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道楽でライオン・ゾウを殺し:その剥製を居間に飾るなんて! (BBC-Science, Dec 9, 2021)

Animal trophies are brought into the UK each year

 道楽も、骨董、釣り、盆栽 程度であれば良いが、やたら小金を持ったばっかりに、意地を張り、欲を出して猟銃に凝りだすと始末が悪い。

 

 地球の反対側にあるUKでは、わざわざ南アまで出かけてライオンやゾウなどの野生動物を撃ち殺す殺戮(さつりく)が「Sport Hunting(スポーツ・ハンティング)」と呼ばれる。

 さらに、仕留めた動物を剥製にして自宅に飾るに至っては、人間の残虐性を極める。

 2015− 2019年の 4年間に限っても、「The Conservation on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引に関する条約 CITES)」に指定された動物の剥製335件が UKに輸入されている。Animals including elephants are hunted for trophies to be displayed in the UK

 しかし、「泥棒にも三分の理」と言うが、非理屈はどうにでもつけられる。血を見ることを道楽とする輩(やから)は主張する。「我々が狩猟代金を払うお陰で、貧民国の経済は持ちこたえ、その一部が密猟の取締り、延いては絶滅危惧種の保護対策の基金になっているではないか」と。

 

 遅きに帰したとは言え、その UKで、ようやく「animal hunting trophies (狩猟記念剥製)」の輸入を禁止する動きが始まった。「public consultation (パブリック・コメント)」に寄せられた意見44,000件のうち 86%は、動物の剥製の輸入を厳しく取り締まることに賛成。

 また、2019年の UK総選挙では、禁止法案が保守党のマニフェスト (政権公約)に取り入れられ、エリザベス女王も、これに賛同するスピーチを述べられている。議会では、Boris Johnson首相が何度も禁止法案を口にしている。

 

 けれども、「The British Asociation for Shooting and Conservation (英国射撃保護協会BASC)」などの圧力団体や、この禁止法案に反対する超党派議員の力が強く、禁止法案が成立するまでには、なかなか至らない。「dither and delay (グズグズと遅れるばかり)」。

 

おわりに:『道楽とは「金が有るのに任せて、見果てぬ夢を追ったり、逸楽にのめり込み、家財を傾けたりすることを指す。』(新明解 国語辞典、第6版、三省堂、2005) 親子で平和に暮らす野生動物を、道楽で殺すなんて、とても、まともな人間のすることとは思えない。まさに、狂蕩 (恥もなく、狂人のように驕った人間) の沙汰だ。

              (写真は添付のBBC Newsから引用)

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