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コロナ感染の予防:その第一は肥満対策! (BBC-News, July 27, 2020)

Burger and chips

 難局にあって、人は、どのような行動を取るべきか、判断に迷うことが多い。心の中に浮上するのは「モラル (moral)」。これをCODは次のように定義する。

・moral:standards of behavior, or principles of right and wrong.

[ (人としての)行動規範、正邪の原理原則。]

 

 ミクロな強敵コロナウイルスに襲われて、世界のほとんどの国は、「経済を優先すべき」か、それとも「感染予防を優先すべき」かで、揺れるに揺れた。

 このような事態にあって、「哲学 (philosophy)」、「科学 (science)」は、いずれも、その基本的な行動理念、選択理念さえ提示できず、オロオロする政治家の前では、ほとんど無力であった。

 「人類がどのような判断を下し、どのような道を選択すべきか」について、哲学者、科学者が本気になって議論したという話も聞かない。これでは、巨大地震原子力発電所事故と同じで、大勢の犠牲者が出た後になって、地震の発生現象を説明したり、原子炉事故は予測不可能であったとこじつけては、大衆を煙(けむ)に巻くようなものだ。口悪い人は「下賤の後知恵」とも「阿呆の後知恵」とも言う。

 

 さて、肥満(obesity)がコロナ感染のリスクを高め、さらに重症化を招くことは、これまでの統計データが示すとおりだ。

 そして UKでは首相 Boris Johnson自身がコロナに感染し、肥満体対策に取り組む自らの姿勢を変えた。次のような対策プランを発表したのだ。

 

・ジャンク・フードを「一つ買ったら、一つおまけセール (buy one get one free deals) は禁止する

・高カロリーで糖分の多い食品については、店舗内広告を禁止する

・レストラン、カフェのメニュー表には、カロリー表示を義務付ける。

 

 むろん、首相の、この革新的な方針に対して、食品・広告業界は敵意を剥き出しにした反応を示す。いわく、『これまでも政府の指示に従って、夜9時前のジャンク・フードTVコマーシャルは自粛して来たではないか。さらに、コロナ・パンデミックで疲弊している商店の足を引っ張るなんて』と、激しく抵抗をする。

 

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 しかし、保健大臣 Matt Hancockによると、『コロナウイルスは、国民が肥満に本格的に取り組むようにとの「wake-up call (警鐘)」だった。太り過ぎの人が皆、その体重を 5lb (約2.2kg)減らすなら、今後 5年間で、国民医療費は £100million (約140億円)以上、経費削減できる』と語る。

 

おわりに:ポテトチップス、ドーナツにハンバーガーの販売店は、いくら国民の健康を守るための政策とは言え、その売上がマイナスになるような案は受け入れたくないと、がんばるに違いない。しかし、それは、人間にとって正しい判断なのだろうか。

        (写真は添付のBBC Newsから引用)

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