おびただしい数の使い捨てプラスチック:これぞ環境破壊の元凶! (BBC-News, Nov 20, 2021)
「洗う手間が省けて、衛生的」との触れ込みだった。機内食に限らず、ほとんどのレストランや食堂でも、プラスチックの食器 (プレート、ナイフ、スプーンなど)が使われ、残り物と一緒にゴミ箱に捨てられてきた。
しかし、これはどう見ても異常だった。UKで毎年消費される「使い捨て容器」については、プレートが約11億枚、カトラリィ(ナイフ、フォーク、スプーン類)が42.5億個にのぼり、そのわずか 10%がリサイクルに回されているだけだ。
そこで、UKの環境相 (Environment Secretary)「George Eustice」は宣言する。
・UK政府は、不必要かつ無駄なプラスチック製品に対して宣戦布告した。
・今こそ、きっぱりと、使い捨て文化と縁を切るときだ。
そして、プラスチック製食器を規制する法案を議会に提出し、この11月はじめ、その法案が議会で承認された。
今後、国民の声を聴くための「public consultation (パブリック・コメント)」が
3ヶ月間にわたって開催される予定だ。
この政府の環境保護に向けた取り組みに対して、経済界・消費団体の間には、厳しすぎるとの声も上がっている。しかし、環境保護グループからは「(取り組みが)遅すぎた」、「プラスチック食器は (環境汚染の)ほんの氷山の一角にすぎない。もっと規制対象を広げるべきだ」との批判の声が聞こえる。
なお、Englandでは、プラスチック製ストロー・スターラー、綿棒については、昨年2020年から使用が禁止されている。
また、Scotlandでは、2022年の 6月から、発泡スチロール (expanded polystyrene)を原料とする食器類、スターラー、食品容器の使用が禁止になる予定だ。
この一連の環境対策について、環境保護団体「Friends and the Earth」の Ms Camilla Zerrは、
・A “product-by-product” approach to the plastic crisis was “too slow”
[ (環境汚染問題に)プラスチック製品の一つひとつを個別に対応するなんて、あまりに のろいやり方だ。]
・全ての無駄な使い捨てプラスチック製品を減らすため、それに加えて、再利用、商品の詰め替えを促進するための法整備が必要
と訴える。
おわりに:使用禁止となり、「100円ショップ」からプラスチック食器類が消えたなら、いったい、だれが一番困るだろう。おそらく、その生産国ではないか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)