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むしょうに甘いものが食べたい!:これはなぜ? (RTE-News, August 21, 2020)

"There are many reasons why we may 'feel' hungry even if our stomachs aren't growling"

 秋になると、むしょうに人恋しく (crave to be loved)なったり、むしょうにチョコ、ケーキなど甘いものを食べたくなるもの。この「強烈で抑えきれない欲求 (intense and uncontrollable desire)」は、一体どこから来るのだろう。

 

 ときに、おなかが空いていなくとも、店先からお好み焼き、おでん、田樂、だんごなどの匂いが漂うと、つい、立ち止まってしまう。

 なぜ、こうも、人は食(しょく)に関して貪欲なのか。Liverpool大学の Dr Charlotte Hardmanと Dr Carl Robertsが、その疑問に答える。

 

 食欲 (appetite) と満腹 (satiety)、空腹 (physical hunger)は、複雑な「生理学的シグナル (complex physiological signals)」によってコントロールされている。

 ただし、摂食 (eating)行動に関しては、「生理学的な欲求 (biological need)」よりも「食に対する脳の報酬神経系 (brain’s food reward system)」のパワーが断然強い。

 

 このため、たとえ、腸 (intestine) が「satiety signal (満腹シグナル)を送っても、一度、おいしいものを味わった感覚が脳に記憶されていて、むしょうに食べたい (food craving)衝動に揺り動かされてしまうのだ。

 

 この「脳の報酬神経系」と呼ばれる脳内ドーパミン神経系回路は、「内因性オピオイド神経系 (endogenous opioid system )」と「内在性オピオイド神経系 (endo-cannavinoid system)」から成り立ち、食べ物の好き嫌いや、食べ物を探す行動に深く関わっている。

 さらに、衝動と報酬をコントロールする前脳奥部の「nucleus accumbens (側坐核ニューロン)」は、「overlapping opioid (重複オピオイド)」と「cannabinoid reecepter sites (カンナビノイド受容体)を有し、「貪欲な食欲 (food craving)」と「食の喜び (food enjoyment)」を支配している。

 

 しかし、これらの脳神経系の働きは、人によって皆違う。ある人は、チョコレートを見ただけで、その匂いを嗅いだだけで、それがたまらなく欲しくなるのに、「チョコレートなんて」と見向きもしない人もいる。

 どうやら、そこには「genetic and learned factors (遺伝性や学習要因)」が関与していると考えられるという。しかし、詳しいことは、よく分かっていない。

Man deciding between healthy and unhealthy food.

 この「reward system (報酬神経系)」は、人類が進化の過程で身につけたものだ。「hunter-gatherers (狩猟採集民)」であった時代、人類は常に、「stavation (飢餓)」に脅かされていた。簡単には食べ物が手に入らないとき、人類は必然的に高カロリーの食べ物を探し、獲物を仕留めた際には「opportunistic over-consumption (なりゆきに任せた過食)」に走らざるを得なかったのだ。

 

 しかし、現代人が、その狩猟採集民のまねごとをして、ジャンクフードを食べたら、肥満(ovesity)になるだけだ。

 

 そうは言っても、好きなものを突然やめると、逆効果を招く恐れがある。今度は、居ても立っても居られないほど、それが欲しくなり、禁欲の糸が切れると、猛烈に食べてしまう。これでは、「元の木阿弥」どころか、もっと悪くなる。

 要は、自分でコントロールできる範囲で、無理のないダイエットを計画することだ。

 

 それに、お酒が好きな人は、酒場を通ると飲みたくなるもの。スウィーツ・ショップやマクドナルドに近づかなければ、スウィーツ、ポテトチップス、ドーナッツの誘惑から逃れることができる。スーパーでも、スイーツ・コーナーには足を踏み入れないことだ。

          (写真は添付のRTE Newsから引用)

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