新鮮なO2と安らぎを与える観葉植物:鉢の植替えで、精気復活! (RTE-News, September 21, 2020)
7, 8年ほど前になるが、年末の寒い時期にフランスを旅し、しばらく自宅を留守にしたことがあった。そして、冬のさなかに帰宅すると、部屋の中の温度は約 2℃。
それでも、室内のデンドロビウムの大株は、「寒中」の寒さに耐えて生き残っていた。その強さに、また、ひたむきに自分を待っていてくれたことに、深く感動した。
植物 (plants)ほど人の心を理解し、裏切ることなく、慈(いつく)しみに応えてくれる生物は、この世に存在しない。秋になって葉を落とした柿の木、イチジクにポポー (paw-paw)、ブルーベリーの木々は、どれも、たっぷり肥料を与えると、翌年には、その分だけ、たくさんの実をつけてくれる。ラズベリー、ローズマリー、カモミール、ミント、タイムなどのハーブも、みな、人間の優しさを感じとって、たくさんのすばらしい花を咲かせてくれる。
さて、庭の植物は別にして、部屋の中のカトレア、デンドロビウム、孔雀サボテンなどは、1年に一度あるいは少なくとも 2年に一度は、鉢の植え替えが必要だ。
もちろん、鉢底から根が飛び出したり、葉の一部が枯れるようになって、植物全体に精気が感じられなくなったら、それは「植え替え(repotting)」のシグナル。幸い、秋は植物にとって休眠のとき。植え替えには絶好のチャンスだ。
以下は、「Dobbies Garden Centres」のプロが教える観葉植物の植え替えのコツ。
1.Remove plant from current pot:古い鉢から取り出す
まず、植え替えようとする植物の鉢を横にし、茎または葉の根本を軽く握って、他方の手で鉢底をポンポンと叩きながら、株全体を取り出す。叩いても抜けないときは、茎の根元を掴んで、少しずつ引き抜いてやる。
2.Loosen the roots:根をほぐす
引き抜いた株の根全体を、両手でモミモミする要領で優しくほぐし、長く伸びた根は切り詰める。
また、根が互いにもつれ合っているのは、全体が窮屈になっている証拠だ。植え替え用の新しい鉢は、古い鉢よりも直径 2 -4in(約5 -10cm)ほど大きなサイズを選んだ方が良い。
3.Remove old potting mix:古い土は 1/3入れ替える
古い鉢から引き抜いた株の土(培養土)を 1/3ほど取り除いてやる。古い土は栄養分を失っているためだ。(このとき、根を傷めないように、土を落とし過ぎないように注意。)
4.Add new potting mix:培養土を加える
新しい鉢 (排水孔付きが望ましい) を準備する。鉢底に孔のない容器に植え替えするときは、底に市販の鉢底石を敷き詰める(通気性、水はけを良くし、根腐れ病を防ぐために必要)。水やりの際、鉢底に溜まった水が、直接、根に触れないようにできれば完璧だ。
その鉢底石の上に、新しい土(培養土)を少しずつ入れる。エア・ポケットが入らないように注意。
5.Carefully replace the plant:株をセット
次に鉢の中央に株を据え、その周りの空間に培養土を入れて、株がグラつかないようにする。ただし、鉢の中に、土を入れ過ぎないこと(鉢上端から土の表面までは、少なくとも 3 -5cm空ける)、また、土を詰め過ぎないこと。根が呼吸できなくなる。
6.Water and enjoy:水やり
植え替えを終えたら、鉢の上部全面に水をたっぷりと与える。植物はゆったりした居住空間と栄養をもらって、どんどん生長するはずだ。
付録1:サボテンの植え替えには、とくに注意
トゲのあるサボテンの植え替えには、厚手の特殊な作業用手袋が必要だ。台所用の薄いゴム手袋では、トゲが刺さって危険。
付録2:「植え替えショック」が発生したとき
鉢を変えた後で、「transplant shock (植え替えショック)」を起こして、せっかくの観葉植物が枯れてしまうことがある。そんなことにならないようにするためには
・底に排水孔のある鉢を選択する
・植え替え後も、置き場所を変えない
・液肥を与える
・枯れた葉・茎を取り除いて、残った葉に日光が十分に当たるようにする
おわりに:鉢の植え替えは、お天気の良い日を選んで、作業を楽しむことが肝心。嫌々ながら、それも、せかせかと植え替えすると、その気分が植物に移ってしまう。
(写真は添付のRTE Newsから引用)