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10年間育てた樹齢200年のヤシの木:ああ、切り倒される! (BBC-News, Sep 25, 2021)

Simon Allan

 Scotlandの「The Royal Botanic Garden in Edinburgh (エディンバラ王立植物園)」に勤務する園芸家 Mr Simon Allanは、樹齢200年、高さ16mの「Sebal palm (セバル・パーム)」の木に、毎日、水やり・肥料に気を配り、10年間育ててきた。

 

 それは、まるで自分の子どものように慈(いつく)しみ、かわいがってきただけに、Mr Allanの、そのヤシの木に対する愛着は、ひとしおだったに違いない。

 

 しかし、そのヤシの木が植物園の改築工事のため、切り倒されることになった。これまで、すでに40,000種を超える植物が、一時的に別の温室に移植されている。

このヤシの木だけは、重さが8トンもあり、大きすぎて運び出せないため、その場で切断処理することになったという。Sabal palm

 そもそも、この「Sebal palm」は、200年前に「Bermuda(バーミューダ諸島)」からドイツに運ばれて育てられていたが、1810年、Scotlandの「Port of Leith (リース港)」に陸揚げされて「Leith Walk (リース通り)」に植えられた後、現在の「Inverleith (インヴァーリース)」の温室「Stove Hose」に移植された経緯(いきさつ)がある。Sabal palm in 1874

 1874年当時、そのヤシの木の世話係だった Mr James McNabによると、移植後 40年ほどは、緑の塊 (lump)の姿だったが、その後、ズンズン伸びて太い幹に生長したそうだ。その頃は、冬になると、暖房用ボイラーに石炭を炊いて、ヤシの木などの熱帯植物を寒さから守ったという。

 

 なお、現在の世話係 Mr Allanは、この堂々たるヤシの木が切り倒されるのが 9月 28日(火)と聞かされ、その日は休暇をもらうことにした。

 

おわりに:命が宿るのは、なにも人間だけではない。愛情を注いだヤシの木が切り倒されるなんて、Mr Allanにとっては、耐え難い苦痛だったに違いない。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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