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暖炉にストーブ:これからは、石炭・生木を焚べてはならない! (BBC-News, January 13, 2021)

An open fire

 いかにイギリスと言えども、かってのベルサイユ宮殿のように、豪華な暖炉・ストーブに石炭や薪(まき)を焚いて暖がとれる家庭は、ごく一部の裕福な、それも伝統にこだわる貴族階級かセレブに違いない。

 

 確かに、石炭・薪(まき)の温かみは格別だ。静かに燃え立つ火焔は、不思議と心に安らぎを与える。それに、その炎は、まるで岸辺に打ち寄せる波のように刻々と変わるため、見ていて飽きない。

 

 ところが、この数十年、急速に増えたクルマの排ガスや、発電所・工場からの排煙で大気は汚れに汚れた。

 「Public Health Wales (ウェールズ公衆衛生局)」によると、大気汚染が原因で死亡する人は、Walesだけで年間約1,400人。これは、まさに、Walesの「disgrace (恥)」。

Exhaust fumes from a car

 そこで、Wales自治政府は、新「Clean Air Act (大気汚染法)」を起案し、クルマのアイドリングの禁止、学校・医療施設区域の交通規制、違反者に対する罰則の強化などに取り組むこととし、暖炉・ストーブで石炭や生木(wet wood)を燃やすことも禁止することにした。

 なお、その新法では、大気汚染の改善目標を設定し、5年ごとに、取組み計画を見直すことが定められている。

 

 Wales自治政府の首相 Mark Drakeford (マーク・ドレイクフォード)は、来る 5月 8日に予定されている議会選挙 (Senedd elections)の前に、法案を成立させ、遅くとも 2年以内に、家庭の煙突から排出される石炭・生木の煙を完全に締め出したい考えとか。

 

おわりに:日本が戦後の復興を遂げて、高度成長期に入った時代、朝に夕に、どの家の煙突からも、石炭ストーブや薪ストーブの煙が、独特の匂いを周囲に放って立ち上った。それが、いつの頃からか気づかないうちに、石炭も消え、ストーブで薪を炊くことなどは贅沢なことになった。

      (写真は添付のBBC Newsから引用)

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奴隷商人の銅像:その所業を恥じず、今も、民衆を見下ろすとは! (BBC-News, January 21, 2021)

Sir John Cass

 とくに、政治家 (politicians)の言葉には、「建前と本音 (superficial and real intentions)」があり、その行動には「表と裏 (visible and hidden sides)」があることが多い。

 しかし、イギリス人の William BeckfordとJ ohn Cass。この二人の人物については、裏と表の差がきわだっている。なんと、真面目くさって、大衆に向かっては政策をぶつ。その一方で、「Africa-America間の奴隷貿易 (transatlantic slave trade)」に関わっては、巨万の富を築き、あげくの果に、銅像に祀(まつ)られて、後世の住民に睨みを利かせる。

 

 ところが、日ごとに高まる「Black Lives Matter (アフリカ系住民に対する人種差別抗議運動)」の声を受け、ついに行政がその重い腰を上げた。

 LondonはLondonでも、Lodon旧市街の中心地区「The City of London」の「The Policy and Resource Committee (政策・資源委員会)」は、この 1月21日 (木)、その「The Square Mile」に立っていた 2体の銅像の撤去案を議決した。

 The Guildhall

 今後も、「The City of London Corporation (ロンドン市自治体)」は、ロンドン市内に今でも残る、多数の、奴隷貿易に関与した人物の銅像や、彼らの名に因んだ「road names (通りの名前)」について撤去や変更を考える予定だ。

 

 差し当たって、直ちに撤去作業を進めることになった銅像の主は、こんな人物。

 

1.William T. Beckford (ウィリアム・ベックフォード [1760- 1844])

 父親の莫大な資産を受け継ぎながら、ジャマイカのサトウキビ大規模農園 (plantation)を経営し、さらに奴隷貿易で財を増やした。こうして当時の Londonでは、最大級の富豪にのし上がった。もちろん、金にまかせて道楽の限りを尽くした。

 ところが、どういうわけか、17世紀後半、ロンドン市長に2度も選出される。

William Beckford

2.John Cass (ジョン・キャス [1661- 1718])

  17 −18世紀、MP (議員)に選出され、国政に当たる。その一方で「The Royal African Company (王立アフリカ会社)」の首脳陣に名を連ねて、奴隷貿易に精を出した。そして、何を思ったか、学校を建てて「philanthropist (慈善家)」とも呼ばれた。しかし、その「慈善(philanthropy)」は、しょせん「偽善 (hypocrisy)」に過ぎない。

 

 なお、昨年の 6月、UK西部の港湾都市 Bristol (ブリストル)で、同じく奴隷商人 Edward Colston (エドワード・コルストン [1636 -1721])の銅像が引き倒され、海に投げ込まれる事件があり、「London Borough of Tower Hamlets」にあった奴隷商人 Robert Milligan (ロバート・ミリガン [1746- 1809])も、当局によって撤去されている。

 

おわりに:アフリカ系住民を銃で脅して捕らえ、「もの」として奴隷船で運んで、売り買いした奴隷貿易。どんなに口達者な政治家と言えども、これを正当化することは不可能。「悪」と「善」、「悪人」と「善人」を取り違えては、子どもに「善」を諭(さと)すことはできない。

    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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UKの変異ウイルス:感染率1.7倍、死亡率1.3倍に凶悪化! (BBC-News, January 22, 2021)

Nurses monitor patients on a COVID-19 ward at Milton Keynes University Hospital

 イギリスUKで Covid-19の変異ウイルスが初めて確認されたのは、London南部の「Kent (ケント州)」だった。 昨年の 9月のことだ。その後、この変異ウイルス (UK variant)は、あっというまにUK全土に広がり、さらに世界 50ヶを超える国々へと、その侵出域を拡大させた。

 

 変異ウイルスが恐ろしいのは、従来型の Covid-19ウイルスに比べて、「感染率 (transmissibility)」が 1.3− 1.7倍も高いだけにとどまらず、「死亡率 (mortality)」も 1.3倍と、ウイルスがその凶悪性を増しているからだ。

 たとえば、従来型のウイルスでは、60歳の感染者1,000人のうち、死亡する患者は 10人と推定される。ところが、同じ 60歳の人が変異ウイルスに感染すると、1,000人のうち 13人が死亡する計算になるという。

 

 これが、「The New and Emerging Respiratory Virus Threats Advisory Group (新型・呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ、Nervtag)」がデータを解析して、たどり着いた結論だ。ただし、データには不確実性が残るとの批判もある。

 

 ともあれ、 UK型変異ウイルスの出現で、コロナ感染者の死亡率が高まったことは、「realistic possibility (事実上ほぼ間違いなし)」。

 

 この状況下で、医療関係者が戦々恐々として、不安を隠しきれないのは、South AfricaとBrazilで発生した新種の変異ウイルスだ。先週、UK Boris Johnson政府も、以下の国に対する渡航禁止措置を、さらに延長すると発表した。

・South America

・Portugal

・many African countries

 

おわりに:人間は恐怖に曝されると、本能的にこれを避けようとするが、その恐怖が長引くと、脳内の恐怖調整機能が十分に働かなくなるという。

 「オオカミが来た!」の話と同じように、マスコミ等で「コロナ、コロナ」が叫ばれても、コロナ慣れした若ものは、遊び歩く。

 

 加えて、政府は「緊急事態宣言」を発令し、「不要不急の外出を控えよ」と勧告しながら、一方で、不要不急の相撲、野球、サッカーなどの試合に観客を入れる。これでは穴の空いたバケツで水を汲むことに等しい。

 

 あんなこんなで、誰だって感染対策をすれば、試合の観戦や飲食店の営業も致し方なし、あるいは、なんら問題なしと思い込んでしまう。さらに、医療関係者や地方自治体にも、「声掛け」に疲れが出てきた。こんなときが、もっとも危ない。Covid-19の襲撃は、目に見えない津波だ。命も何もかも失いかねない。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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心にもっと安らぎを:清廉で若々しい心を取り戻すために! (RTE-News, January 12, 2021)

Ann Ward, founder of Xhale.

