例年、春先の花粉シーズンになると、薬局・スーパーで販売されていたマスク。それが、今年の春、一時、日本全国のほとんどの売り場から消えた。「販売終了、次の入荷は未定」の張り紙を残して。
その後、やや時を置いて出回ったのが、粗悪品の中国製マスク。そして、遅きに失したアベノ・マスク。やがて、人々は、そんなマスクを見限って、手作りマスクの良さに気づく。
しかし、とにかく、前代未聞の大量の使い捨てマスク (そのほとんどが中国製)が製造、販売され、1、2度使われて捨てられた。それは事実だ。
そうした背景があってか、今年のゴミには捨てられたマスクが増えた。道端のあちらこちらに、タバコの吸い殻、空き缶に混じって、使用済みのマスクが散らばっている。なんとも不潔だった。
その事情は、Scotlandとて同じだ。「The Marine Conservation Society (海洋保全協会)」が、ボランティア約400人の協力を得て、Scotlandのビーチ約100箇所で、「ゴミ拾い (clean-up)調査」を実施した。
その結果によると、約 1/4のビーチには、使い捨てマスク、ウェットティッシュ (wet wipes)、ビニール手袋など、コロナ感染予防対策に使用したPPE (Personal Protective Equipment)」が散乱していた。
ビーチのゴミのほとんどは、プラスチック、ポリエステル製が占め、距離100mごとに平均 78ヶのゴミが見つかったという。それに加えて、数え切れないほどのウェットティッシュ、ポテトチップスのカラ袋、綿棒が散乱していた。
なんと、海鳥の脚にマスクのゴム紐が絡まるほど、Scotlandのビーチはコロナ感染対策のグッズ PPEで汚染されていたのだ。
「animal charities (動物保護団体)」は、使い捨てマスクを捨てる際には、せめて、ゴム紐を切るようにと呼びかけているとか。
なお、ビーチ調査と並行して実施された、Scotland内陸部の「inland litter surbey (ゴミの調査)」によると、調査サイトの約 69%で、捨てられたマスクやビニール手袋が見つかっている。
おわりに:中国武漢で発生し、世界中を混乱に巻き込んだ新型コロナは、5,000万人を超える人間の健康を奪い、仕事を奪い、生命さえ奪った。その上、野生生物の生態系を壊し、自然環境まで奪うとは。
(写真は添付のBBC Newsから引用)