ヒロシのWorld NEWS

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ネス湖の水位が下がった?:そんなことで「ネッシー」は驚かない! (BBC-News, July 2, 2021)

Loch Ness at Dores

 スポーツ競技で名を馳せたいと願う 若もの達の間で、一流選手を称える言葉がある。それが「レジェンド (Legend)」だ。

 しかし、そのLegend (伝説)の王様候補は、なんと言っても「Nessie (ネッシー)」にかなうものはいない。その名前だけで、巨額の観光収入をScotlandにもたらした。

 

  恐竜の生き残りかと騒がれた、その怪獣のすみかは、Scotland北部「Highland (ハイランド地方)」に広がる「Loch Ness (ネス湖)」。

 長さ約35km、最大幅約 3kmと細長い淡水湖ながら、水深は最大270.9mもあり、UK全土で最大の貯水量 74.52億m3を誇る。

 

 その Loch Nessの北端から北東の方角に当たる都市「Inverness (インヴェネス)」に向かって、約10kmにわたり延びるのが「River Ness (ネス川)」だ。

 

 ところが、このネス川の水面が急激に下がった。ネス湖の水位が、2016年に観測ステーションを建設して以来、最悪の水準まで下がったことが原因だ。

 この数ヶ月、例年にないほど雨が少なく、乾燥した天気が続いて、Scotlandのネス湖周辺の集水域 (Ness catchment)が干上がってしまったのだ。River Ness

 このまま、雨の降らない日が続くと、ネス川のサーモン・マスの生態に深刻な影響を及ぼしかねないと言う。川の水が減って浅瀬が多くなれば、水温が上昇し、水中の酸素濃度は低下し、おまけに魚に寄生するカビが繁殖する。

 

 これまでは、ネス湖の冷たい水が常に流れ、流域の水温を下げていたが、それが止まると、思わぬところに被害が波及する。このところの異常気象がネス湖一帯にも「異常」をもたらしたとは、驚きだ。Glendale, Skye

おわりに:雨は、ほどほどにしてほしいもの。しかし、それは人間の望むところであり、お天とうさまの考えは違うようだ。さて、ネッシーはこの異常な暑さに目を覚ますだろうか。それとも、体にカビが生えて困っているだろうか.....。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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リエントリー症候群:コロナ感染が不安・ウツを煽(あお)る! (RTE-News, May 27, 2021)

We are all looking forward to the end of the pandemic, but as a reader writes, some will find the return to normality will be a stressful experience.

Ⅰ.Maryが Dr Eddie宛に手紙を送った。

 

 こんなことは、今まで経験したことがなかった。このところ、不安と鬱(うつ)にとらわれて、そこから抜け出せない状態がつづく。Covid-19に感染するかも知れないと、気がかりで仕方がないのだ。私は、外出するとき、いつもマスクをしているのに、周りを見ると、マスクをしていない人もたくさんいる。

 以前は、あんなにアクティブで、なにかと忙しくして、明るい性格だったのに、今は家の中に閉じこもり、息子に会いたいとも思わない。こんな状態では、たとえワクチンを打っても、今後の人生がずっと暗いものになるのでは、と心が休まらない。

 

Ⅱ.Dr  Eddie Murphyの返信

  

 Covid-19が社会にもたらしたものは

 

・feelings of loss:喪失感

・fear and sadness:恐怖と悲しみ

 

 人によって、心のなかに ぽっかり穴 (dips)があいたような気分にとらわれ、次のような症状に陥る。

 

・loss of sleep:睡眠不足

・overeating:過食

・too much alcohol:お酒の飲み過ぎ

・tension and worry:緊張と不安

 

 さて、Covid-19感染防止に向けた行動制限が緩和される方向に向かい、人々は3蜜を避けながらも「re-entry society (社会との関わりの再開)」が迫られる。

 そこに、「re-entry anxiety (リエントリー症候群)」が襲いかかる。この精神疾患には2つのタイプがあって、

 

・Covid-19に感染するかもしれないという、心の中に隠れた恐怖 (lurking fear)が働いているもの。

・他人との関わり (socialising)を絶った人が、元の交友関係に戻ろうとしても、戻れないでウズウズしている状態。

 

 いずれの場合も、

・uncertaintity:不確かさ

・a fear of unknown harm:未知のウイルスの恐怖

 が原因だ。

 

 「re-entry anxiety」に取り憑かれた人にとって、「unclear and fast changing public health advice (政府の、不明確で、常にクルクルと変わる公衆衛生上のアドバイス)」は役に立たない。以下の内容を参考にして欲しい。

Ⅲ.Tips to combat  re-entry anxiety:そんな状況から抜け出るためのコツ

 

1.Take baby steps:ちょっとだけ、前に進む

 家の中に閉じこもっていては、不安がつのるだけ。大切なことは外に出かけることだ。混雑する時間帯を避けて、公共交通機関を利用したり、換気の行き届いた部屋で息子/娘に会ってみたり、買い物に出かけたりと、少しずつ、足を運んでみよう。

 

2.Breathe:腹式呼吸に挑戦

 不安スパイラル(anxiety spiral)に引き込まれそうになったら、ゆっくりと腹式呼吸をしてみる。

 

3.Start now:すぐに始めよう

 お付き合い (socialising)は やめてもいいが、それが永久に (indefinitely)とはいかない。人は他人との関わりを断って、ひとりでは生きてゆけないのだ。今すぐに、自分に問いかけてみよう、「To be, or not to be.(このままでいいのか、それとも よくないのか)」と。答えは自分で見つけるしかない。

4.Support:ひとりで がんばらない

 「心の不安は、何が原因で、どうすれば、その不安を少しでも緩和することができるか」。ひとりで悶々としていても、その答えは見つからない。親しい友だちや家族と一緒に考えてみよう。少なくとも、今の自分が抱える心の悩みを口に出してみることだ。専門医に駆け込むのは最後の手段。

おわりに:ドイツでは、Covid-19に感染し、回復した人の約 6%が後遺症に苦しんでいるという。決して少なくない数値だ。近所にそんな人が現われたら、不安に襲われるのも無理がない。コロナは野生のクマと同じ。近づかない限り、危害を受ける心配はない。今は「獰猛なウイルス」を甘く見ないことが肝心だ。

                        (写真は添付のRTE Newsから引用)

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渡り鳥の目には地球の磁場が見えた!:驚くべき、そのメカニズム (BBC-Science, June 24, 2021)

Robin

 6月の天候は異常だった。カナダが熱波に襲われ、ドイツで大雨が降って洪水となり、フランスでは雹(ひょう)が道路を埋め尽くした。そして、沖縄が集中豪雨に見舞われる一方で、北日本はカラ梅雨。さらに、UK、ロシアでは、異常気象の被害が見られないものの、インド型(デルタ株)コロナウイルスが猛威を振るう。

 

 世界中が異常気象、Covid-19、不安定な政情に振り回されながらも、時間は刻々と過ぎてゆく。あと、3ヶ月も経てば、また、北のシベリアから白鳥や雁が飛来するのだ。

 

 渡り鳥 (migratory birds)たちは、どうやって方角を知り、夜も昼も、雨天のときも、間違いなく飛び続けることができるのだろうか。

 一説によると、渡り鳥には「Earth's magnetic field (地球の磁場)」を感知できる能力があるとも、星座を読み取る能力があるとも言われて来た。

 

 ところが、Oxford大学の Peter Hore教授らの研究グループは、渡り鳥の一種「European robin (ヨーロッパコマドリ)」について調査研究を重ねた結果、ついに、その秘密は、渡り鳥だけが持つ、目の網膜 (retire)の特殊な働きに隠されていることを突き止めた。(研究の詳細は科学雑誌「Nature」に発表。)European robin

 光が目の奥の網膜に当たると、「cryptochrome molecule (クリプトクロム分子)」内で電子 (electrons)を励起し、ごく短時間ながら「high energy radical (高エネルギー遊離基)」を発生させる。実は、これが極めて感度の高い「magnetic compass (磁気コンパス)」の働きをしていると考えられると言うのだ。

 つまり、渡り鳥には、磁場の方角 (南北の方位)が見えることになる。

 

 ただし、この「living compass (生きたコンパス)」のメカニズムを十分に解き明かすためには、さらに研究が必要とのこと。

 

おわりに:人間が磁気コンパスを発明したからたと言って、威張ることはできなかった。渡り鳥には、人の姿ばかりか、磁場も見えていたのだ。地球上のどこかに、人間の心だって見える動物が存在するかも知れない。

                         (写真は添付のBBC Newsから引用)

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悪魔の血が流れるカササギ:でも「おまじない」で吉の鳥に! (RTE-News, June 24, 2021)

STOP THE COUNT!

