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狩猟キジ肉が食品でないと言い張る:UKの矛盾、鉄砲狂の固執 (BBC-Science, Feb 24, 2021)

Pheasant

 『雉(キジ)も鳴かずば撃たれまい』と、昔の人は言った。ところがUKでは、鳴いても鳴かずとも、「pheasants (キジ)」は撃たれるらしい。それも鉛玉の散弾銃で。

 キジ猟 (pheasant hunting)はスポーツと言い張る人もいるが、それは単なる鳥を撃ち殺す遊び (game)をそのように呼んで、後ろめたい気分をごまかしているに過ぎない。

 猟銃に使われる鉛 (lead)は、微量であっても、毒性の強い金属元素(Pb)だ。

 

 かっては、水道管、塗料、それにガソリン添加剤などに大量に使われた鉛。現在は、ほとんどの国で、その使用が制限され、とくに食品の鉛汚染は厳しく規制されている。

 

 さて、イギリス UKと言えば、紳士淑女の国との評価が高い。しかし、今でも、本当に、高尚な精神が息づく国なのだろうか。Cambridge大学の Debbie Pain教授らの研究チームが市場に出回っている狩猟キジの抽出サンプル 180羽を解剖して調べたところ、170羽(サンプル数の 99%)から、鉛の玉が検出された。

Lead shot found in a dissected pheasant

 Pain教授らは、「game dealers (キジ猟ディーラー)」、「butchers (肉屋)」、「supermarkets (スーパー)」が販売している狩猟キジを購入したという。

 

 この調査結果は、なんとも理解しがたい。

 昨年2020年の 2月に、「Shooting and Countryside organisations (狩猟・田園協会)」が、『今後は、散弾銃に鉛の玉を使わない』と、「自主的禁止 (voluntary ban)」宣言をしたはずだ。

 

 なお、Denmarkでは、24年前の1996年から、鉛玉を使った狩猟は全面禁止になっている。それなのに、紳士の国は、いったい、どうしたの言うのだ。

A shoot on a grouse moor

 厳しい自然の中で、必死に生きている雉(キジ)を「獲物 (quarry)」と呼び、これに鉛の玉を撃ち込んで殺しては、売りさばく。

 さらに、奇妙なことに、狩猟で得た雉は、EUの食品基準の対象にならないという。(UKの食品に関しては、現在もEU基準が適用されるが。)それに、鉛の散弾も野放しとあっては、「wildfowl (野鳥)」やウズラなどの「terrestrial birds (陸鳥)」の体内に鉛が蓄積されるばかりだ。

 

 鉛の玉で傷ついた鳥は、その毒が回ってやがては死ぬ。また、自然の生態系に毒物の鉛をばらまく行為自体が、そもそも異常だ。

 

おわりに:鉛の玉を使った雉(キジ)撃ちを、伝統的な「sport」あるいは「game」と言い張る UKの「鉄砲狂(gun mania)」。その身勝手さ、「humanity」の欠如には、ただあきれるばかりだ。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com