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なぜ、人は眠り、夢を見るのか?:それは神秘に満ちた謎の世界! (RTE-News, June 25, 2020)

 眠くなってベッドに横になると、しばらくは、うつらうつらと「light slumbers (まどろみ)」、それから「dormant states (熟睡状態)」に入り、やがて「レム睡眠(rapid-eye-movement (REM))」となる。それ以降は、90 -120分間隔で、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が交互に繰り返される。なぜ、このような睡眠パターンをとるのかは不明。

 夢を見るのは、眠りの浅い「レム睡眠」のときだ。脳が休んでいるように見えても、実は、レム睡眠中に、過去あるいはその日、脳に蓄積された膨大な知覚情報を整理する。そして、重要な情報だけを記憶回路に固定化するのだ。

 この「知覚記憶の固定化 (memory consolidation)」の作業プロセスが夢を見る原因となっているという。そこには論理性、理性が働かないため、ストリーがメチャクチャになることが多い。

 しかし、悪夢でうなされるのはまだ軽い。なかには夢に支配されてベッドから起き出し、歩き回ったりすることもある。いわゆる「子どもの寝ぼけ」、「睡眠時遊行症 (sleepwalk)」は、人口の約5%が経験していると推定される。

 また、青年期になると、夢の中の朦朧(もうろう)とした状態で、台所で湯を沸かし、料理をつくって食べる行動(睡眠関連食行動傷害)が現われることもある。

 さらに、「sleep deprivation (睡眠不足)」、「insomania (不眠症)」は成長ホルモンの分泌を妨げ、うつ病 (depression)の発症リスクを高める。

 このように、睡眠は健康と切っても切れない関係にある。しかし、睡眠も夢も、人間には分からないことが多すぎる。まだまだ解明できない、神秘的で、なぞに満ちた「夢」のような世界だ。 

 University College Dublin (UCD)の Dr Shane Berginは、次のように予測する。

『20世紀が「物理学 (physics)」が脚光を浴びた時代なら、21世紀は「脳神経科学 (neuroscience )が脚光を浴びる時代になるであろう』。

 

おわりに:太陽が西に沈んで、夜になると、小鳥もニワトリも、犬も猫も眠りにつく。そんな動物たちは、どんな夢を見ているのだろう。また、人間の脳に近い超大型 AIスーパー・コンピュータが完成されたなら、それにも「コンピュータの夢」が必要になるだろうか。AIが悪夢にうなされて、暴走しなければ良いが........。

 

 なお、もっと、睡眠、夢に興味のある方には、次の一冊を勧める。

・内山 真:睡眠のはなし (快眠のためのヒント)、中公新書、2014年

                  (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie