ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

増え続ける花粉症:なぜ、こうも悩まされるようになったか? (RTE-News, Apr 2, 2021)

Pollen itself isn't usually dangerous, its only when it enters the body that it starts to cause trouble.

 花粉症 (pollen allergies)を英語で「hay fever (干し草熱)」とも言う。その昔、人々は、夏の間の干し草の匂いのせいで、体が痒くなると信じていたためだそうだ。

 

 日本では、3月になるとスギ花粉が飛び始め、5、6月にはカモガヤ、ヤナギガヤなどのイネ科の雑草の花粉が猛威を振るう。そして梅雨があけると花粉シーズンも終わる。

 しかし、Ireland の花粉シーズンは 1月末から10月まで続くと言う。1月から 5月にかけて、主に「birch (カバノキ)」の花粉が空中に舞い上がり、他にもalder (ハンノキ) , hazel (ハシバミ), oak (オーク)などの樹々もアレルゲンとなる。その後の夏から秋には、「grass pollen allergies( 雑草の花粉アレルギー)」で悩まされる。

 

 花粉症は、草木の花粉を吸い込んだとき、免疫システムがこれに過剰に反応して、炎症の発現に関与する「histamine (ヒスタミン)」や「antibodies( 抗体)」を体内につくりだすために起こるもの。

 

 その主な症状 (symptoms)は

・blocked/running nose:鼻水・鼻詰まり

・sneezing:くしゃみ

・itchy eyes:目の痒(かゆ)み

・coughing:咳(せき)

・headaches:頭痛

 

 なお、ヨーロッパでは、50年前まで、「hay fever」が話題になることなど、ほとんどなかっという。しかし、今では、ヨーロッパ人の約30%がなんらかの花粉アレルギーに悩まされ、この状態が続くと、2060年にはヨーロッパ人の60%以上が花粉アレルギーになる可能性も出て来た。

 

 なぜ、こうも花粉アレルギー (pollen allergies)が蔓延するようになったのか。その原因として

・大気中のCO2濃度の上昇が、植物の花粉量を増やした

地球温暖化に伴って花粉シーズンが長期化するようになった

・大気汚染物質 (デーゼル・ガソリン車の排気ガスなど)が「priming effect (プライミング効果)」として働き、人々がアレルゲン (花粉) に対して敏感になった

 

などが考えられる。

 

 さらに、過去40年間、Irelandでは、「birch pollen concentrations (カバノキ花粉レベル)」が上がりっぱなしで、昨年は、1950年代以降最大の花粉飛散量を記録した。

 

 花粉症は「sinuses (副鼻腔)」に炎症を引き起こす他、「asthma (ぜん息)」などの「respiratory diseases (呼吸器系疾患)」の症状を悪化させる危険性がある。

 

 さらに、花粉症に罹らない人であっても、大気中に飛散している花粉によって、人間の免疫システムが弱体化し、「viral infection (ウイルス感染)」の発症リスクが高まる。

 現に、大気中に飛散する花粉濃度レベルと、C0VID-19 (新型コロナ)感染率との間には、正の相関があるとの研究結果が報告されている。

 

おわりに:花粉症の人は、まず、その原因となる植物の種(しゅ)を特定し、花粉の飛散する時期を知ることが大切。そして、アレルギー性鼻炎や喘(ぜん)息などの症状を悪化させないように、健康に注意し、梅雨あけをひたすら待つしか方法がない (It's nothing to wait for the time.)

                         (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie