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七色に輝き、脚はすらりとしてセクシー:そなたさまのお名前は?(RTE-News, Sep 17, 2021)

Photo: Getty

 現代人は、奇妙なことや驚きに慣れすぎて、ちょっとした事件では驚かず、興味・関心すら示さない。

 それでは、地味な研究を続ける人が、人々をあっと言わせて、世間の注目を浴びるためにはどうすればよいか。

 

 2011年、オーストラリア CSIROに所属する昆虫学者 Dr Bryan Lessardは、思い切った奇策をとることにした。

 自分が発見した「horse fly (アブ科)」の新種に、USの女優「Beyoncé (ビヨンセ)」の名にちなんで、「Scaptia beyonceae」と命名したのだ。これは学会で、大いに物議を醸すことになった。 

 

 しかし、さらに幸運なことに、Dr Lessardは「soldier fly (ミズアブ科)」の新種も発見した。そのミズアブは、林床 (forest floor)近くの空間をブンブン飛び回っていた。キラキラと七色に輝き、脚はスラリとセクシー (legs for days)。まるで、飛び回る小さな宝石のようだったという。

 

 昆虫学者の頭には、USのポップ・カルチャーとして話題になった「RuPaul's Drag Race」が浮かんだ。そこで、「male drag performers (きらびやかに派手な女装をする男性)」の「RuPaul (ルポール)」の名を借りて、発見した新種のミズアブに「Opaluma rupaul」と命名した。

 

 なお、Opalumaは、ラテン語で「opal (オパール)」と「thorn (針)」を意味する。つまり、この昆虫は腹部にするどい針をもっているのだ。

 

おわりに:女優であれ、TVの人気ものであれ、いずれは人々の記憶から消える運命にある。しかし、アブに名前が刻まれたなら、たとえ、知る人が専門分野の人に限られるとは言え、生きたあかしが永遠に残ることになる。

 また、他人、同僚になんと言われようが、昆虫学者 Dr Lessardは奇抜な命名で一躍有名になった。

                         (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie