ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

これからの農業「agroforestry」:生産と環境保全の両立型! (BBC-News, Nov. 9, 2020)

cows

 この季節、新米の炊きたてご飯はもちろん、ふわふわの小麦胚芽入りパンも、あつあつポテトも美味しい。それにチーズとワインとコーヒーがあれば完璧だ。

 でも、そのどれもこれも、農家が生産したものだ。

 

 ところが、この数年、Scotolandでは、農家が批判に晒されている。農薬・殺虫剤を大量に散布し、家畜 (livestock)のゲップ (メタンガスCH4)が地球温暖化を加速させるため、環境汚染、異常気象の元凶とさえ、罵(ののし)られる。

 

 なにしろ、メタンガス CH4の温室効果二酸化炭素 CO2の約 25倍。たとえ乳牛 1頭といえども、地球温暖化に与える影響は、無視できないレベルになる。

tractor

 Scotlandでは、農業部門の「温室効果ガス (greenhouse gases)」排出量は、運搬・輸送 (transport)、商業活動 (business)に次いで多く、総排出量の15%を占める(2018年政府調査)。

 その一方で、大気中に放出された温室効果ガスの一部は、耕作などの「land use (土地利用)」や「forestry (林業)」によって地上に固定化されることも事実。その固定化されるガス量は、農業部門が排出する温室効果ガス量の 72%に相当する。

 

 政府から独立した農業調査・企画グループ「The Farming for 15℃」がまとめた報告書によると、Scotlandの農家は「農業の見方 (mindset)を変える」必要があるという。食糧を生産することだけに専念する時代は終わった。これからは、生産と環境問題を並行して考えていく時代。

 

1.とにかく、家畜が大気中に吐き出す CH4を 30%削減すること。そのためには、「栄養・餌添加剤 (nutrition and food additives)」の使用も必要。

 

2.さらに、再生可能エネルギーを農業生産の動力源として利用し、化石燃料への依存度を下げる。

 

3.「土地の多機能地用 (multifunctional land use )」を推進する。2030年までに、全ての農地を環境配慮型の「agroforestry (アグロフォレストリィ)」に変えるため、耕作地、牧場の間に植林を推し進める。

 

 Scotlandの農家は、Brexit (EU離脱)の結果、EUからの農業助成金が当てにできなくなる。環境に配慮しつつ、国民から信頼される農業を続けない限り、国の支援は難しくなる。農家は正念場に立たされているのだ。

 

おわりに:「食」を他国に頼っていては危険だ。食の安全性、確実性を確保するためには、自国の農業をないがしろにすることがあってはならない。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com