血圧を下げるには:ウォール・スクワット、プランク運動がベスト! (BBC-News, July 26, 2023)
血圧 (blood pressure)が 140/90mmHg以上になると、血管、心臓、脳、腎臓、目に負担が掛かり、心臓発作や脳卒中の発症リスクが高まることが知られている。
その血圧を下げるためには(降圧剤は別にして)
・eat healthily (cutting down on salt) :健康的な食生活(とくに減塩)
・reduce alcohol intake :アルコール摂取を控える
・stop smoking:タバコをやめる
・keep to a healthy weight:健全な体重を維持する
・execise regularly:日常生活に運動を取り入れる
では、「運動すると血圧が下がる」と言っても、どんな運動を、どれだけすれば良いのだろうか。これまでの「UK guidelines」によると
” Adults should do at least 150 minutes of moderate-intensity exercise, or 75 minutes of vigorous activity, plus muscle-strengthening exercise twice a week.”
[ 成人の場合、週に一度は少なくとも
・150分間の中程度運動(早歩き、テニス、サイクリング、ジョギングなど)を行なう。
・75分間の激しい運動 (ランニング、サッカー、ラグビー) などを行なう。
のいずれかを取り入れ、さらに
・週に2回は、筋肉トレーニング (腕立て伏せ、腹筋運動)などを行なうこと。
とある。しかし、Canterbury Christ Church大学の Dr Jamie O'Driscollらの研究グループが被験者約16,000人に対して実施した2週間以上にわたる臨床試験ならびに1990年から2023年の間に発表された「運動と血圧との関連性」に関わる研究論文を精査した結果、もっとも血圧を下げる効果が認められた運動は「isometric exercis (等尺性運動)」と呼ばれる
・Wall squats (or Wall sits):ウォール・スクワット
・The Planks:プランク運動
だった。 (研究結果の詳細は医学雑誌「The British Journal of Sports Medicine」に発表。)
なお、この等尺性運動の特徴は、筋肉、関節を動かさずに、腿(もも)や腹筋などの筋肉を強化できる点にある。また、運動後のリラックス時に、血液がどっと流れるため、血液の流れが改善される。ただし、等尺運動中に息を止めてはならない。
1.Wall squats:ウォール・スクワット(腿の筋肉を鍛える)
・Back against wall:壁に背をつけ
・Feet 2ft (60cm) from wall:足を壁から60cm離し
・Thighs parallel to ground:腿(もも)は床と平行に(なるまで腰を落とし)
・Hold for two minutes:その姿勢を2分間維持する
2.The Plank:プランク運動
・Elbows beneath shoulders:(うつ伏せになって)肘を曲げて床につけ
・Straight back:背筋をのばし
・Hold for two minutes:その姿勢を2分間維持する
上記 2つの「isometric exercis (等尺性運動)」は、「aerobic exercise (有酸素運動)」に比べて約 2倍の降圧効果があった。
なお、「The British Heart Foundation (英国心臓基金)」によると、運動することによって、心臓・循環器系疾患の発症リスクを最大35%下げることができるという。
おわりに:病気の予防・治療法は日進月歩。高血圧 (hypertension)対策として、やみくもに運動するのは、時代遅れになった。血圧がどうしても異常に高い人は別だが、血圧が少し高いからと言って、「降圧剤に全面的に頼ったり、意味のない無理なマラソンに凝る、あるいはエアロビクス教室に夢中になる」のは考えものだ。すべからく、行動の的(まと)を絞るべし。
(写真は添付のBBC-News & RTE Newsから引用)