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食べ物を粗末にしては「バチ当たり」:粗末にしないためのコツ! (RTE-News, June 3, 2020)

After a poll shows a quarter of young people bin food because they don't know how to reheat it, here's how to reheat food safely.

 人類は、その誕生から近世に至るまで何度も飢饉・飢餓に直面し、その都度、多くの犠牲者を出して来た。その点で、今は、多くの国の人々にとって幸せな飽食の時代だ。子どもから大人まで、まるで当たり前のように、食べ残しをドンドン、ゴミ箱に捨てる。

 しかし、かっては、「食べ物を粗末にするとバチが当たる」と戒(いまし)められた。お茶碗にひっついた一粒のご飯も大切に食べ、お百姓の努力をムダにしないようにと教えられた。その作法も、今では修行僧の食膳作法に残すだけになった。

 どうやら、日本に限らず、どこの国でも、「もったいない」あるいは「食べ物に感謝する」精神が崩れ去ったようだ。

 Ireland (人口:約492万人) の一般家庭で、「食べ残し(leftovers)」として捨てられる食べ物は、金額にして年間 €400 - €1,000 (約¥48,000 - ¥121,000)に相当するという。

 食べ物を粗末にすることは、その生産・加工、輸送、流通販売に要した資源・エネルギーをムダにし、結局、地球温暖化を加速させ、「これまで予想もしなかった規模の豪雨・強風・干ばつが襲う異常気象」を引き起こすことにつながる。

 食べ残しも大切な食料。これを粗末にしないことは決して悪いことではない。

 さて、ガラス食器メーカーの「Pyrex (パイレックス社)」が Ireland住民に対してアンケート調査を行なった。それでわかったことは以下のとおり。

 

・若もののほとんどは、食事の際の「食べ残し (leftovers)」を捨ててしまう。

・第一、若ものの23% (約1/4)は、食べ残しの再加熱方法 (温め方)を知らない。

 

 なお、食べ残し (残り物)の再加熱に当たっては、注意すべきことがある。「The Food Safety Authority of Ireland (アイルランド食品安全機関)」によると、

 

・食べ残し (残り物)の使用期限は 2 −3日。

・冷蔵庫で 0 −5℃で保存。

・再加熱温度は 75℃以上とし、できるだけ加熱時間を長くする。

・十分に火が通って、湯気が立ち上がっていることを確認。

 とくに、肉料理 (シチュー、キャセロールなど)は、3 −5分間沸騰させて、十分に火を通すこと。ただし、再加熱は一回だけとし、次回に持ち込まない。

 

 さらにRTEは、再加熱(温め直し)に必要な知識として、次の 5項目を挙げる。

 

1.Use the right equipment and preheat it:適切な調理器と予熱が肝心

 オーブン、グリル、電子レンジのいずれの調理器を使うにせよ、まずは、それが正常に機能することを確認する。なお、オーブンあるいはグリルで再加熱する場合は、その中に残り物を入れる前に、適切な温度に予熱しておくこと。

 とくに冷蔵庫から取り出したばかりの低温の残り物 (冷凍食品を含む)は、少し長めの加熱時間とする。

2.Stir food when using a microwave:電子レンジではよくかき混ぜる

 再加熱用の調理器として、電子レンジは便利だ。しかし、残り物をお皿に入れて電子レンジにスイッチを入れると、お皿の周辺部は高温になるが、中央部の温度は温まりにくいもの。このため、スープなどを温めるときは、一旦電子レンジを止めて、よく中身をかき混ぜてから電子レンジを再起動させると、まんべんなく一様に加熱することができる。

 

3.Only reheat meat once:肉料理の再加熱は一度だけ

 肉料理の残り物の利用は、一度だけの再加熱に留める。それも、肉に十分に火が通っていることを確認する。

 もちろん、ひき肉などの冷凍食品でパスタをつくって、その残り物を冷蔵庫で保管することには、なんら差しつかえない。

4.Be really careful with rice:ご飯の食べ残しに注意

 ライス (ご飯)の残りを冷蔵庫で保管したときは、それを24時間以内に食べ切ってしまうこと。その理由は、「bacillus cereus (セレウス菌)」を繁殖させないためだ。

 この菌は常温で急激に繁殖し、しかも耐熱性が高いため、食中毒(food posining)を引き起こすことが多い。

 冷蔵庫が普及する以前の日本では、子どもたちのほとんどが、この食中毒でおなかを壊した。

 

 なお、ライス (ご飯)の残り物はできるだけ早く冷蔵庫に入れ、電子レンジで温め直すときは、湯気が出るくらいの高温で、少し長めに加熱すること。

 また、弁当などの持ち帰り調理は、製造日、製造時間を確認し、できるだけ、購入した、その日に食べ切るのがベスト。ライス類の調理済み食品は、製造段階で、すでに再加熱した具材を使用していることが多いからだ。

 

5.Serve immediately:再加熱後にすぐ食べる

 再加熱 (温め直し)した残り物は、時間を置かず、すぐに食べてしまうこと。冷えてしまうとバクテリアが繁殖し、食中毒のリスクが高くなる。

 

おわりに:「温め直す」の言葉には、「沸騰するほど煮込む」の意味合いが薄れている。しかし、ご飯や肉料理の「再加熱 (reheating)」では、十分に火を通すことが大事だ。また、冷蔵庫を過信しないこと。残り物は、できるだけ早く食べてしまうこと。そして、なによりも大事なことは、健康で、美味しい食事ができることに感謝することだろう。

              (写真は添付のRTE Newsから引用)

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