 古い言い伝えにこんなことがある。『カラスが屋根の上や家の近くでガアガア、カーカー啼き叫ぶのは、人が亡くなったり、不幸なことが起こる前ぶれ。』

 

1.縁起の悪い、不吉な鳥

 UKにも、同じような「迷信 (superstition)」がある。ただし、不吉な鳥はカラスではなく、カラスよりも一回り小さい「magpies (カササギ)」だ。

 

 この鳥の名は「mag (やかましく啼くの意)」と「pie (玉虫色の意)」の合成語。肩羽と腹部が白、他は黒光りした羽毛で覆われた姿で、やかましく啼く。

 一見、白と黒の鳥のように見えるが、その黒い羽をよく見ると、「purple-blue & green (紫青色に緑が入った)」不気味な玉虫色の黒 (iridescent black)だ。

 

2.なぜ、凶の鳥

 その鳥の姿が、まるでお葬式 (funerals)に参列するかのような装いで、恐怖を感じるが、それ以外にも、カササギが忌み嫌われる理由がある。

 

・キリストが十字架に掛けられたとき (at the time of crucifixion of Jesus)、その喪に服せず、弔意(ちょうい)も示さなかった。

ノアの方舟 (the ark with Noah)に載せてもらえなかった鳥。世界が水の底に沈み行くとき、方舟(はこぶね)のてっぺんに停まって、罵(ののし)っていたとされる。

・宝石に限らず、光るものならなんでも好きで、これを盗んでは収集するクセがある。その上、その悪知恵を働かせて、他を欺(あざむ)く。

・植物、タネ、動物の死肉など、何でも食べる雑食性 (omnivorous)。

 

 だから、カササギには、おそらく悪魔の血が流れているに違いないと信じられた。

 

3.凶を吉に変える「おまじない」

 いかに悪魔の血が混じったカササギと言えども、この鳥に「おべっか」を言い、敬意を払う人には、不運 (bad luck)をもたらさないと信じられた。そのための「おまじない」があった。

・帽子をとるか、会釈する。または手を振って敬意を示す。

・「一羽のカササギは凶、でも二羽は吉」との言い伝えがあるので、一羽のときは見て見ぬ振りをし (wink)、心の中で、あれは二羽だと思い込むようにする。

カササギが一羽なら、腕をバタバタさせて、カササギの真似をし、あたかも、その場所に二羽いるかのように振るまう。

4.カササギのわらべうた (magpie nursery rhyme)

カササギのわらべうたで、記録に残る最古の歌は1780年の版。

One for sorrow,

Two for mirth,

Three for a funeral,

Four for a birth.

 

1羽 哀々

2羽 喜楽

3羽で死んで

4羽で生まれ

 

しかし、その後、たくさんの変形版が登場する、

One for sorrow,

Two for joy,

Three for a funeral,

Four for birth,

Five for heaven,

Six for hell,

Seven for the evil, his own self.

 

1羽 哀々

2羽 喜楽

3羽で死んで

4羽で生まれ

5羽で天国

6羽で地獄

7羽が悪魔の、お前さま



One for sorrow,

Two for joy,

Three for a girl,

Four for a boy,

Five for silver,

Six for gold,

Seven for a secret never to be told.

 

1羽 哀々

2羽 喜楽

3羽で女

4羽が男

5羽のシルバー

6羽でゴールド

7羽は秘密だ、言えないやつさ

 

おわりに:イギリスのわらべうた「Mother Goose」を楽しむなら、次の一冊を勧める。挿絵がすばらしい。

・Raymond Briggs: The Mother Goose Treasury (Picture Puffin), Puffin Books, 1966

 

                    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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窓ガラスがピッカピカに:これが窓拭きプロのワザ! (RTE-News, June 23, 2021)

It's a dirty job, but somebody's got to do it, says Claire Spreadbury.

 窓のない部屋は息苦しいし、窓があっても、窓ガラスが汚れていては、うっとうしい。きれいになるものは、ピカピカにすると気分がいい。心が晴れる。

 

 そうは分かっていても、窓ふきはたいへんな大仕事 (elbow grease)。それに、がんばっても、期待したほど、きれいにならないことだってある。

 

 そこでRTEが、窓ふき職人 (pro)のワザを次に紹介する。

 

1.Where to start:どこから始めたら良いか

 窓ふきは内側 (室内側)から始める。お掃除時間が限られているなら、窓の内側だけにして、外側は後日に回しても構わない。一度に全ての窓をきれいにする必要はない。また、窓ふきは15分間だけと決めて、数回にわたって作業を進めることも選択肢の一つ。

 窓ふきの要領は

・「warm soapy water (洗剤を溶かしたお湯)を含ませたスポンジと「sqweegee (窓ふきワイパー)」を使って、窓ガラスのパネルごとに汚れをとる。