 いくら競争社会に生きているとは言え、人間が互いに角(つの)を突き合わせていては、世の中、とげとげしくなって窮屈だ。それに、生まれたときは、赤ちゃんの身体のように、柔らかだった心も、三十路(みそじ)を過ぎた頃から、まるで寒風に晒されて萎(しな)びてしまった干し柿のように固く、融通が利かなくなる。 

 

 まだ30- 40代、50代のつもりでも、自分の中に引きこもり、外の世界に目をそむけ、耳を塞(ふさ)いでいると、心がどんどん老化し、80代、90代の老人のように老けて、身体(からだ)にも顔にも精気が感じられなくなる。

 

 「ゆとりと安らぎに満ちた心」が人間に欠けていては、かわいそうなことだが、山野を駆けゆく風の音も、林の梢(こずえ)でさえずる小鳥の声にも気づかなければ、野に咲く草花の美しさを愛でることもできない。もちろん、人の優しさや、今この瞬間の自分の心、その存在に気づくことなど、到底無理だ。

 

 凝り固まった自分に満足し、うぬぼれている人は、たとえ、どんなに優れた名著を読んだとしても、それは字面(じづら)だけを追っているだけで、著者の心、その心髄を理解することは、ほとんどできない。

 

 だから、ときには、人は汚れた心を浄化して、感性をするどくし、刻々と移りゆく時間と自然の営みの変化のリズムに同調させ、この世に誕生したときの、自然の中に生きる「きれいに澄み切った心の自分」を取り戻すことが大切だ。

 

 さて、Ms Ann Wardは、自然の中で瞑想 (meditation)することによって、「mindfulness (刹那せつなの内なる心の注視)」の実践をめざすForest therapyの専門家。その Ms Wardが、心の「rejuvenation (若返り)」に有効であると説くのは、次の 5項目。 

 

1.Vitamine N:自然は健康に欠かせないビタミン

 自然 (nature)は、心身の健康に欠かせないビタミン。1日に少なくとも20分間は、自然の中で過ごすようにしたい。自然は、あなたの身体(からだ)を優しく抱(いだ)いて、悩みごと、嫌なことの全てを忘れさせ、今この瞬間の内なる心と自然との繋がりに気づかせてくれる。

2.Gratitude:感謝すること

 今、生きていることに、喜びと感謝の気持ちを持てる人はどれだけいるだろう。多くの人は、事あるごとに不平・不満、苦言・文句、愚痴を並べ立てるが、そこから楽しいことや有意義なことは何も生まれない。心の中が暗くなるだけだ。

 それよりも、「体(からだ)が健康で、食べ物に困らない生活がどんなに幸せで、ありがたいことか」に注意を向けたい。確かに、世の中は不公平、不平等で、ずる賢い人間や悪人が跋扈(ばっこ)し、怒りを覚えずにいられない。

 

 しかし、ほんの一時(ひととき)、それも少しだけ、「怒りの心」から距離を置いて、「今の自分があること」に思いを馳せて (reflection)みよう。ちょっとは努力したかも知れないが、今日あるのは、多くの人の支え (support)と幸運 (good fortune)に恵まれたからではなかったか。それは感謝 (gratitude)に値することだ。感謝は人の心を軽くし、明るくもする。

3.Mindful cooking:クッキングに没頭

 今この瞬間だけに集中し、作業に没頭できるのは「cooking」。食材を切ったり、煮込んだりと、体を忙しく動かしていると、過去の失敗や嫌なことは全て忘れて、時間は、あっという間に過ぎ去る。

 

4.Breathing Techniques:腹式呼吸

 腹式呼吸を繰り返すと、気持ちが落ち着く。面接、スピーチ、試合などを直前に控えて気持ちが高ぶっているとき、腹式呼吸は冷静さを取り戻すのに効果的だ。

5.Squared Breathing:スクェア・ブリージング (4サイクル呼吸法) 

 椅子に腰掛ける。足をしっかりと床に付け、手は「lap (ひざ)」の上に置く。そして体と椅子との接点の感触を確かめつつ、「この瞬間、足は床の上に碇のように下ろしている」とイメージする。次に、静かに目を閉じ、肩の力を抜いて気持ちを楽にし、以下の動作を繰り返す。

 

