ねる子は育つ、寝れない大人は病弱:よく寝る大人は丈夫で長生き (RTE-News, Feb 24, 2023)
健康で、丈夫なからださえあれば、薬も医者もいらない。そのためには、きちんと食べて、骨身を惜しまず体を動かして、よく眠ることだ。
さて、USは「Beth Israel Deaconess Medical Centre (ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター)」の Dr Frank Qianらの研究グループは、2013- 2018年の 5年間にわたって実施された「The National Health Interview Survey (国民健康聞取り調査)」の中で、とくに「Sleep and sleep habit (睡眠と睡眠習慣)」に関するデータ (172,321人分)に注目し、これを詳しく分析した。
調査対象者の平均年齢は50歳、男女の比率は 46:54であり、各人は平均 4.3年にわたって追跡調査を受けた。その 5年間の調査期間中に死亡した被験者は 8.681人だった。
これを死亡原因別にみると
・cardiovascular disease (心血管疾患) :2,610 (30%)
・cancer (ガン) :2.052 (24%)
・other causes (事故、感染症、神経変性疾患など):4.019 (46%)
なお、健康調査の一つに「good sleep (熟睡)」項目があったが、熟睡の程度は次の 5つの内容で評価することにした。
□ ideal sleep duration of seven to eight hours a night
(理想的な睡眠時間 (7- 8h)を確保)
□ difficulty falling asleep no more than two times a week
(ベッドに入ってすぐ眠つけないことは週に 2回以下)
□ trouble staying asleep no more than two times a week
(夜中に目が覚めて眠れないことは週に 2回以下)
□ not using any sleep medication
(いかなる睡眠薬も使っていない)
□ feeling well rested after waking up at least five days a week
(朝、目が覚めて、すっかり疲れがとれたと感じる日が週に 5日以上)
上記の欄のどれか一つにチェックできたときの「熟睡の評価」は 1点で、5つ全ての欄にチェックできたなら 5点となる。
この評価基準に基づいて、被験者の「good sleep (熟睡)」の習慣を分析した結果、評価5の人は、評価 0- 1の人に比べて、以下のような違いがあった。
1.less likely to die (死亡する確率)
・−30%:死亡原因にかかわらず
・−21%:心血管疾患が原因
・−19%:ガンが原因
・−40%:その他(事故、感染症、神経変性症疾患 [認知症、パーキンソン病など] )
2.life expectancy (寿命の伸び率)
・4.7 年:男性
・2.4 年;女性
ただし、寿命の伸び率に、なぜ、男女間に約2倍の差があるのかについては不明。
もちろん、この熟睡と健康に関する研究は、被験者が自己申告したデータに基づくものであり、実証データに基づく統計的な解析ではない点に、注意を払う必要がある。
おわりに:それにしても、よく寝る人と、よく寝れない人では、病気で死亡する確率があまりにも大きく違う。もし、これが本当であるとすれば、研究者には「なぜ」を追求し、そのメカニズムを明らかにしてもらいたい。
(写真は添付のRTE Newsから引用)