ナポレオンの寝室のキー:なぜかScotlandで発見! (BBC-News, January 12, 2021)
文豪トルストイが渾身の力を込めて書き上げた大作「戦争と平和」。その映画の一場面は、今でも忘れることができない。1815年6月18日、ベルギーのワーテルローで、ナポレオン (Napoléon Bonaparte [1769-1821])の率いるフランス軍が、イギリス・オランダ同盟軍と戦った「Battle of Waterloo (ワーテルローの戦い)」だ。両軍合わせて兵力数十万の戦いは、フランス軍に不利な情勢の中で、プロイセン軍が参入し、ナポレオンの敗戦が決定的になる。
そして、その年の 10月、ナポレオンは、アフリカ大陸沖の南大西洋に浮かぶイギリス領の孤島「セントヘレナ」に幽閉される。その後、6年間、その島の館(やかた)「Longwood House (ロングウッド・ハウス)」で、側近のBertrand (ベルトラン)将軍とその家族、さらに従僕36人に付き添われて、後半生を送ることになる。その点で「Longwood House」は決して監獄ではなかったという。
ナポレオンが52年の生涯を閉じたのは、その「Longwood House」の寝室であった。1821年 5月 5日のことだ。
それから約200年の月日が過ぎた。なんと、セントヘレナから遠く離れた Scotlandの地 Edinburgh郊外の片田舎で、ナポレオンが息を引き取った寝室の鍵が発見される。
真相は明らかではないが、ナポレオンの死後、たまたま、その島を訪れたイギリスの兵士 Carles Richardが、寝室の鍵を持ち去った。Scotlandに住む兵士の母親が「super fan of Napoleon (ナポレオンの大ファン)」で、ナポレオン・グッズのコレクターであったため、その母親を喜ばせたいと、持ち帰ったようだという。
ある日、その Richard家の子孫が古いトランクを開けたところ、中から、封筒に入ったナポレオンの鍵が見つかった。そこには、古くなって黄ばんでしまった紙に
” Key of the room at Longwood House, in which Napoleon died.”
[ ナポレオンが死去したロングウッド・ハウスの寝室の鍵 ]
とのメモ書きが残されていた。さらに、1822年 9月 6日に、自分がこの鍵を持ち出したことも書き添えてあったとか。
そのナポレオンの鍵が Londonの「Sotheby’s」のオークションに掛けられることになった。推定落札価格は £5,000 (約70万円)。
おわりに:皇帝「Napoléon Bonaparte」はフランス人の誇りであり、歴史上に残る大人物だ。アレキサンダー大王、ジュリアス・シーザー、初代ローマ皇帝アウグストゥス (Augustus)と肩を並べる英雄の中の英雄。
なお、ナポレオンの時代 (江戸時代後期)、日本が誇る庶民的英雄は葛飾北斎(1769-1821)。
(写真は添付のBBC Newsから引用)