Step 1:ゆっくりと1, 2, 3, 4と数えながら、鼻から息を吸う。

Step 2 :  息を止めて、ゆっくりと1, 2, 3, 4と数える。

Step 3:ゆっくりと1, 2, 3, 4と数えながら、口から息を吐く。

Step 4: 息を止めて、ゆっくりと1, 2, 3, 4と数える。

 

Step 1からStep 4を繰り返す。

 

おわりに:何事も、こだわりに凝り固まっていては進歩がない。心は、無限に広がった青空のようでありたい。

                     (写真は添付のRTE Newsから引用)

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 吠えよ、咬みつけ、凶暴なオオカミ:どうせ、やがて滅びる定めだ! (RTE-News, January 13, 2021)

Dire wolves were larger and heavier than the modern grey wolf (pictured)

 この世に、優しいオオカミ (wolf)など存在しない。オオカミは、弱者・善人を見ると吠えて咬み付く獣だ。

 さて、「wolf」の語源は、ラテン語「lupus」、ギリシャ語「lukos」に遡(さかのぼ)り、最終的にサンスクリット語の「vrka」にたどり着く。その原義は「(獲物の肉を)引き裂く獣)」の意。

 

 人類(human)にとって狼は手強い相手だ。しかし、現在の「狼 (grey wolf [学術名: Canis lupus])、ハイイロオオカミ」よりも大型で、はるかに凶暴な狼が地球上に存在し、食物連鎖 (food chain)の頂点に立って、動物界に君臨したことがあった。

 

 その名は「dire wolf (ダイアウルフ [学術名: Canis dirus])」。「dire」とは、「凶暴 (dreadful)」の意味だ。ただし、生息域はアメリカ大陸に限られ、生息期間は今から125,000- 12,000年前とされる。地球の最終氷期の末期に突如として絶滅した種(しゅ)だ。

 

 Ludwig Maximilian大学の Dr Laurent Frantzらの研究チームは、「dire wolf」の化石サンプル (50,000- 12,900年前)の DNAを解析し、その絶滅のなぞに迫った。(研究結果の詳細は、科学雑誌「Nature」に発表。)

 

 すると、驚くべき事実が明らかになった。「dire wolf」は解剖学上(anatomically)、「grey wolf」に類似しているが、遺伝子の違いは、人類とチンパンジーの違いに匹敵するほど、大きかった。

 このことは、約20,000年前の一時期、「dire wolf」と「grey wolf」は、生息域を共有していたと考えられるが、両種の間では、まったく「interbreeding (交雑)」が起こらなかったことを意味する。

 

 さらに、この超ヘビー級の狼「dire wolf」が、狩りの標的を、もっぱら「giant bison (ジャイアント・バイソン)」などの「large mammals (大型哺乳類)」に絞り込んだことが裏目に出たことも確かだ。

 「giant bison」は「dire wolf」によって食い尽くされて絶滅した。しかし、やがて、主たる獲物を失った「dire wolf」もまた、絶滅の道を進まざるを得なくなったのだ。

 

おわりに:凶悪きわまるオオカミの末期は、こんなものだ。いくら吠え立てたところで、自然の理に反しては生存できない。歴史から学ぶべきことは多い。

    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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子どもの頃からの夢を実現:Scotlandで天然塩づくり! (BBC-News, January 10, 2021)

Darren Peattie

 1790年代、Scotlandの主要な輸出産物は wool (毛織物)、fish (水産物)そして「salt (天然塩)だった。冷蔵庫がない当時、肉類、魚の保存には塩が欠かせないものであり、貴重品として取引されたのだ。製塩会社は、「white gold」と、もてはやされた塩1トンつくるのに石炭 8トンを使ったと言われている。

Salt pan remnants in St Monans

   今でも Scotland南東部「Fife (ファイフ)」の小村「St Monans (セント・モナンズ)」には17世紀に建造された「salt pan house (製塩工場)」7基と「windmill( 風車)」1基が残っている。

 製塩業の全盛期には、沿岸から海水を直接ポンプで製塩工場まで送り込んだという。さらに石炭を炊いて、その海水を煮詰め、塩をつくった。

18th century salt making according to William Brownrigg

 しかし、その後、スペインの塩田でつくられた天然塩が出回ると、これに押されて、Scotlandの製塩業は廃業に追い込まれれる。

 

