生命と活力の維持に必須のミネラルZn(亜鉛)。「oysters (カキ)」には、その亜鉛が豊富に含まれている。
さて、カキと言えば、フランス人のカキ好きは有名。とくに、白ワインとカキの相性は抜群だ。カキの水揚げシーズンには、レモン汁をたっぷりと垂らした生ガキのお皿が、レストランのテーブルに次から次へと運ばれる。
ところが、カキはフランス沿岸に限らず、かつてはイギリスの沿岸でも生産されていた。Scotlandの主に北部、西部の沿岸では「Native oyster」あるいは「Ostrea edulis」と呼ばれる「ヨーロッパヒラガキ」がたくさん獲れた。
それが
・pollution:海洋汚染
・climate change:気候変動
・shellfish harvesting:(見境のない)カキの水揚げ
が災いし、カキの生息数は1800年代に比べて95%も減少し、絶滅の瀬戸際まで追い詰められた。
カキは健全な海洋生態系の維持に活躍する「superheroes (スーパーヒーロー)」だ。小さな「marine bivalve mollusc (海洋二枚貝軟体動物)」ながら、1個のカキは、1日当たり200lの海水を浄化する。その上、他の海洋生物の重要な生息環境をつくり出しているという。
つまり、カキの姿が海から消えることは、海の汚れがひどくなり、生態系が崩れることを意味する。
そこで「The Postcode Dream Trust」の基金£1.8m (約2.8億円)を活用し、以下の 3つの組織
・The Zoological Society of London
・Blue Marine Foundation
・British Marine
がパートナーシップを結び、Scotland北西部の「Firth of Clyde (クライド湾)」にカキ養殖筏(いかだ)を組んで、その下に1,300個のカキを吊るすことにした。これから数ヶ月後には、このカキから、数百万の「larve (幼生)」が海中に飛び出すことが期待されている。
Scotland以外にも England北東部「Tye and Wear」、Wales北部の「Conwy Bay」などに、カキの養殖筏が設置され、Great Britain (UK)全体では約4,000個のカキが繁殖試験に使われた。
「The Zoological Society of London (ロンドン動物学会)」の Ms Celine Gambleによると
・There was ”just a handful” of known oyster populations left across the 4,000 sq km sea area of the Clyde.
[クライド湾の広さ 4,000km2の海域に、わずか一握りの、おなじみのカキが生息しているだけ。]
このプロジェクトが成功し、将来、UKにも再び「oyster reef」が形成され、やがては「abandant and healty eco-system that can support other marine wildlife (多様な海洋生物が生存する、豊かで健全な生態系」が復元されること)」。これが、プロジェクトに携わる研究者の夢だ。
おわりに:人間が地球上の他の生物の全てを絶命に追いやり、人間だけがこの世に取り残されたなら......。地球は、ずいぶんとつまらない惑星になってしまうだろう。地球上の生物は、それぞれが計り知れない「務め」を果たし、互いに支えあっていることを忘れてはいけない。
(写真は添付のBBC Newsから引用)