ピート・コンポストの販売禁止:園芸家・キノコ栽培業にダメージ? (BBC-News, May 19, 2021)
湿地帯に草木や水性植物が数千年にわたって折り重なり、完全に腐ることもなく積り積もると、その一帯は「peat (ピート)」と呼ばれる湿原に変わる。
日本では、戦後、炭化が進んだものを掘り出して乾燥させ、燃料用の「泥炭」として利用した。
「peat (ピート)」と言えば、Scotland北東部の Highlandの「peatland (ピート地帯)」は、人々の郷愁を誘う風景だ。
そのピート。温室効果ガス(メタン)を多量に包蔵しつつも、水の浄化に大いに役立っている。また、ピート地帯を通った河川水が、スコッチウイスキー特有の風味を醸し出していることは余りにも有名。
さて、Scotlandでは、そのピートが20世紀中頃から植物栽培業者 (commercial growers)、素人園芸家 (amature garders)に、コンポストとして利用されて来た。
今では、Scotland以外では、そのピートを採掘する人はほとんどいなくなったという。
ところが、UK政府は、2024年から、「peat-based compost (ピート・コンポスト)」の販売を全面的に禁止すると発表した。
Scotland北東部の Inverness近郊の「Moy (モイ)」村でピート採掘を営む Mr Brian MacGregorはこの知らせを聞いて大弱り。これまで従業員6人を抱え、コンポスト用ピートを採掘しては、Scotland南部「Lothian (ロージアン)」のキノコ栽培業者に販売してきた。そこでは、そのコンポストを使って、週に 500トンのキノコを生産することができたという。
しかし、Mr MacGregorは、環境庁の支持に従って、ピート採掘現場を元の自然の状態に復元することに同意したという。「他に選択肢がなかった」と、ぼやく。さらに「自然保護活動化が攻撃の対象とするのは、攻撃が簡単な「hobby garders (趣味の園芸家)」だ」とも.......。
一方、「The International Union for Conservation of Nature (国際自然保護連合IUCN)」の「UK Peatland Programme」の Ms Emma Goodyerによると、ピート・コンポストの販売を終わらせることは、気候変動の取組みにとって正しい動き。ピートの販売規制は、今後、Irelandや Baltic states(バルト三国) から輸入されている大量のピートにも適用される見通しとか。
おわりに:確かに「peat (ピート)」は、温室効果ガスの時限爆弾。そればかりか、地球温暖化が進んで、シベリアの永久凍土層も溶け出して、メタンガスを放出している。これ以上、温室効果ガスを大気中に放出してはならない。
(写真は添付のBBC Newsから引用)