 ただし、Mr Darren Peattie (36歳)のように、一旦は故郷を離れてLondonに職を得たものの、子どもの頃の夢をかなえるために、Fifeに戻り、天然塩つくりにチャレンジする人も現われた。

 Mr Peattieは、現在、1日 2.5トンの海水を、「The Firth of Forth」の入り江から海水をホースで汲み上げ、これを「St Monans」の工場までタンクローリーで運んで製塩に使っている。St Andrews大学の水質試験結果によると、この海水にはマイクロ・プラスチックなどの汚染物質がまったく含まれず、ミネラルが豊富な「Grade A」の海水。

Darren Peattie

 主な製塩の作業工程は以下のとおり。

1.filtering:濾過作業

2.vacuum evacuation:真空蒸発

3.turning the water into brine:濃度の高い海水 (ブライン)づくり

4.heating:煮詰め作業

5.salt crystales and flakes:塩の結晶・フレークの回収

6.drying:乾燥

Salt house in St Monans

 なお、Scotlandでは、今後「Blackthorn Salt」、「Skye Sea Salt Company」の 2社が製塩事業に着手する予定とか。

 

おわりに:海水の塩分濃度は約 3.4%。2.5トンの海水からおよそ85kgの塩がとれる。この天然塩をホクホクの「baked potato」にふりかけたら、さぞ、美味しいことだろう。

      (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ナポレオンの寝室のキー:なぜかScotlandで発見! (BBC-News, January 12, 2021)

Key and notes

 文豪トルストイが渾身の力を込めて書き上げた大作「戦争と平和」。その映画の一場面は、今でも忘れることができない。1815年6月18日、ベルギーのワーテルローで、ナポレオン (Napoléon Bonaparte [1769-1821])の率いるフランス軍が、イギリス・オランダ同盟軍と戦った「Battle of Waterloo (ワーテルローの戦い)」だ。両軍合わせて兵力数十万の戦いは、フランス軍に不利な情勢の中で、プロイセン軍が参入し、ナポレオンの敗戦が決定的になる。

 

 そして、その年の 10月、ナポレオンは、アフリカ大陸沖の南大西洋に浮かぶイギリス領の孤島「セントヘレナ」に幽閉される。その後、6年間、その島の館(やかた)「Longwood House (ロングウッド・ハウス)」で、側近のBertrand (ベルトラン)将軍とその家族、さらに従僕36人に付き添われて、後半生を送ることになる。その点で「Longwood House」は決して監獄ではなかったという。

 ナポレオンが52年の生涯を閉じたのは、その「Longwood House」の寝室であった。1821年 5月 5日のことだ。

 

 それから約200年の月日が過ぎた。なんと、セントヘレナから遠く離れた Scotlandの地 Edinburgh郊外の片田舎で、ナポレオンが息を引き取った寝室の鍵が発見される。

 真相は明らかではないが、ナポレオンの死後、たまたま、その島を訪れたイギリスの兵士 Carles Richardが、寝室の鍵を持ち去った。Scotlandに住む兵士の母親が「super fan of Napoleon (ナポレオンの大ファン)」で、ナポレオン・グッズのコレクターであったため、その母親を喜ばせたいと、持ち帰ったようだという。

 

 ある日、その Richard家の子孫が古いトランクを開けたところ、中から、封筒に入ったナポレオンの鍵が見つかった。そこには、古くなって黄ばんでしまった紙に

 

” Key of the room at Longwood House, in which Napoleon died.”

[ ナポレオンが死去したロングウッド・ハウスの寝室の鍵 ]

 

とのメモ書きが残されていた。さらに、1822年 9月 6日に、自分がこの鍵を持ち出したことも書き添えてあったとか。

 

 そのナポレオンの鍵が Londonの「Sotheby’s」のオークションに掛けられることになった。推定落札価格は £5,000 (約70万円)。

 

おわりに:皇帝「Napoléon Bonaparte」はフランス人の誇りであり、歴史上に残る大人物だ。アレキサンダー大王、ジュリアス・シーザー、初代ローマ皇帝アウグストゥス (Augustus)と肩を並べる英雄の中の英雄。

 なお、ナポレオンの時代 (江戸時代後期)、日本が誇る庶民的英雄は葛飾北斎(1769-1821)。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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