・次に、ウィンドウ・クリーナー (スプレー式)または「steam cleaner (スチーム・クリーナー)」をかける。

マイクロファイバー・クロスで最終仕上げ

 

2.Clean the outside:外側の窓ふき作業

 高い位置の窓のクリーニングには注意が必要。ハシゴを使った窓ふき作業は、とかく、無理な姿勢を取りがちになるため、とくに危険。

・「sniper nozzle (スナイパー・ノズル)」を使うと、高さ 8mまで洗剤 (クエン酸塩、界面活性剤入り)を含んだ水を噴出させることができる。

・伸縮式ポールに窓ふきワイパーがついたものも便利だ。

 

おわりに:室内、屋外の別に関わらず、窓ふきには、ハシゴを使わないほうが無難。窓ふきは楽しく、気軽に、安全に進めることが大事。そして、ピカピカになった窓から外を眺める。まるでガラスがないような錯覚に見舞われるはずだ。

                (写真は添付のRTE Newsから引用)

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優しくて、せい高のっぽのキリン:もっと、知っておきたいこと! (RTE-News, June 21, 2021)

Good grief they're weird.

 小顔に、スラリと伸びた首と優しい目。でも、どこか、もの悲しい表情をして、いつも、ゆっくりと口をモグモグさせている動物と言えば、キリン (giraffes)。

 動物園でこのキリンがいないと、動物園と呼べないほど、子ども達に親しまれている動物だ。6月21日は「World Giraffe Day」だった。

 

 この日に因んで、RTEは、一般の人によく知られていないキリンにまつわるトピックスを紹介する。

 

1.No two giraffes look alike:2つとない斑点模樣

 キリンの斑 (まだら)模樣は、どれ一つとして、同じものがない。それは人間の指紋 (fingerprints)と似ている。 

  動物保護管理者にとって、個体の識別手段として大いに役立っている。

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2.Giraffes need barely any sleep:ほとんど眠らない

 のっぽのキリンは、いつも悠然と歩く。でも、危険が迫ったときは、時速56kmで走ることもできる。

 ところが、睡眠時間が驚くほど短い。1日30分も眠れば十分とか。睡眠と言っても、もちろん立ったままの姿勢で、首を後ろに回してお尻の上に載せ、 うたた寝をするのだ。このとき、群れの中の、少なくとも一頭は、見張りの番をするとか。

Nat Geo Wild Giraffe GIF by Savage Kingdom

 

3.Giraffes have extremely high blood pressure:極端に血圧の高い動物

 足の先から頭までの身長が約 5mのキリンだ。なみの心臓では全身に血液を送ることができない。だから特別の血液循環システムを持っている。血圧は人間の約 2倍。

 

4.They can do everything standing up:なにをするにも、たったまま

 キリンにとって、一生の間に横になるのは、生まれて間もない30分間、長くて 1時間だけ。睡眠、食事、交尾、出産など日常生活の全てが立ちっぱなし。

 その背の高い堂々とした体格は、ちょっとやそっとで動じない。ライオンすなわち「the most sannnah predators (頂点サバンナ捕食動物)」が近づかない限り。

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5.Nasa used giraffes to study space:NASAがキリンの生理システムを研究

 なんとキリンの生理システムが宇宙工学の発展に寄与していると言う。

 宇宙飛行士が地球に帰還すると、ヨロヨロして一人では立ち上がれない。それは、生まれたときのキリンの姿に似ている。そこで、キリンの血液循環システムが研究され、それが宇宙服の改善・開発に役立っているそうだ。

 

6.They have the same number of neck bones as humans:頚骨 (けいこつ)の数は人間と同じ

 キリンと人間の共通点は、ともに、首の頚骨 (vertebrae cervicales)が 7個であること。ただし、キリンの頚骨の1ヶの長さは約 25cm。その足のサイズは まるでディナー皿、目はゴルフボールの大きさで、心臓は幅 60cmもある。

 

7.Males suse their necks for fighting:オスの首は戦いの武器

 キリンの首は、他の動物が手の届かない、高い木の枝の先の新鮮な葉っぱを独り占めできるように進化した。もちろん、首が長いと、敵の発見にも都合が良い。

 けれども、その首の威力を発揮するのは、繁殖期のオス同士の、メスを巡る戦いのときだ。首をムチのように振り回して、相手の首に攻撃を仕掛ける。だから、首が傷だらけのキリンは、これまで、修羅場をくぐり抜けてきたツワモノとなる。Giraffes Fighting GIF by hero0fwar - Find & Share on GIPHY

