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悪魔の血が流れるカササギ:でも「おまじない」で吉の鳥に! (RTE-News, June 24, 2021)

STOP THE COUNT!

 古い言い伝えにこんなことがある。『カラスが屋根の上や家の近くでガアガア、カーカー啼き叫ぶのは、人が亡くなったり、不幸なことが起こる前ぶれ。』

 

1.縁起の悪い、不吉な鳥

 UKにも、同じような「迷信 (superstition)」がある。ただし、不吉な鳥はカラスではなく、カラスよりも一回り小さい「magpies (カササギ)」だ。

 

 この鳥の名は「mag (やかましく啼くの意)」と「pie (玉虫色の意)」の合成語。肩羽と腹部が白、他は黒光りした羽毛で覆われた姿で、やかましく啼く。

 一見、白と黒の鳥のように見えるが、その黒い羽をよく見ると、「purple-blue & green (紫青色に緑が入った)」不気味な玉虫色の黒 (iridescent black)だ。

 

2.なぜ、凶の鳥

 その鳥の姿が、まるでお葬式 (funerals)に参列するかのような装いで、恐怖を感じるが、それ以外にも、カササギが忌み嫌われる理由がある。

 

・キリストが十字架に掛けられたとき (at the time of crucifixion of Jesus)、その喪に服せず、弔意(ちょうい)も示さなかった。

ノアの方舟 (the ark with Noah)に載せてもらえなかった鳥。世界が水の底に沈み行くとき、方舟(はこぶね)のてっぺんに停まって、罵(ののし)っていたとされる。

・宝石に限らず、光るものならなんでも好きで、これを盗んでは収集するクセがある。その上、その悪知恵を働かせて、他を欺(あざむ)く。

・植物、タネ、動物の死肉など、何でも食べる雑食性 (omnivorous)。

 

 だから、カササギには、おそらく悪魔の血が流れているに違いないと信じられた。

 

3.凶を吉に変える「おまじない」

 いかに悪魔の血が混じったカササギと言えども、この鳥に「おべっか」を言い、敬意を払う人には、不運 (bad luck)をもたらさないと信じられた。そのための「おまじない」があった。

・帽子をとるか、会釈する。または手を振って敬意を示す。

・「一羽のカササギは凶、でも二羽は吉」との言い伝えがあるので、一羽のときは見て見ぬ振りをし (wink)、心の中で、あれは二羽だと思い込むようにする。

カササギが一羽なら、腕をバタバタさせて、カササギの真似をし、あたかも、その場所に二羽いるかのように振るまう。

4.カササギのわらべうた (magpie nursery rhyme)

カササギのわらべうたで、記録に残る最古の歌は1780年の版。

One for sorrow,

Two for mirth,

Three for a funeral,

Four for a birth.

 

1羽 哀々

2羽 喜楽

3羽で死んで

4羽で生まれ

 

しかし、その後、たくさんの変形版が登場する、

One for sorrow,

Two for joy,

Three for a funeral,

Four for birth,

Five for heaven,

Six for hell,

Seven for the evil, his own self.

 

1羽 哀々

2羽 喜楽

3羽で死んで

4羽で生まれ

5羽で天国

6羽で地獄

7羽が悪魔の、お前さま



One for sorrow,

Two for joy,

Three for a girl,

Four for a boy,

Five for silver,

Six for gold,

Seven for a secret never to be told.

 

1羽 哀々

2羽 喜楽

3羽で女

4羽が男

5羽のシルバー

6羽でゴールド

7羽は秘密だ、言えないやつさ

 

おわりに:イギリスのわらべうた「Mother Goose」を楽しむなら、次の一冊を勧める。挿絵がすばらしい。

・Raymond Briggs: The Mother Goose Treasury (Picture Puffin), Puffin Books, 1966

 

                    (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie