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エベレストの氷河が減退:大規模自然災害、水・食料不足の前兆か? (BBC-News, Feb 4, 2022)

Mount Everest and the South Col glacier

 地球上で最も標高の高い氷河 (glaciers)はエベレストの「The South Col Glacier (サウスコル氷河)」。海抜7,906mの位置にあって、約2000年をかけてつくられた氷河だ。

 その氷河の「snowpack (氷原)」が、過去25年の間に 54m (180ft)も薄くなった。氷河の融解スピードは、氷河がエベレストに出現した当時に比べて約80倍も早くなったとされる。

 

 このまま氷河が融け続けると、やがて、岩肌を覆う氷が、グリーンランドのように岩屑で汚れはじめ、それが太陽の強い日差しを受けて、さらに氷河の融解を加速させるのは必定。すでに、「サウスコル氷河」は、地球氷期の「relic (遺物)」になりつつある。この氷河が完全に姿を消すのも、時間の問題だ。

 

 Kings College London大学の Dr Tom Mtthewによると、このエベレストの異変は、単にヒマヤラ山脈の気候変動によるものではなく、地球全体が大気圏の温度を徐々に上げてきた来た結果であり、すでに「threshold (しきい値)」を超えていて、いつ、全てが急変してもおかしくはない状態。

 

 なお、Dr Paul Mayewekiをリーダーとするエベレスト遠征隊 (expendition team)は、研究者10名で構成され、サウスコル氷河に2基の「weather monitoring stations (気象モニタリング観測所)」を設置し、さらに氷河にボーリングを行なって、長さ約 10mのコアサンプリングを採取している。

 

 エベレストに起こっている気象の異変は、やがて地球全体に起こる前兆でもある。

 またヒマラヤ山脈の氷河は、その周辺に暮らす数百万人を支える大事な水資源だ。地球の屋根 (the roof of the world)から氷河が消えたなら、飲み水、灌漑用水の確保が難しくなり、その先に食料難・飢饉が待ち受ける。

 

 一方、エベレスト登攀は、多くの登山者の夢。近年はその頂上付近が登頂待ちの登山者で渋滞するほどだという。しかし、その登山も、エベレスを覆うぶ厚い氷が消えて、岩肌が露出すると、登攀はますます危険で困難を極めるようになるとか。

 

おわりに:エベレストは、そこに雪・氷があるから美しい。7,000m級、8,000m級の峰々の岩肌から雪・氷が融け出し、北極・南極の氷が融ける。その結果、海面が上昇する。そこに、大規模な異常気象によって生じた嵐が加わると、これまで以上に海岸の浸食は激しくなり、低地は水没する。さらに、新鮮な飲み水が確保できなくなったなら、病気が蔓延し、衛生環境の悪化は避けられないだろう。太陽系第3惑星 地球は狂いだしたのだ。 

                        (写真は添付のBBC Newsから引用)

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