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富士山に匹敵するイギリスの山 Mt Hope だって!:どこにあったの? (BBC-Science & Environment, December 11, 2017)

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 今から 5千万年~1億年前に太平洋のプレートが南極大陸に衝突して、その下に潜り込んだ。このときに起きた地殻変動で大陸が隆起し、南極半島 (Antarctic Peninsula)一帯の Mt Hope, Mt Jackson, Mt Vinson をはじめとする標高 3,000mから 4,000m級の山々が、南極大陸の各地に形成された。
 ところが、近年の地球温暖化に伴って、南極大陸を覆っていた氷河や氷棚 (ice sheets)が融け始めると、山脈には深い溝ができ、そこを通って大量の土砂や氷が海に流れ込むようになった。すると、荷重を失った大陸の地殻は跳ね返り、山々の標高に変化が現われる。
 このように、地球物理学者 (geophysicist) の Dr Tom Jordanは説明する。

現在、南極大陸の一部は上昇を続けていて、このまま進むと、将来、標高5,000m級の山が出現する可能性も出てきた。
 「The British Antarctic Survey (英国南極観測局BAS)」は、AmericaのDigitalGlobe社の
地球観測衛星「WorldView-2」から撮影した衛星写真に基づく「photogrammetry (写真測量法)」で、南極半島一帯の正確な地形・標高を測定した。

 すると、南極半島の Mt Hopeは、南極大陸最高峰の Mt Vinson (4,892m) に及ばないものの、隣に聳える Mt Jackson (3,184m) よりも標高の高い3,239mであることが分かった。
 今回の測量調査について当局は、南極大陸の上を飛ぶパイロットの航行安全上の理由からと説明する。
 

https://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/147DC/production/_99123938_antarctic_british_mountain_640-nc.png

 なお、イギリスは「South Pole (南極点)」を基点とする北西4分円 (quadrant) ならびにそれを延長した南米大陸南端の「South Georgia (サウス・ジョージア)」に至る地域を自国の「領土 (territory)」と主張する。したがって、Mt Hopeはイギリス領で最も高い山ということになる。
 イギリスに限らず、過去の南極探検の実績などを引き合いに出して、南極大陸に領有権を主張する国は、豪州、ニュージーランド、ノルウエー、フランスなど計7ヶ国。しかし、1959年の「南極条約 (Antarctic Treaty System)」によって、各国の領有権は全て凍結されている。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com