newsから引用)