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後進国への自然保護支援:お金をドブに捨てるようなもの! (BBC-Science, May 12, 2021)

Giraffe

 「お金をドブに捨てる (throwing money down the drain)」とは、なんとも「罰当たり(cursed)」な所業。

 しかも、そのお金と きたら、「カナダの国民総生産 (Canada's gross domestic product, GDP)」の額 (約200兆円)に匹敵するとあっては、だまって見過ごすわけにはいかない。

 

 Lancaster大学の Dr Patrick Biggerらの国際非営利科学研究組織「The Third World Network, TWN」がまとめた報告書によると、これまで、先進国が、発展途上国に対して、自然環境、生物多様性 (biodiversity)の保護などの支援活動に投資した巨額の資金は、ほとんどがムダになっているというのだ。

 

 むしろ、支援資金が真逆の「large-scale agriculture (大規模農園開発)」、「resource extraction (資源開発)」に流用され、自然環境は悪化の一途をたどっているありさまだ。

 

 この原因は、資金を援助する先進国の思惑(おもわく)と、その資金を使う発展途上国の思惑(おもわく)が完全に食い違っていることにある。

 

 たとえば、2019年、国連が「森林の消失と荒廃 (forest loss and degradation)」を食い止めるために実施した「UN Programme」では、およそ$160million (約174億円)が、関連する「communities (コミュニティ)」に供与され、消えた。

 

 また、中央アメリカ南部の「Costa Rica (コスタリカ)」の自然保護支援資金の使い方もひどい。

 原生種の植林 (tree-planting)を奨励するはずの援助資金が、植林どころか、森林の伐採とプランテーション開発に流用されて、「wooden shipping plattets (輸出用木製パレット)」が生産されただけだった。

 

 なお、コスタリカのケースは、ほんの氷山の一角に過ぎないのだろう。『ほとんどの国際自然保護活動は「ineffective and underfunded (ムダに終わり、資金不足)」に陥っている』と、TWNは指摘する。

 

おわりに:「復興資金」とて、その使い方に「ムダや不透明な点」がなかったとは、とても言えない。入念な計画、熟慮に熟慮を重ねた資金配布先の決定、資金の使われ方のチェック(罰則を含む)、計画実施後の反省と検討がなければ、お金は、権力者の元に集まり、まともに使われないのが常だ。それが、欲に満ちた人間のどうしようもない性(さが)ではないか。

                         (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com