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ショッキングな真実:ホテルの部屋の気づかない汚れ・ばい菌! (RTE-News, June 29, 2023)

Dirt and Germs in Hotel Rooms

 ホテルは本当に清潔か。格安料金のビジネス・ホテルならまだしも、5つ星の高級ホテルだったら、汚れ・ばい菌とも無縁で、清潔でないはずがない。誰しも、そんなふうに考えがちだ。

 ところが、Leisester大学の Dr Primmrose Freestoneによると、実は、そうでもないことが多いという。(研究内容の詳細は「Conversation」に発表。)

 

” Typically, assessment of hotel room cleanliness is based on sight and smell observations - not on the invisible microbiology of the space, which is where the infection risks reside.”

[ 一般に、人は、ホテルの部屋が清潔であるかどうかを、見た目や匂いで判断し、部屋の中に潜む目に見えない微生物には無頓着。ところが、そこには感染リスクが隠れているのだ。]

 

  では、ホテルのどこに注意すべきか。以下は、Dr Feestoneがあばいた「一見清潔とおぼしきホテル」の衛生上の盲点。

 

1.It starts at the lift:スタートはエレベータから

 ホテルに到着し、フロントでチェックインを終えたら、エレベータのボタンを押して客室に向かう。しかし、ばい菌 (germs)との戦いは、ここから始まる。そのボタンはばい菌でいっぱい、と考えた方がいい。大勢の人がひっきりなしに押すボタンだ。微生物 (microorganisms)が付着していないはずがない。

 

 また、「communal door handles (共用ドアハンドル)」も、常に消毒していない限り、ばい菌の付着が避けられない場所だ。だから、ボタン・ハンドルに触れた後は、とくに食事の前や顔の手入れの際に水で手をよく洗うか、ハンド・サニタイザーで手を消毒すること。

 なお、ホテルで最も多い感染症

 

・Tummy bugs(胃腸炎):下痢、嘔吐の症状

・Respiratory virus infection (呼吸器系ウイルス感染症):colds, pneumonia (肺炎),  Covid-19

 

 意外にも、ホテルの部屋の中で、最も丁寧に掃除されている箇所は

・Toilets and bathrooms:トイレとバスルーム

 

 バスルームのコップが使い捨ての紙コップでなかったら、コップはよく洗ってから使用すること。もちろん、部屋の入り口のドアのハンドル、バスルームのドアのハンドルは「病原菌 (pathogens)」の たまり場と考えた方が無難だ。バスルームの石鹸・シャンプーを使ってハンドルを拭いてやるのが望ましい。

Hotel door opening.

2.Beware the remote:TVのリモコンに注意

 すでに、ベッド、シーツ、枕が「unwanted visitors (嫌われ客)」で占拠され、繁殖場所になっていることが少なくない。

 2020年に発表された研究によると、新型コロナ感染症の「pre-symptomatic Covid-19 (発症前患者)」が宿泊したホテルの部屋中がコロナウイスルに汚染され、とくに、シーツ、枕カバー、布団カバーの感染力が強かったとの報告がある。

 

 一般のホテルでは、宿泊客が入れ替わるごとに、シーツや枕カバーが交換されることが多いが、「bedspreads (ベッドカバー)」はそのままだ。だから、そのベッドカバーが病原菌のすみかになりかねない。ホテルによっては、シーツも取り替えないところもあるとか。気になる人は、自分用のシーツを持参した方がいい。

 

 なお、部屋の備品

・room desks

・bedside tables

・telephones

・kettle

・c0ffee machine

・light switches

・TV remote

の表面は、常に消毒・殺菌されているわけではない。(とくに、TVリモコンがひどく汚れている)

TV remote lying on pink bedding.

なお、胃腸炎を引き起こす「norovirus (ノロウイルス)」やCovid-19ウイルスは、プラスチック・金属の表面で数日間生存するが、宿泊客の入れ替わりは たいてい 12時間以下だ。つまり、ウイルスにとっては、死滅する前に、ウイルスの新たな宿主が出現することになる。

 

 さらに、ホテルの部屋の布製備品

・cushions

・chairs

・curtains

・blinds

も、清潔に保つことが難しい箇所だ。触ったときは、石鹸でよく手を洗うこと。

Woman making bed in hoteroom.

3.Uninvited guests:招かざる客 (吸血性トコダ二)

 肉眼で ( by the naked eye)、清潔に見えても、そこには「uninvited guests (招かざる客)」が忍び込んでいる可能性がある。吸血性の「トコジラミ (Bed bugss)」だ。彼らは人の血を吸わなくとも、数ヶ月も生き延びることができ、旅行カバンの隅(すみ)、マットレス・ベッドなどの隙間に潜んでいる。すでに、Europe, Africa, US, Asia一帯のホテルにまん延しているとされる。このトコジラミが「transmissible disease (伝染病)」を媒介する可能性は低いが、これに刺されると炎症を起こし、他の部位に炎症が広がることもある。患部は強い痒(かゆ)みを伴って、赤く腫れ、翌朝、シーツの上に小さな血痕が見つかったなら、ベッドにトコジラミがはびこっている証拠だ。その姿は「brownish-silvery looking (茶色っぽい銀色)」で、体長 1- 7mmの吸血性寄生昆虫 (bloodsucking parastic insects)だ。(刺されたときは殺菌クリームを)

 

 なお、

 

・on mattress:マットレスの上

・behind the headboard:ベッドのヘッドボードの裏

・inside drawers and wardrobe:引出し・ワードローブの内側

 

で、褐色の斑点があったら、それはトコジラミの糞 (faeces)だ。ホテルに伝えておいた方がいい。なお、部屋の中を裸足(はだし)であるくのも危険だ。

 

 さらに注意すべきことは、このやっかいものを旅行カバンに忍び込ませて、自宅に連れ帰ってしまうことだ。だから、帰宅後に衣類、カバンのチェックを入念にすること。

 

 たとえ、海外の有名な5つ星ホテルといえども、部屋の清掃が完璧であるとは限らない。「profit margins (純利益率)」が「room cleaning  cost (部屋の清掃コスト)」に掛かっているためだ。

 

おわりに:高級ホテルだから、掃除が行き届いて清潔で、スタッフも客も立派な人ばかりとの妄想は抱かないこと。どんなに疲れていても、ホテルに着いたなら、まず、非常口を確認し、部屋のドアのハンドル、TVリモコン、照明スイッチの殺菌は忘れないことだ。不可解な病気に感染し、健康を損ねては、せっかくの旅行も台無しになる。旅行とくに海外旅行では、ぶじに帰ることを、なによりも優先すべきだ。

        (写真は添付のRTE-Newsから引用) 

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