今すぐ健康チェック:あなたは、何秒「片足立ち」できる? (RTE-News, Oct 8, 2021)
なにもフラミンゴのまねなどすることはない、と嫌がる人もいるかも知れない。けれども、実は、「片足立ち (standing on one leg)」がどれだけできるかは、健康のバラメータだ。
なんとか 20秒以上続けることができたなら、その人の健康状態は良好で、運動能力が高く、転倒するリスクが小さいと言える。
逆に、「ふらついて (with a wobble)」とても、そんなに長くは無理だと、ねをあげる人は
・cerebral small vessel disease:脳小血管症の発症リスクが高く
・ability to understand ideas:(他人の話の)理解力が減少している
可能性がある。
さらに、
・Perkinson’s disease:パーキンソン病
・stroke:脳卒中
・Alzheimer’s disease:アルツハイマー病
などの発症リスクさえ、疑われるのだ。
一方、人生においては、次のような状態
・pregnancy:妊娠
・menopause:閉経
・the diagnosis of disease:病気の診断(結果の悪い知らせ)
・retirement:退職
に追い込まれると、いつのまにか、身体を動かす能力・気力も失せて、筋力、バランス感覚、直立姿勢能力 (ability to stay upright)が減退する。
これに加えて、イスやリクライニングに座ってばかりの生活を送っていると、
・体力が弱まり
・転倒するリスクが高まり
・運動機能が低下する。
それが長期に及ぶと
・type-2 diabetes:2型糖尿病
・higher waist circumstance:腹囲の増大
・obesty:肥満
を招きかねない。
さて、健康な人のバランス感覚 (balance senses)は「central and peripherial nervous systems (中枢・末梢神経系)」が支配している。目、内耳からの情報と、筋肉・関節のフィードバック信号を総合して、正しい姿勢を保とうとするのだ。
よく運動する人は、バランス感覚に優れ、「physical, psychological and social benefits (運動における恩恵も、心理上、社会上の恩恵も)」大きいと言う。
これに反し、背筋をまっすぐに伸ばせずに、「ねこ背 (stooped posture)」になっている人は、片足立ちが苦手で、
・depression:ウツ病
・osteoporsis:骨粗鬆症
のトラブルを抱えていることが多く、転倒し、骨折するリスクが高い。
しかし、たとえ「神経疾患 (neurological condition)」で悩んでいる人でも、「片足立ち」のトレーニングを続けると、転倒・骨折のリスクが減少することが分かっている。
UKでは、65歳以上の約3人に1人が、年に一度は転倒し、80歳以上になると約半数が転倒する事故にあっているという。
また、2021年の統計によると、コロナ感染拡大防止に向けた外出制限の影響を受けて、高齢者の運動不足が顕著になり、高齢者の転倒事故は約11万件に達した。
なお、「片足立ち」は、目を閉じて行なうと、格段に難しくなる。これは、視覚に頼らずにバランスをとらなければならなくなるからだ。ただし、バランス感覚は十分に磨かれる。
以上のRTE記事の内容は、Glasgow Caledonian大学の Dawn Skelton教授らが医学雑誌「The Conversation」に発表した論文の簡略版だ。優れた執筆に対し、紙上を借りて敬意を表したい。
おわりに:いくら「片足立ち」が転倒事故防止に役立つからと言って、決して、すぐにイスの上や危険な場所で「片足立ち」にチャレンジしないこと。あくまでも、無理せず、安全が基本だ。
おしらせ:この辺で、ちょっと休憩。春休み。
(写真は添付のRTE Newsから引用)