かぜ、インフルエンザ、花粉症:その違いをどうやって見分ける?(RTE-News, Nov 7, 2023)
木(こ)の葉が風に舞う 爽やかな秋 (crisp autumn)。一年中でもっとも過ごしやすい季節だ。
ところが、地球温暖化のせいで、これまでの秋のようすが違ってきた。10月、11月になっても夏の暑さが続いたり、大雨、嵐がひっきりなしに押し寄せるようになった。植物にも異変が現われた。雑草が枯れずに花粉を飛ばすのだ。その代表格が、
・Rogweed:ブタクサ
・Mugwort:ヨモギ
・Japanese hop:カナムグラ
実は、この秋から初冬にかけての「おそまきながら」の花粉症 (hay fever)が、やっかいだ。なにしろ、どちらもくしゃみ・鼻水が止まらず、からだにも力が入らないとあっては、かぜ (cold)なのか、インフルエンザ (flu)なのか、それとも花粉症なのか、症状がよく似ていて、三者の区別がつかないのだ。
そこで、 Nottingham Trent大学の Dr Samuel J. White & Prof Philippe B. Wilsonは、「a cold, flu or hay fever」の症状の特徴と違い、ならびにその見分け方を簡潔にまとめて医学雑誌「The Conversation」に発表した。以下はその要約版だ。
1.How symptoms compare:症状の違いを知る
1.1 かぜと花粉症
くしゃみ、鼻水、鼻詰まりは、かぜ (cold)にも花粉症 (hay fever)にも見られる症状だ。ただし、両者の根本的な違いは、
[ hay fever ]
・itchy, red, watery or puffy eyes:目が赤く、痒く、涙目や腫れ目になる
・itchy throat:のどの痛み
[ a cold ]
・throat feels sore:のどの痛み
・cough:せき
にある。
1.2 インフルエンザとかぜ
インフルエンザ (flu)と花粉症 (hay fever)の症状が重なることはほとんどないので、まず、両者をとりちがえることはないが、むしろ、まぎらわしいのは、かぜ (cold)とインフルエンザ (flu)の区別だ。そのどちらも「せき (cough)」を伴い、他にも
・sore throat:のどの痛み
・sneezing:くしゃみ
・running nose:鼻水
・chills:寒気(さむけ)
・fatigue:疲れ
・body aches:からだの痛み
などの症状を共通にするが (ただし、人によって症状が違うこともあるので注意)、インフルエンザの顕著な症状として
[ flu ]
・fever:発熱
・gastrointestinal symptoms( vomiting or diarrhoea):胃腸症状 (吐き気、下痢)
1.3 一時的ながら味覚・嗅覚を失ったときの判断
この症状のとき
・blocked nose (鼻詰まり)なら → hay fever
・your nose isn’t blocked なら → a cold or flu
2.Supporting your immune system:免疫システムをサポートする
かぜ、インフルエンザ、花粉症のいずれであっても、その予防の第一は、科学的に裏付けのある方法で免疫力を高めることだ。
2.1 Bolster your gut:腸内細菌叢の強化
免疫力は、おなかにある。そこで
・amino acids
・vitamines
・minerals
・fibre
が豊富な食べ物を摂取し、加えて「probiotics (プロバイオティクス)」の
・Lactobacillus (ラクトバシラス [乳酸菌])
・Vifidbacteterum (ビフィズス菌)
を食べると、免疫力が強化され、たとえ体調を崩し (ailment)ても、症状の悪化が緩和される。
2.2 Avoid smoking and alcohol:タバコとお酒を控える
お酒の飲み過ぎとタバコは免疫力を弱めるだけだ。夜、レストランなどで「Even just five or six dirnks (お酒を5、6杯飲んだだけで)」、その後、最大24時間、免疫力が低下する。
2.3 Priotise sleep:睡眠第一
炎症 (inflamation)を抱えて、からだが弱っているときは、睡眠が何よりも大事だ。少なくとも7時間の睡眠が必要になる。また、睡眠時間が少ないと「common illness (よくある病気)」に罹りやすくなる。
2.4 Mnage stress:ストレス対策
ストレスホルモン「cortisol (コルチゾール)」は免疫細胞の機能を低下させるとともに、血液中の「histamine levels (ヒスタミン濃度)」を上昇させて、「allergy symptoms (アレルギー症状)」を悪化させる。
ストレスの解放には「mindfulmess (マインドフルネス療法)」が効果的。
2.5 Exercise:運動
運動といっても、免疫力を高めるための運動は、少し汗ばむ程度の「moderate-intensity physical activity」の
・brisk walk:早歩き
・ballroom dancing:社交ダンス
がおすすめだ。ただし、くれぐれも、運動し過ぎ (long, intense exercise)にならないように。からだがヘトヘトになっては、かえって免疫力が低下する。
2.6 Get your jab:ワクチン注射
それでも心配なら、
・Vaccination is vital.(ワクチンが不可欠)
ただし、ワクチンを打っても「preventative measures (予防対策)」を忘れてはいけない。
・washing your hands:手洗い
・wearing a mask in busy, indoor spaces:人通りの多い場所、屋内ではマスクを
3.Additiona measures to prevent allergy symptoms:その他の花粉症対策
3.1 Avoid allergens:アレルゲンを避ける
まずは、自分のからだが反応するアレルゲンを知ることだ (血液検査でわかる)。そして、花粉飛散情報を常にチェックして、
・花粉量が多いときは外出を控える
・窓は開けない
・室内で空気清浄機を使用する
・N95マスクを着用する
3.2 Antihistamines:抗ヒスタミン薬
市販の抗ヒスタミン薬 (over-the-conter antihistamins)
・cetirisine:セチリジン
・ioratadine:ロラタジン
が花粉症に有効。理想的には、花粉が飛散する前から服用し、花粉シーズン中は飲み続けることが求められる。その際には、専門医のガイダンスを受けること。
3.3 Consider immunotherapy:免疫療法
花粉症はアレルゲンに対する過剰な免疫反応だ。これを和らげる「allergy shots」が免疫療法 (immunotherapy)だ。ただし、その効果を引き出すためには、複数回の注射が必要となる。
おわりに:どんなに注意しても、かぜを引いたり、インフルエンザに罹ったりするものだが、軽い症状のうちに、適切に対処することが肝心だ。そして、たとえウイルスが体内に侵入しても、これに打ち勝つことができるように、日頃から免疫力を高めておくことだ。
(写真は添付のRTE-Newsから引用)