8.Julius Caesar brought the first graffe to Europe:シーザーのペット

 はじめて、古代ローマ帝国にキリンを連れ込んだのは、Julius Caesar。BC46年のことだ。そのときの記録によると、キリンを「cammelopard」と呼んでいる。「camel (ラクダ)」と「leopard (ヒョウ)」との「hybrid (合いの子)」という意味だ。

 

 

 なお、キリンは黄色と思っていたら、ピンクの楽しいキリンだっていたのだ。ぜひ、一読を。

・中川李枝子 作、中川宗弥 画:ももいろのきりん、福音館書店、1965

 

   また、キリン(giraffe)の絵本と言えば、Roald DahlとQuentin Blakeの作が群を抜いている。私の宝物の一つだ。

・The Giraffe and the Pelly and Me, Puffin Books, 1985

 

おわりに:動物園 (Zoos)やサーカス団に飼われている動物は、幸せだろうか。もし、キリン、シマウマ、ライオンに「welfare」の感情があるとすれば、さぞかし、ふるさとのサバンナに帰りたいことだろうに。人間は罪なことをする生物だ。

   (写真は添付のRTE Newsから引用)

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オリオン座の不吉の赤い星ベテルギウス:急に暗くなって爆発か? (BBC-Science, June 18, 2021)

Images over time of the star

 小さな子どもまで知っている「Constellation of Orion (オリオン座)」は、夜空にひときわ目立つ星座の一つ。そのオリオンの左肩で、赤っぽく輝く星がある。一等星の「Betelgeuse (ベテルギウス)」だ。英語では「ビールジュース」と発音する。

 

 星の「赤っぽい」色も怪しげだが、さらに気味の悪いことに、この星の明るさは一定しておらず、およそ400日周期で、明るくなったり、暗くなったりを繰り返す「semi-regular variable stars (半規則型変光星)」だ。このため、不吉の星ともささやかれた。Artwork

 恒星ベテルギウスの質量は太陽の15− 20倍、その直径は995倍とされ、地球から約550光年の宇宙のかなたにあって、星の末期を迎えた「red supergiants (赤色超巨星)」。いつ爆発してもおかしくない星だ。

 そのベテルギウスの明るさが、2019年の暮れ、突然暗くなった (abruptly darkened)。

 

 そこで、天文学者 Miguel Montargèsらの研究グループは、ヨーロッパ南天文台の超大型望遠鏡VLTで捉えた映像を解析し、その「Great Dimming (大規模減光)」のなぞを探った。その結果、絞られた原因は二点。

 

 その一点目はこうだ。一般にベテルギウスのような赤色超巨星には、巨大な「対流セル (convective cells)」が存在し、これが恒星表面に「hot spots」と「cool spots」を生み出している。今回、たまたま、地球から観測される側に「cool spots」が移動したと考えられる。

 あるいはまた、地球とベテルギウスとの間の宇宙空間に、「clouds of dust (ダスト雲)」が入って、ベテルギウスが薄暗くなった可能性もある。

 

 ベルギーの「KU (Katholieke Universiteit) Leuven(ルーベン・カトリック大学)」の研究者 Ms Emily Cannonによると、おそらく、その二つが重なって起きた現象。

 つまり、ベテルギウスで「cool spots」が出現し、それがガスの噴出を促して、ベテルギウスの周りにダストを撒き散らした。たから、はじめに、ベテルギウスの明るさが落ち、次に、高濃度のダストのせいで、その明るさがさらに急減した。

 

 さて、赤色超巨星のベテルギウスは、徐々に、その質量を失っている。これは、星の末期に見られる現象と考えられ、「supernova explosion (超新星爆発)」が近いとも言える。しかし、研究者はすぐに(少なくとも人類がこの世にある間?)は、起こらないだろうと見る。いつ、ベテルギウスが爆発するかは誰にも予測できない。

 

 なお、「Milky Way Galaxy (銀河系)」で起きた最後の超新星爆発は、1604年に観測された「Kepler's Star (ケプラー新星)」すなわち「SN1604」。当時の観測録によると、3日の間、日中でも、その明るさを確認できたたという。

 

おわりに:星占い師 (heroscopists)は、このベテルギウスの意味ありげな「啓示」をなんと見たことだろう。人間の争いに呆れ果てた「創造主のため息」。それとも「大災害の前触れ」。いずれにしても「未来が、または前途が明るい兆候」とは、どんな星占い師も断定できないに違いない。

                      (写真は添付のBBC Newsから引用)

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